前代未聞の、挑戦ーかるたづくり

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安西理笑さん
明治学院大学国際学部2年
2011年2月参加


カルタといえば日本の伝統的なカードゲーム。古くから日本人のあそびであったカルタをイギリスの小学生に紹介するだけでなく、彼らと一緒に郷土かるたと学校かるたのそれぞれ絵札と読み札をつくり、大会まで開催するというプログラムにとても惹かれた。よくありがちな日本文化を外国人に一方的に紹介するというものではなく、現地の人たちに日本文化を理解してもらい、協力して、1つの作品を完成させなければならないからだ。このプログラムは前代未聞の、日本人を代表しての挑戦のように感じられた。


かるたづくりの価値

郷土かるたは、教育的価値があるとされている。なぜなら郷土かるたは、その地域の事柄だけがカルタの札になっているからである。例えば、その街にある山は大きいだとか、その街にいた偉人のことだとかをカルタにしているのだ。そのため子供たちは遊びながら、地域の環境や歴史などを学ぶことができる。自分たちの暮らしをより豊かにするために、自分たちが住む街がどのようであるかを知ることはとても大切なことである。また学校かるたの場合も同様に、自分が通っている学校がどのようであるかを知ることでより豊かな学校生活が送れるであろう。今回のプログラムでは郷土かるたは6年生に、学校かるたは4年生に作ってもらうことになった。


St.Laurence schoolで、郷土かるたづくりに挑戦

3月1日 St.Lawrence school の6年生と一緒に郷土かるたを作った。まず、カルタの歴史をイギリスの小学生に教えた。カルタの歴史ははるか平安時代までさかのぼる。紙がなかった時代、貴族たちは一対のハマグリの貝殻の内側に絵を描いて、その貝殻を合わせる、貝合わせというあそびをしていた。これがカルタのルーツである、と。貝合わせの貝殻を彼らにみせると、その長い歴史と絵の美しさに驚いている様子だった。また、カルタ大会の写真を見せながら、日本の小学生がどのようにかるたで遊んでいるかを紹介した(写真1)


カルタの題材・読み札を決める

次に、子どもたちがあらかじめ用意してきたRamsgateに関連するものの題材から読み札を作った。例えばviaduct (高架鉄橋)やobelisk などである。重なってしまったアルファベットは、重ならないようにアレンジした。アルファベット総数の28よりも生徒の人数の方が多かったため、1つのアルファベットに対して2種類のカードを作った場合もあった。


絵札を作る

読み札の担当を分けた後は、その読み札に会った絵札を作る。まず配ったワークシートに下書きをした。(写真2)

下書きが完成すると、次は清書だ。画用紙を配り、絵札を描いてもらった。鉛筆で下書きをし、絵具できれいに色を塗った。絵札の完成である(写真3)。


かるたの完成

読み札のスペルチェックをして、カルタに合わせたサイズに印刷する。絵札もカルタのカードサイズに縮小コピーをして、それぞれかるたの台紙に貼って完成である。すべてのカードの裏にフェアトレードマークの入ったシールを貼った。


カルタ大会

そしていよいよかるた大会である。ST.Lawrence schoolでは5,6年生が一緒に大会を行った。私をふくめた何人かの日本人がゆかたやはっぴを着て、雰囲気作りをした。はじめに空手経験のある日本人の男性が演武披露をして、日本の伝統的なスポーツを紹介した。

空手が終わると、かるたの歴史や、かるたが日本でどのようであるかなどの紹介をし、大会のルール説明をした。日本のかるた大会同様、床にマットを引いて正座をして、スタンバイさせた(写真5)。 ゲームがスタートすると、先生が大きな声で1枚ずつ読み札を読みだします。すると生徒たちは積極的に絵札に手を伸ばして、カードを獲得しようと必死です。慣れてくると、日本人の子供顔負けに、すばやく手が伸びて、白熱した試合になりました。 勝ったチームには、商品としてフェアトレードチョコレートに、折り紙をつけてあげました。フェアトレード活動に積極的に参加している小学校だったので、フェアトレードチョコレートを景品にしたのだ。折り紙にも興味津々で、うれしそうであった。


Monkton Schoolで

3月9,10日、Monkton schoolにて、同様にかるた作成とかるた大会を実施。先生の協力を経て、無事大会を開くことができた。私はこの日も赤い浴衣をきて、大会の雰囲気を盛り上げることに。この学校でのかるた大会の司会を務めることになり、緊張していた。

生徒たちは私のつたない英語を真剣に聞いてくれ、また先生方も協力してくれて、大会を開くことができた。しかし時間が足りず、一部の生徒には悲しい思いをさせてしまったことが残念だ。大勢のひとの前で英語で話し、大会を運営するという、とても貴重な経験ができた。Monkton schoolでは、折り紙や布草履などの授業もやって、生徒たちに日本の文化を紹介した。


自ら挑戦することの大切さを学びました

私はこのインターンシップを通して、自ら挑戦することの大切さを学びました。このインターンシップの貼り紙を見た時、応募しようか迷いました。私でも小学生の前に立って授業ができるのか、私の英語力で大丈夫なのか、と。しかしフロムジャパンの貼り紙を見たのも何かの縁だと感じ、思い切って応募しました。

出発前の都内でのオリエンテーションで、一緒に行く人達との顔合わせや、現地でスムーズに行動できるようにするための打ち合わせなどをし、事務局が作ってくださったプリントを読んだりして、安心して出発することができました。 イギリスに到着してからは、毎日小学校に通って、折り紙・書道・折り紙ポスター(切り紙)・かるたなど日本の文化を紹介し、小学生に体験させました。最初のうちは、スムーズにできなかったが、回数を重ねるうちに上手く時間内に授業ができるようになっていました。生徒たちとコミュニケーションをとり、日本文化を紹介するという日々はとても充実していました。 またフェアトレードイベントにも参加し、大学で勉強しているだけではわからなかったこともたくさん知ることができました。イギリスのフェアトレードの認識率はとても高く、積極的にフェアトレード商品が取り入れられています。街中のスーパーマーケットでも、フェアトレード商品を目にすることができます。フェアトレード委員会のタミーさんの家を訪ね、フェアトレードについてお話をきいたときは、タミーさんのフェアトレードに対する情熱を感じました。私は日本に帰ってから、このインターンシップで得たフェアトレードの知識を学校のみんなで共有しなければならないと思いました。また勉強不足な点が多く、もっと学ばなければならないと感じました。