コミュニティインターンに参加して得ることが出来たもの

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安藤菜那 さん
横浜国立大学教育人間科学部3年
イギリス・2012年2月参加


初めに(このプログラムに参加することを決めたきっかけについて)

私がこのプログラムに参加するきっかけとなったのは偶然の出来事によるものでした。大学の学校生活に関するある書類を受け取るために大学の学務を訪れたとき、このプログラムに関するポスターを見つけ、自分の中で何か運命的なものを感じてその場から離れられなくなっている自分がいました。それは何故かというと、自分自身大学で学んでいる専門が英語教育ということ、幼少のころから習字・書道を習っていたこと、また、海外の教育事情に深い関心を抱いていたということなど、このプログラムに惹きつけられざるを得ない状況に置かれていたからです。私は思い立ったらすぐ行動に移ってしまう性分なのでその日のうちに親に電話で相談をし、翌日詳しいことを調べ、その後一週間以内に申し込みをしました。そのときの自分の行動の急さには自分でも驚かされる部分がありますが、今になって思うとそれは自分にとって正しい判断であり、今回のプログラム参加の経験が自分の人生の中の一つの経験として欠かすことのできないものであったからこその行動であったのだと改めて感じています。


現地での授業経営・子どもたちとの関わりを通して

現地で担当させていただいた授業は折り紙、折り紙を利用したポスター作成、カルタ、書道など様々な分野の経験をさせていただきました。私は個人的に昔から習字・書道を習っていたこともあり、特に書道の授業を現地で行うことを心待ちにしていました。Christ church schoolの4年生と6年生で授業を行ったのですが、やはり学年によって作業の進み具合に大きな違いが見られました。必然的に6年生の方が道具の準備や指示に対する飲み込み具合がスムーズだったように思われます。4年生にとっては少し難しい授業内容だったのかなということを感じましたが、なんとか自分の作品を仕上げようと必死に取り組む姿はとてもほほえましく、また胸を打たれるものがありました。子どもたちは墨(black ink)という、自分たちにとっては得体のしれないものに非常に大きな関心を持ち、墨を磨る作業では食い入るようにその様子を観察していました。どの子も作業に飽きることなく、次から次へと何枚も何枚も書きたがる様子で、書道に親しんでくれたように感じます。このことは現地で行ったどの授業に対しても同じように言うことが出来ると思います

異国の地で自国の文化を伝えるというプログラムは、本当に魅力的なプログラムであると実際に授業を行って初めて、その素晴らしさに気付く事が出来ました。自分が想像している以上に大きな反応や感動を得ることが出来ました。私たちにとってカルタや折り紙、書道は身近に触れられるものであり、小さいころから地域の人や学校または親戚との関わりの中で親しんできたものでありますが、向こうの子どもたちにとっては“What’s this?”という主観から入るのです。普通に考えれば当たり前の事でありながら、そのことが私にとっては大きな衝撃でありました。住む場所が違えば言語、衣食住、さらには文化も異なってくるというごく当たり前の事に身を持って体感することが出来たように思います。子どもたちにとってもそのことを感じ取ることができるいい機会になったのではと思いますし、そのような事を感じ取ってくれていたらいいなという期待をしています。

授業が終わって休み時間の初めに子どもたちに “Did you enjoy the class?’’ と声をかけるようにしていたのですが、毎回の授業後に満面の笑みで“Yes!! ’’という返事をもらうことが出来ました。正直、授業を「どのように組み立てるか、時間内でどのようなことを子どもたちに与えたいのか、与えることが出来るのか、ということを考える段階で慣れていなかったこともあり、時折「どうしたらいいのだろう」と思うこともありましたが、子どもたちが授業に積極的に参加しようとしてくれて楽しんでくれたおかげで、カリキュラムをこなすことが出来たのだろうと感じています。疲れていても「子どもたちのために」と思えば、自然と体と脳にエネルギーが湧いてくるといった感覚はプログラムを終えた今でも鮮明に覚えています。子どもたちと身近に関わってこそ生まれる、本当に不思議なパワーだと思います。


英語力向上について

自身が英語教育を専門として大学に通っているということもあり、今回の現地滞在の目的として英語力向上のため、ま「英語を実際に多くの場面で使う機会とするため」ということも含まれていました。このプログラムに興味を持つ人の中で、その部分に重きを置いて参加を考えていらっしゃる方も少なくないのではと思います。また実際今年度活動を共にしたメンバーの中にも英語教育を専攻していたり将来英語教師を目指していたりという人は多くいました。自分自身のことについて言うと、机上で行う英語の学習に物足りなさを感じていたということもあり、また、ある本を読んだことがきっかけで「英語は言語なのだから実際にコミュニケーションの中で使わなくては意味がない!」という気持ちに駆られていたのでした。現地に行く前に実際の生活の中で使う英語表現の予習を約一ヵ月間継続して行いました。具体的な勉強方法は、生活の中で使う英語表現がたくさん収録されている参考書を買い、その付属のCDをMP3に転送し、移動の時間や身支度をしているときなどに繰り返し聞いてリプロダクションするといったものでした。何度も口ずさむ内に早く英国に行って英語を使いたいという気持ちがどんどん高まっていきました。予習していったことは現地の生活で生かす事ができ、ホストマザーや語学学校の先生、小学校の先生、駅員さん、あらゆるお店の店員さんたちが何を話しているのか聞きとる際にも役立てることが出来ました。実際英語をコミュ二ケーションの中で使ったのは実は英国に着いてからではありませんでした。というのも、このプログラム参加を決意してから、同大学に在学している留学生と交流する機会を多く持つことを意識し、そこで出来た友達と昼休みの時間などに積極的に会話をすることを習慣づけるようにしていたからです。プログラム参加を決意する前は躊躇していたことに足を踏み入れることができとても嬉しく感じています。英国に行く前はその友達から“You can do it! Enjoy!”と背中を押してもらいました。その友達との交流は日本に帰ってきた今でも続いていて私はその友達たちに日本語を教え、その友達たちに英語を教わっています。会話の中の7割は冗談の飛ばし合いであるあたりは日本人の友達との関わりとあまり大差はありません。このプログラム参加決意がきっかけで知りあうことができたその友達たちとのつながりを今後も大切にしていきたいと思います。

英語学習において、文法知識の習得や語彙習得などにおいて机上の学習は欠かせませんが、実際にコミュニケーションの中で学んだ英語を話すということがいかに重要であるかということを身にしみて感じました。例えば今回は日本人の学生や団長さんが共に英国に行くという安心感がありましたが、1人で英国(あるいは英語圏)に行き、日本人観光客や日本人の滞在者、居住者が身近におらず、なお且つ全く英語が話せなかったら生活をすることができません。今回の経験を積んだ今、次回機会があったらより厳しい条件で海外に1人で跳びこんでみたいなという気持ちも芽生えています。あと単純に考えて、英語を使って海外の人とコミュニケーションをとることは大切というよりも、本当に楽しいことであると感じます。日本に帰ってきて英語を話す機会は減ってしまいましたが、これからは自分の力で英語を話せる機会を探し、コミュニケーションをとる中での英語学習も続けていきたいと思っています。もっともっと勉強して、より発展的な話題についてネイティブの人と話せるようになることが今の目標です。プログラム参加決意から、帰国後までの気持ちの変化を辿ってみると、よりいっそう英語学習・習得というものに対する意識を高めることができたということを確信しています。


現地での生活について・国際交流の場

現地の生活の中で関わった人はイギリスの人だけではありません。ホストマザーはイタリア人、ハウスメイトは中国人とブラジル人、最初の一週目に通った語学学校で知り合った方々は韓国人、アルゼンチン人、ロシア人、フランス人、スペイン人、といったように非常に多様な国籍の人と交流をすることが出来、このことは私が現地に着くまで全く予想をしていなかったことでした。このような素晴らしい機会に巡り合えた事を無駄にしてはいけないと思い、それぞれの人と、言語、文化、家族のこと、将来のことについて(英語圏で働きたいと思っている人)など様々な話題で交流を深めました。国籍でその人を判断することはあまり良くないことですが、それぞれの人がそれぞれの国の色を持っていてそのことに対してとても興味深く感じました。不思議と自分は日本人なのだ、という意識も強くなったように思います。これには良い点と余り良くない点があると思いますが良い点を挙げるとすると、より自国に対する深い理解と多様な知識を身につけなければならないという動機づけになったということが挙げられるのではないかと思います。情報化がどんどん進行している今の世の中でネットを経由すればどんな情報でも手に入るということは確かですが、実際にその国に住んでいる、あるいは住んでいたというひとの生の声を聞く事、生の意見を聞く事は、インパクトがまるで違います。私自身はそう感じました。自分からもっと「日本はこういう国で、こんな素晴らしい側面をもっている」ということをより説得性を持たせて伝えることができたら、ということを多様な国籍の方々とお話をする中で強く感じ、またもどかしくさえ感じたので、今後の課題にしていきたいと考えています。


今回の活動を今後に生かしていくために

今回の経験は自分の今後を考えたうえで、辿って行こうと思っていた道を大きく変えるきっかけになったといっても過言ではありません。プログラム参加の前は「自分はいったい本当は何がしたいのだろう」と今後の進むべき道が明確にならずもやもやしていた部分がありましたが、この経験を終えて見えてきたものがありました。海外の人がより日本のことに興味を持ち、私たちの使用する言語や色彩豊かな文化や愛してくれ、一方で自分自身もまだ訪れたことのない様々な国の文化に触れ理解を得る。このことを今後も持続的に継続し、それに必要な知識や技術を身につけていきたいと思っています。これらのことは非常に難易なことであり、膨大なエネルギーが必要であると多少不安に駆られることもありますが、今回のプログラム参加がもたらしてくれたきっかけあってこそ芽生えた思いであると思うので今後もその意欲を保っていきたいと考えています。もしこのプログラム参加を少しでも考えている方がいれば参加を勧めたいというのが私個人としての思いです。経験を生かすも殺すもそれぞれの人次第であるとは思いますが、挑戦してみたいという意欲と、海外に飛びこんでいこうという勇気があれば、たとえ短期間であれ非常に多くのものを得られるのではないかと思います。プログラム参加者の一人として、現地で感じたことをすぐに忘れてしまったり無駄にしてしまわないように、自分のできる限りを尽くして周りに伝承したり、意見交換をしたり共有したりすることに努めていきたいと考えています。何年経っても自分の記憶の中で色あせることのない3週間になったことには間違えありません。大学生活の中で一度は海外に足を踏み入れてみたいと半ば行き当たりばったりで決めたことが、このような自分の心の中にずっと残るような資産になり自分でも驚いています。

最後に、今回のプログラム参加において全力でサポートしてくださったフロムジャパン職員の皆さん、、、、授業を経営するうえで常に支えあって、時には励ましの言葉をかけてくれた他の参加者の皆さんに深く感謝申し上げます。皆さんのそれぞれの場での今後のご活躍を願いつつ、この経験を生かした将来選択の中でより一層の努力を積んでいきたいと思っています。ありがとうございました。