日本文化カルタ作りに挑戦して

1202mizukiIshi

石川瑞起さん
琉球大学教育学部3年
イギリス・2012年2月参加


私は今回のインターンシップで、初の試みとして「日本文化カルタ」作りに挑戦しました。私自身カルタを作った経験が無い、前例も無い、ほぼまっさらな状態からのスタートだったため、“小学校5~6年生の子どもたちに、どうやって日本の文化を伝えたらよいのか・・・”と出発前からとても悩みました。現地に持っていけるものは限られているため、浴衣や折り紙、しおりなど活用できそうなものをひたすらスーツケースに詰めていきました。現地で実際にインターンが始まってからは、子どもたちにいかに短い時間で分かりやすく、飽きさせない説明ができるか、夜な夜なメンバーで集まり、話し合いや作業をしながら構想を練っていきました。そして出来上がったのが「日本文化クイズ」とオリジナルのパワーポイントです。

1日目の授業では、まず、「日本文化クイズ」を日本紹介のための導入として行いました。スクリーンに問題を写すと、騒いでいた子どもたちはすぐに注目し、各々楽しそうにクイズに答えてくれました。特に、キャラクターや漫画などの内容に対しては身近なものであるため、他のものより反響があるように感じました。しかし、子どもたちの中には“スポンジボブ”が日本のキャラクターだと思っている子もおり、意外と日本の文化はそこまで知られていないことに気付かされました。次に、パワーポイントで浴衣や相撲、和菓子など日本の伝統文化から、給食や和式便所、係活動やキャラ弁など現代の日本の子どもたちの生活について、写真を用いて説明・紹介しました。日本の文化は子どもたちにとって全く異なる文化や習慣であるため、説明を聞きながらとても驚いているように見えました。説明だけでは飽きてしまうので、時々実物を触らせたり実際に体験させました。特に、けん玉やコマの実演では、子どもたちは目を輝かせていました。結局、パワーポイントでの説明は30分以上かかったのですが、どの子も集中力を切らすことなく夢中になって説明を聞いてくれました。その後さっそく読み句を書かせると、どの子もスラスラとユニークで面白い句を書いており、柔軟な発想力に驚きました。その様子を見ながら、“同じことを日本の学校で行ったらこのようにスラスラ書ききれないだろうな”と思うのと同時に、イギリスの小学校の教育の在り方に感心しました。

2日目は、さっそく絵札の作成に取り掛かりました。この時間はほとんど子どもたちの作業中心だったこともあり、目立ったトラブルはありませんでした。ただ、1つ反省点があります。私たちは授業の最初に絵札作成のヒントとして実物が写った写真を用意し、それぞれに配ったのですが、約3分の2の子がそのまま写真の通りに絵を描いていたのです。最初から写真を見てしまうと、“この見本通りに描かなくてはいけない”と思ってしまう子も多く、子どもたちのイメージ力や想像力を削いでしまうような気がしました。そのため、今後この活動を行う際には、始めから写真は配らず、どうしても描けない子の補助の教材として提供すると良いと思います。

次の日行った学級内でのカルタ大会では、どの子も自分が描いた札を取ろうと必死になっていました。必死になりすぎて、喧嘩になったり、泣いてしまう子もいましたが・・・。よほど日本文化を気に入ったのか、休み時間になっても外に行かずに日本の文化について質問してくる子や、折り紙の上手な子が鶴を折って見せてくれたりしたので、とても嬉しく思いました。

今回日本文化カルタの担当をしたことは、教師を目指す私にとってとても貴重な勉強になりました。「異文化理解は自分化理解」とはよく言ったもので、現地の子どもたちを理解し、彼らに合った文化紹介をするためには、まず自国について正確な情報を知らなくてはなりませんでした。実際に日本について調べていると、日本人である私自身知らなかった知識や情報が多くあり、教師として教壇に立つにはまだまだ勉強不足であると感じました。また、授業構成や進め方、机間指導などを学ぶことができました。実は、私は去年の夏に1ヶ月中学校で英語の教育実習を経験していたので、正直授業を行うことに関しては余裕だと考えていました。しかし、実際子どもたちの前に立って授業をすると、うまくクラスコントロールができなかったり、小学生特有の思わぬハプニングに見舞われたり、文化や言語の違いから授業が中断したりと手こずることも多々ありました。なかなか自分の描くイメージ通りの授業ができず、スランプ気味になったこともありましたが、グループで連携・協力したことでどうにか最後まで乗り切ることができました。子どもたちが笑顔で自分たちの作成したカルタで遊んでいる姿を見ていると、“些細かもしれないけれど、子どもたちの新たな世界を広げる、異文化理解のお手伝いができたのかな・・・”と感じました。また、今回のカルタ作りを通して、同じような取り組みを是非日本の学校でも実践してみたいと思いました。将来、教師になったらこの今回の経験を生かして「異文化カルタ作り」をし、日本の児童生徒が楽しみながら異文化理解を行うことができる授業をしようと思います。

今回は初めての取り組みだったため、まだまだ改善の余地があると思います。授業を振り返れば、反省点はたくさん挙げられます。しかし、プラス面・マイナス面全て含めて有意義な時間を過ごすことができたと思っています。このカルタ作りは日本とイギリスを繋ぐ掛け橋であり、異文化理解を行う上で重要な役割を持っていると考えています。そのため、今後も引き続き実践されていくことを願っています。