私のイギリス体験記

1202shinji

堀田真司さん
中京大学法学部4年
イギリス・2012年2月参加


海外に行くのは初めてだし、そもそも飛行機に乗ったことがない。教職を目指している訳でもないので、授業なんてしたこともやり方も分からない。英語だって受験以外で使ったこともないし、私にとって初めて尽くしの参加となった。だから全ての事が新鮮で、どんな些細な事でも感情を揺さぶられ、鉛筆が倒れるだけで笑ってしまう思春期の子供の様に、条件反射的に「スゲェ!!」としか言っていなかった様に思う。イギリス風に言えば「Brilliant !!」。やたらBrilliantを多用する同参加者の彼の発音が耳に残って離れないが、彼も私と同じ気持ちだったのだろうか。

と、まあ、そんな人間が正に今、体験談として作文を書く訳だが、書きたい事が多過ぎて上手く文章に纏まらない。まだ1日1話形式で3週間分仕上げるとか本1冊分とかの方が気分的には遥かに楽である。つまり何が言いたいかと言うと、それだけ充実した語り尽くせない3週間だったという事だ。とある参加者の言い回しを借りて表現するなら「ムッッッチャ!楽しかったわぁ!!」といった所だ。私は愛知だから「どえりゃぁ楽しかったが」とでも言おうか。そう、参加メンバーも北は北海道から南は沖縄まで取り揃っており、世界の広さよりもまず、日本の広さを再認識させられたインターンだった。一部の人しか分からないであろう「しんがーそんぐりゃーたー」という言葉が生まれた方言談義も良い思い出だ。

・・・・・・・。
いかん・・・。全然イギリスの事に触れずに、話題が出国しないまま話が進みそうだ。分量は問わないって言われてはいるけど、イギリスと関係ない話で1、2ページはイケそうである、これは不味い。話題がイギリスになったらもっと長くなるのでは? という訳で、これから以下の3点に絞り、且つその中でも事柄をピックアップして述べよう。①ホームステイ先での事 ②学校での活動 ③休日の過ごし方
体験談集に載せるとの事なので、分量は控え目で参考になる内容になる様に心掛ける。


① ホームステイ先での事
まずはざっくりと。私が過ごした家は、若い夫婦に犬、そして生後間もない女の子という家族構成。そして初めの1週間はアルゼンチンからの留学生(21)と同じ部屋で過ごした。門限がある家もあった様だが、私の所は自由で、時間を気にせず毎晩パブに出掛ける事が出来た。ご飯は時間を伝えれば何時でも作って貰えたし(育児で食事時間が不規則だからかもしれないが)、シャワーも何時でも良いという事だった(中には風呂に浸かれるという贅沢な家もあった様)。他の家もそうだが、洗濯物は溜め込んで一気に洗う方針。私の所の基準は“洗濯籠が一杯になったら”。なので、ある程度の量と嵩張る衣服(防寒、乾き易いという側面からもフリース素材の物がベスト)があると良い。ネット環境にあったので持参したパソコンは無駄にはならなかった。(私は無料で使わせて貰ったが、家によっては料金を払う場合も)しかし、これは幸運な例でネット環境でないことを前提に準備をした方が良いかもしれない。が、街には意外とWi-Fi環境があるのでスマホは活躍するかもしれない。

そんな家で3週間過ごした訳だが、まず一番良かったのがルームメイトの存在。勿論、気が合う合わないによって良し悪しが変わる訳だが、幸いにも直ぐに打ち解け、家に着いてから就寝までの3時間ずっと喋りっぱなしだった。その後も毎日、折り紙や紙芝居の授業の練習相手になって貰ったり、パブに出掛けたりとイギリスでの生活をより楽しい充実したものにしてくれた。なので、ギャンブルする気で事前のアンケートのルームメイト可の欄に記入する事を私はお勧めする。同室というのは本当に話すネタに事欠かないし、会話能力が格段に上がる(私の場合は元々のレベルが低すぎたのかもしれないが)。

また、ファミリーと会話する上で重要なのはジェスチャーだ。特に日常生活でとっさに出てこない時は重要。私なんかは慣れるまで殆どジェスチャーで会話をしていた。口に出すのはIとかYouとかくらいのもので、その内に向こうもジェスチャーだけで会話し出すから、はたから見るとパントマイム状態である。しかし、下手な英語よりも通じるから馬鹿に出来ない。勿論話せるに越したことはないが、まあ、何とかなるもんだね、という事を述べておく。ただし、家の外でやるのはお勧め出来ない。間違いなく変な奴に認定されてしまうから。

2週目にホストファザーの誕生パーティーがあり、親戚を招いてのどんちゃん騒ぎになった。事前に伝えるというサービスは残念ながら無いらしく、「あれ?何時まで経っても帰ってこない」と途方に暮れていた所に「今夜はパーティーだぜ!ヒャッホウ!!俺の誕生日なんだぜ?フゥーー!!」というテンションで帰宅。というより、玄関を開けた瞬間がパーティー開始の合図というテンションの上がり方。そういうサプライズがあるかも知れないので、普段の動向には気を付けるべきである(言われてみれば冷蔵庫の中に謎の色のケーキ?が買ってきてあった様な、お菓子のストックが増えていた様な、キッチンにロウソクが転がっていた様な・・・という程度)。私は日本から持ってきていた使い捨てカイロをプレゼントしたが(突然だったので苦肉の策)、案の定カイロを知らなかったので、日本の防寒具だと説明しておいた(仕組みはジェスチャーとAir make it hot という頭の悪そうな英語で通じてしまった)。カイロの実演販売の様な事をさせられて、しかもその後もずっとそれで盛り上がるという驚愕の展開を見せたので、意外とウケは良いのかもしれない(「キャシー、それは何だい?」『あらジョン。日本の防寒具でカイロっていうのよ。使い方は簡単、袋から取り出すだけよ』「そいつは便利だね」『しかもこれはシールタイプなのよ!』「な、何だってーー!?」みたいなノリの説明。初めは一人でやる→後で何故かノリノリになった皆でやる)。
帰国時には折り紙でハート形のスタンドを作り、メッセージを挟んでさり気無く置いて去るという演出・・・をするつもりだったが、別れる直前に発見されてしまい計画失敗。まあ、形はどうあれ感謝の気持ちを伝えることはやっておいて損はないはず。


② 学校での活動
日本文化を紹介するという名目の活動だったが、私は紹介の仕方に2通りあると考えていた。1つは折り紙や書道体験といった子供達と一体となってする活動。もう1つは紙芝居や日本文化カルタにおける文化紹介などの、こちらから発信するだけの体験を伴わない活動(紙芝居は子供達にやらせたチームもあった様だが)。偉そうな事を言える立場では無いが、後者よりも前者のクオリティが高かった様に思う。要因としては教職を志望する参加者が多く居たり、個々の工夫のお陰で、全体として授業内容のレベルアップが図れたが、後者のレベルアップに関してはスペシャリストの存在が不可欠だ、という事が挙げられる。前者の肝は“共感”、後者は“魅せる”。それぞれの観点を重視して授業をする訳だが、後者の場合、寄せ集めの人材では中々それも難しい。現段階で出来る事は、もし“魅せる”特技を持った参加者がいれば、それ中心に内容を組み替える事をするという程度だろう(実際にあった例としては日本舞踊や空手など?)。
それでもスペシャリストでない私達が“魅せる”工夫としては、とにかく練習量が物を言う。私のチームでの紙芝居を例にして少し記しておく。そもそも、紙芝居は子供達の創造力を働かせる様に読むものだが、日本文化という背景を持っていないイギリスの子供達には難しい。そこで、通常と違い子供達の想像を誘導させる様に、寸劇の様に紙芝居を行った。良いか悪いかはともかくとして、そういう配慮も必要かもしれないという事だ。そして声色や捲るタイミング等、読み合わせを何度も繰り返し練習し、夜も集まって練習した(主に私が未熟な所為で、そしてチームメイトはスパルタだった)。学校への道中も練習していた。とにかくその位の情熱をもって臨んで、初めて子供達に魅せる事が出来るという事を言いたい。

カルタゲームや折り紙等の“共感させる”授業は子供達と一緒に楽しむ気持ちで臨んだら良いと思う。が、楽しむ為にも準備はしっかりとした方が良い。とにかく準備だ。

今回、朝礼やイベントで歌の発表をもって日本紹介をした。そこでは“共感”と“魅せる”2つの要素を混ぜた訳だが(身振りを交えた歌と、純粋に歌って聞かせる日本らしさを重視した歌の2曲を発表)、個人的に小細工抜きにした“魅せる”事に特化した歌の発表というのもしてみたかった。つまりは本気で練習して日本らしさを前面に出した歌である。残念ながら、私はもう参加出来そうにないので、これを読んだ次回以降の人に託したい。しかし、動きを交えた発表もそれはそれで良いので、と悩ませる様な事も言っておく。

あと、子供達は早口なので聞き取るのが非常に大変であった。事前に訓練できるものかどうかは分からないが、覚悟くらいはしておくべきかもしれない。そして、体調にはくれぐれも気をつけて(最後に私の喉が潰れてチームメイトに多大な迷惑を掛けてしまった。済みませんでした)。


③ 休日の過ごし方
休日の事を語る前に、この書き言葉を何とかしなければならない。何故ならば私にとって休日とは、全力をもってして遊び倒すものであり、その魅力的な日の事を書き表すのに、こんな堅苦しい語り口の言葉使いは相応しくないからである。

と、言う訳で。こっからはフリーな感じで、感情込めて、臨場感たっぷりに描かせて貰う!あぁ~、最初からこんな感じで書けば良かった!!楽だわぁ。 まず休日に出来る事!もう、何でも出来るわ!!ルームメイトは3日くらい家帰らずにスコットランド行ってたし、ユーロスター乗ってフランス行った人もいるし、自由度はかなり高いと言って良いです。カンタベリ大聖堂が結構近くにあったんだけど、後になって思えば自転車で行けるね、アレ。語学学校で自転車が借りれるみたいだから、体動かしたい人にオススメ。あと、電車のチケットは4人1組で買うと半額?になるよ。3人でも4人分買えば結果安くなるから良いんでないかな。
さて、ロンドンとかリーズ城とかドーバーとか、皆色んなとこに行ったみたいだけど、折角だから他の人が書かなさそうな場所を書いておこう。ずばりハートフィールド。なぜ他の人が書かなさそうかと言うと、僕ともう1人しか行っていないからだ。・・・逆に被りそうな気がしてきたけど。どんな所かと言うと、ザ・自然!という感じの場所。なんでもクマのプーさんの生まれ故郷で、ディズニーに身売りされて働くようになるまで、制服の赤いTシャツを着る事もなく転がり遊んでいた場所だとか。片道3時間で、散策するのには1日かけても足らない様な大自然。日帰りはキツイけど頑張ったぜ!という行動力と体力が試されるスポット。だから皆行かないのさ・・・。実際すごく疲れたしね。魅力としては「とりあえず行ってみ?」としか言い様が無い程大迫力の自然が広がっていて、感動の全てを伝えようにも言葉にも写真にも表し切れぬ!といったところ。プーさんが好きな人は是非行ってみて下さい。そしてプーさん達の家を探そう!←重要

もう1つ近場で。マーゲートにシェル・グロットっていう貝で出来た洞窟みたいな所があるんだけど、圧巻!もう貝しか目に入らないって位に一面の貝。気分的には完成度の高いトランプタワーを見ている時に近い。「なんでワザワザこんな事を・・・でもスゴイ!!」みたいな。 こっちには結構他の人も行ったみたいだけど、行った人は皆「行って良かった、言ってないなら絶対行くべきだ」って言う位、気持ち的に満腹になる場所。なんで作られたのかよく分かんないけど、「日本人も貝塚残す位なら、シェル・グロット残せよ」とか思ってしまう程に綺麗な装飾がされていました。

以上、簡潔ですが私の体験を纏めました。今までチームで何かをするという事をあまりせず、個人プレイに走る事の多い私ですが、本プログラムを通じて協調性を身につける事が出来ました。学生を終える前に身につける事が出来て本当に良かったと思います。