イギリスの小学校について(相違点)

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稲垣詩野さん
広島大学教育学部3年
2011年2月参加


設備・校舎
■ 講義形式ではなく、グループワーク式の配置
活動中心のグループワークが主。日本では集中力が散漫しやすいと言われたが、前を向いてしっかりと話を聞く児童たちに感動。

■電子視覚拡大機、黒板なし
電子黒板はすぐにインターネットとつなげて、グローバルな授業が可能。書き込みもできて便利!筆記用の大きな紙も視覚拡大機の横に設置してあった。

■職員室なし
staff roomは談話室のようで、休み時間はすべての先生が戻ってきて、コーヒーを片手に意見交換をしていた。日本よりもフレンドリーな空間に驚いた。

■グラウンド・体育館は?(ホール)が狭い
体育の授業をみていないのでわからないが、外で遊ぶことが必須な休み時間には少し狭いのでは?遊具がないが、クリケットなどをしていた。ホールは食堂を兼ねていた。

■チャイム
チャイムが鳴る前に教室で座っておくのではなく、チャイムは授業開始5分前の合図で、鳴ってから教師に戻るのが、とても意外だった。


制度
■小学校(primary school)は5・6歳から
小学生と言うより、幼稚園のような感じだった。授業体形も異なっていた。

■2学年合同の学校あり
日本の複式の授業とも異なり、年齢が違っても同じことをしていた。進級の際は、教える内容とかはどうするのであろうか。

■4時の下校は保護者の迎えがないといけない
絶対に事故にあわないし、安全な送り迎え。ただし、仕事の終了時間が日本の保護者よりも早いからこそできることだと思った。

■先生は必ず2人以上
T1とT2で構成。T2は補助的な役割で、サポートや雑用のみをする場合もあれば、T1と対等に2人で授業する場合もあった。T2は他のクラスにも入ったりもしていた。

■お昼の時間
全員ホールで食べる。給食とお弁当を選べるところは、(日本の給食費問題とか?)いいことだと思う。給食は選択とバイキング制で好きなものを選んで食べられる形式、アレルギーやベジタリアンの人にとってはいいが、偏食は増えないのだろうか。栄養も偏りそう。

■全校集会
全校の前でほめられたり、誕生日を祝ってもらえたりするのはとてもうれしい。課外の取り組みを発表する場があるのは、児童の意欲を高めることにつながっていいと思う。先生たちの表彰?みたいなのもあって、おもしろい取り組みだと感じた。日本みたいに、校長先生の長―い話よりも意味のあることだと思う。

■ご褒美
日本では、あまりいいとされない制度。しかし、成果を形として示すことは意欲を高めることになると思う。ただ、ご褒美をもらうために何かをする、頑張る、といった風潮になっていないのが不思議だった。

■紳士の国?
ドアを開けて通してくれる気遣いは、さも当たり前そうにしてくれたので、日本とは違うなと感じた点。


授業
■休憩時は教室にいてはいけない
強制的に教室外に追い出されていた。あとは、水分補給を必ずすること!外で遊ぶことを必修化するのは、私はいい方法だと思うが、賛否両論ありそう。

■静かにするのは「鈴」の合図
低学年では、静かにさせるときに「鈴」を鳴らしていた。見事にそれで、静かになり話を聞く体制になれていたのに、驚いた。

■お菓子の時間あり
お菓子の時間として、低学年は特にそういう時間を設けて、リンゴやオレンジ・チョコレートを食べていた。日本ではクラス会みたいな特別な時にしか、学校でお菓子を食べたりはできないのに・・・。

■えのぐ
チューブ型ではなく、グループで共有。他にもペンなども個人所有ではなく、学級で用意するという形だった。


特別支援校
■カギつきの教室
多動の子やパニックになった子が飛び出して行って、危なくないようにカギ付きの教室になっていた。だからこそ教室内では比較的ゆったりできているのか。

■あさごはん
朝食を学校でとる、ことから始まったのに驚いた。家では食べてこないのか?

■パソコンをつかう
朝登校したら、一人1台パソコンがあって、ゲームなど好きなことをしていた。授業でも、先生たちが聞き出して筆記したものをパソコンに入力する形で、書くことが苦手な子でもスムーズに学習ができるような体制がよかった。

■先生の数
2人の児童に1人の先生の割合で、細かな指導や対応ができていた。パニックが起こった時も、速やかに場所を変えたりして、ここの実態に合った指導をしていた。

■子どもの様子
日本なら、普通学級や通級学級にいそうな児童もいて、一人ひとりに対応できる体制ができている環境は、日本より進んでいるなと感じました。自由に、思い思いに活動している姿が印象的でした。


幼稚部(1年生)
■自由遊びと学習
コーナーを設けて、好きな遊びを選択できる形になっていた。書き取りのコーナーを設けたり、文字や数を書くことも遊びの一環として、「楽しみながら学ぶ」ことをテーマにしていたように思う。集団というより、個を重視した活動が多かったように思う。

■よみきかせ
先生の演技力に圧倒されました。

■子どもの様子
机のある空間と自由に活動する空間が分けてあるのが印象的でした。自分で何でもできたり、かたづけやルールをしっかりとできている子が多かった。導入では、さんすうなどちょっと高度なこともしていた。


指導の仕方
・学年ごとに差異はあったが、内容ごとにメリハリをつけて取り組ませているように感じた。
・「叱る」と言うのではなく、注意を促す程度のもので、基本は教師が言わなくても話をしっかり聞くことができていた。
・教える、ということに自信をもって堂々と前に立って話をされている先生が多かった。特に6年生の先生は、ぐいぐいと引っ張る時は引っ張って、活動に入ったら任せる、というスタンスをとっていた。低学年の先生は、広く抱え込んでみる、というかたちで、はきはきとされていたように感じた。


授業
・(教科授業ではなかったが、)授業内容としては、実物と視覚教材を導入で用いて、いかに興味を引き付けられるかが大切だと感じた。自分たちの生活と密接して考えられることの大切さを学んだ。
・視覚教材については、インターネットから文献を引用したり、児童の興味がありそうな内容に切り替えて活動させたりするといった、とっさの判断力が印象的でよかった。
・教室内や授業中の先生への信頼感というのが、普段の学校生活や授業風景に与える影響が大きかったように感じる。


体験を終えて-感想
ちゃめっけのあって、親しげに接してくる子どもたちと触れ合って、国は違うといえども、子どもたちの本質はいっしょなのだな、ということを感じました。先生方も、「自分たちが日本語しゃべれないのと一緒で、英語を話せなくても気にしないで!」と優しく接してくださって、自分たちのつたない授業をとてもよりよいものに補助してくださいました。また、「優しさ=甘やかす」ことではなくて、規律指導や注意の向け方など毎日の指導の積み重ねから来る教師と児童との関係が欠かせないということを感じました。日本よりも自由でオープンな感じを受けるのは、根底にそういった指導があるからこそではないでしょうか。

授業をした感想としては、日本の文化にとても興味を示してくれたことと、実物・写真の効果が多いことを実感しました。どの子も素直で、楽しそうにしていたのが印象的でした。6年生になると、語彙力が格段に上がり、要求していることが分からなかったりしましたし、授業に取り組む姿勢も積極的というわけでなく、やっているという感じを受けました。日本でも一緒ですね、いかに興味を引き付けられるかが必要です。

小学校教育実習を経ての参加でしたが、授業づくりをして、英語力以前に自分の力不足を実感しました。来年教師になれた時、イギリスの教育のいいところを参考にしつつ、さまざまなことにチャレンジし、いかに子どもたちが成長できるか、楽しみながら学べるかを日々追求・研究できる教師になりたいと思います。