かるたは、素敵な日本の文化

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小野崎遥菜さん
埼玉大学教養学部2年
イギリス・2011年2月参加


出発前の準備

私のカルタづくりへの第一歩は日本にいるときからでした。私の住んでいる栃木県小山市は小学生が毎年カルタ大会に参加する、ということがありましたので大会にむけて練習を友達とするということが遊びの一つでした。今回、イギリスでカルタを作り、大会を開催するということで私も参加させていただいたことのある小山市のカルタ大会について、また栃木のカルタである「下野カルタ」についてのお話を伺わせていただき、さらには大会の様子を取材する機会を頂きました。小山市で開催されるカルタ大会は自治会によって運営されているものです。各地区の育成会で行われた予選で勝ち抜いた小学一年生から六年生までの各学年二人ずつの代表が小山市の決勝へと進むことが出来ます。地区や学年によっては人数が少ない場合もあり、必ずしも二人の子供がいるというわけではありませんでした。自分が当たり前に思っていたカルタ大会ですが、同じ栃木県でも他の地域では開催されていないことや大会開催にあたり「子どもたちに地域のことを知ることが出来るカルタで遊んでもらいたい」という思いが伝わってきました。カルタのようなカード遊びは、日本の伝統的な遊びである一方、特に地域カルタにおいては歴史や地理、名産物等の地域の特色を学ぶには良いものです。子どもたちも遊びの一環で自分たちのすむ地域のことについて学ぶことが出来ます。
日本で二回にわたって行われた事前実習では、実際に私たちがカルタ遊びをしました。これによってチームのみんなに「どのようなカルタ大会をつくりあげるのか」という共通のイメージをえがくことができたと思います。


二つの学校でカルタを完成

実際にイギリスの二つの小学校でカルタを作ることが出来ました。教室に向かう前には、子どもたちにカルタのことを理解してもらえるのか、またある程度の質のカルタを作ることが出来るのかという不安がありました。もちろん英語でコミュニケーションをとらねばならない。そのいった不安はいくつもありました。
作り始めて、困難だったことは生徒の作った読み句の校了作業です。子どもたちの書いた英語はスペルミスだけでなく、文法的にも間違いがあること、また判別の難しいアルファベットを書く子どももいます。また絵札用の絵を描くときにも、時間内におらわせることのできない子、集中力が途切れてしまって他のことで遊んでしまう子がいる一方で、すぐに終わってしまって暇をもてあそんでしまう子どもがいました。一つの教室の中である作品を完成させようとするときには日本においても同じことですが、すべての生徒が同じ速度、またクオリティーで作業を進められるわけではありません。そういった生徒にはサポートが必要ですが、英語が不自由なことで、100パーセントのサポートが出来たわけではありませんでした。
カルタが出来あがって、カルタ大会を開きました。子どもたちはみんな真剣に、また楽しそうに参加していました。大会の運営としては、きちんとした役割分担をしないままに始めてしまったために、こちらとしても戸惑うことがありました。
二つ目の小学校では、私が子どもたちにカルタの導入からやらせていただくことになりました。用意してくださったマニュアルを基に、自分である程度の用意をして、臨みました。ですが、いざとなると緊張してしまってうまく言葉が出てこなくなってしまいました。チームや先生の助けを借りて、なんとかこちらの学校でもカルタを作り上げることができました。こちらでも、大会を開催すると子どもたちは楽しそうに遊んでいました。
カルタに描かれた町を探検

今回、カルタを作るだけではなく、子どもたちがカルタの題材として選んだ物、場所を観に行く町探検ツアーも行いました。特に興味深かかったのは、全国で展開されているお店も子どもたちにとっては町の一部として捉えられているという点です。大人が自分たちの町のカルタを作ったならば、その町に特有なものでカルタを完成させることが可能ですが、子どもたちの目線からみた町は必ずしもそうではありません。もちろん、町の誇るもの、特有なものを題材にとる生徒が多いのですが、そういった子どもたちの町の捉え方をしることができ、とても楽しいツアーとなりました。


素敵な日本の文化

「イギリスでカルタをつくる」と言うことは、人々になじみのないものを紹介して、理解してもらい、かつ興味を引きだすことが必要です。そのためにはたくさんの準備が必要で、どのように「教えたら」いいのか、ということばかり考えていました。しかし今回の活動を通して、こちらからはカルタのことを教えるその一方で、先生方や生徒たち、またホームステイ先の家族や現地でできた友達からはラムズゲートをはじめとするサネットの町のことやイギリスの文化などについて多くのことを教わりました。そういった点で、地域カルタは双方にとって有益であると感じました。また、遊びの一つであるためにとても楽しい。子どもたちが楽しんで遊ぶことができ、またその楽しんでいる様子を見て周囲の大人も楽しい雰囲気に包みこんでくれる。そんな素敵な日本の文化であると感じました。