イギリスで日本文化を紹介して

1202ayaka

森元 彩花さん
琉球大学教育学部2年
イギリス・2012年2月参加


“日本文化を紹介しながらイギリスの子供達とも触れ合える”。これが、私がこのインターンに参加した主な理由です。子供と接することが好きで、異文化理解にも興味があった私は、将来子供と関わる仕事をしていくうえで、ぜひ一度海外の教育場面や子供達の様子を見てみたいという思いがありました。単なる観光や語学留学で海外に行くのとではちょっと目的が違うような気がしてためらっていた時、ちょうど大学の掲示板でこのプログラムのポスターを目にし、「私がやってみたいのはまさにこれだ!」と思ったのです。しかし英語にあまり自信のなかった私は、周りについていけるのか、ちゃんと英語でコミュニケーションがとれるのかとても不安でした。でも「やらないで後悔するよりは、何事も経験としてチャレンジしてみよう!」と決意し、思い切って参加することにしました。


主な活動

主な活動としては、イギリスの小学校に行ってカルタ作りやカルタ大会、折り紙、書道、紙芝居などを紹介しました。英語で授業を行うために、最初の3日間は午前中語学学校に通い、模擬授業や実践的な英語表現を学びました。私達インターンはラムスゲートという町で各々ホームステイをし、平日は徒歩またはバスを利用して小学校に通いました。また週末はロンドンやカンタベリー、リーズ城などを観光しました。


カルタゲーム

私達グループがカルタゲームを行った際に工夫した点について述べていきたいと思います。
カルタゲームでは、まず、カルタの説明をする時にルールが多くて複雑だったので、私達は大きく4つのルールに分けて説明することにしました。「1.読み札と絵札の最初の文字が一致したカードを取る。2.プレイヤーはゲームが始まる前は、ひざまずいて、手は頭の上にのせておく。3.同時にカルタを取った時はじゃんけんをする。4.お手つきをしたら、そのチームは1回休み。」、これらを英語で電子黒板に板書し、その他の細かい説明は私達が実際にデモをして見せながら教えていきました。そうすることで、子供たちがルールをすぐに理解してくれて、その後のゲームがスムーズに行えました。また、ゲームをする時は飽きる子がいないようにチーム数を多くし、一人ひとりがカルタをやる回数が多くなるようにしました。さらに、折り紙でつのこう箱を作ってカルタ入れボックスとして利用しました。「これも日本のものなんだよ」と紹介すると、結構興味を示す子がいて、余った時間に作り方を紹介してみんなで作ってみたりすることもできました。

他にもカルタ作りやカルタ大会を行ったのですが、これらの活動を通して私自身カルタの素晴らしさに気付くことが出来ました。今まで特に日本文化としてカルタを意識することはなかったのですが、イギリスの子供たちが楽しそうにカルタをしている様子を見て私も嬉しくなり、日本文化としてのカルタの良さを知りました。またカルタは、地域や学校、環境、異文化について学習したことをカードにまとめ、作った後はそれで遊ぶことが出来ます。つまり、主体的な活動を通して楽しく学ぶことが出来ます。これは教材としても非常にいいものだと感じました。今後もこのカルタでイギリスの子供達に楽しく遊んでいってもらいたいし、カルタ作りもさらに発展してほしいなと思いました。


折り紙

活動自体は割りとシンプルなのですが、説明するのに一番苦労したのはこの折り紙でした。なぜなら、私達日本人は折り紙を折る際、特に何も言われなくても普通に端と端を合わせて折ったり、折り目をつけたりします。しかしイギリスの子供達にはそのような習慣がないためになかなか上手く折れず、私達もまたそのような折り紙の細かなニュアンスを上手く伝えられなかったからです。最終的には「代わりに折って」とヘルプを求められることもしばしばあったのですが、完成するとみんな嬉しそうでした。特に手裏剣は、折るのはとても難しかったのですが、男の子からも女の子からも大好評でした。今更ながらですが、このような手先の細やかな作業が必要な折り紙は、日本だからこそ生まれた「芸術作品」なんだなと感じました。

またイギリスでは3月に母の日があるらしく、それにちなんで私達は「Thanks Card」というのを企画して作ってもらいました。これは折り紙でサクラを作り、それをカードに貼ってメッセージを書き、日ごろお世話になっている人にありがとうを言おう!というものです。この活動はクラスの先生からも「いい考えだね」と言われ、とても喜ばれました。


書道

私達グループは書道は一回しか行っていないのですが、小道具が一番多い分、事前準備が特に必要とされる活動だと思いました。全てのことに関して言えることですが、事前準備や計画の見通しがしっかりしているかいないかで、授業の良し悪しが決まると思います。
私達が書道を担当したのは結構最後の方だったので、その前にやっていたグループから色々アドバイスを頂くことが出来ました。そのお陰で、筆置きを用意したり、書いたものを一時保管しておく新聞紙と場所を確保したり、前のグループが工夫したワークシートを活用することが出来、少ない準備時間で何とか授業をやりこなすことが出来ました。また割りと活動が早く終わったので、最後に大きな色画用紙でかぶとを作り、それに筆で自分の名前を書く活動まで行うことが出来ました。子供達は初めて使う筆に始めは慣れない様子でしたが、それぞれ個性ある字を書くことが出来ましたし、おまけでやった名前入りの色とりどりのかぶとも、結構良くできていてきれいでした。


授業をしていく中で感じた子供達の様子

基本はどの子もとてもおりこうさんで、親しみやすい子達ばかりでした。授業中はとても静かでしっかり先生の話を聞いており、日本よりも発言する子が多かったです。また休み時間になるとほとんどの子が外に出て、縄跳びや鬼ごっこなどをして遊んでいました。授業と休み時間のメリハリがあるために、子供達も切り換えが早いように感じました。またもう一つ感じたことは、学校によって子供達の雰囲気が違うということです。学校の教育の仕方に違いがあるからだと思いますが、一方の学校の子供達は結構のびのびとしていて、純粋な子供らしさを感じました。他方で、もう一つの学校の子供達は、結構しつけがちゃんとされているようで、クールな大人っぽさを感じました。どちらが良い・悪いではなく、これは日本の子供達に関しても言えることですが、子供たちは周りの環境や教育に影響されて成長していくんだなと思いました。


最後に―活動を通じて学んだこと・感じたこと―

最初の頃は活動の見通しが持てず、「本当に子供達の前で授業なんて出来るのか」という不安でいっぱいでした。しかし、数をこなしていくうちにだんだんと要領がつかめ、子供達の前で授業をしていくのが楽しくなってきました。グループで何度も集まって授業計画をしていったのですが、最初はマニュアルを基に、それから創意工夫をしていったことで、自分達オリジナルの日本文化を紹介できたのではないかと思っています。もちろん、コミュニケーションが上手く取れずに悩んだことや子供達との接し方に迷ったこと、授業作りで苦労したことなどもありますが、それと同時にだんだん意見も深まり、より良い授業が実践されていく過程はやりがいのあるものでした。そのため、授業が終わった後はいつも反省と充実感でいっぱいでした。また、それぞれのグループごとにチームのカラーが出ていて、歌が上手い人、絵を描くのが上手い人、子供をまとめるのが上手な人など、適材適所でみんなの個性が光っていたと思います。このように色んな特技を持った人、色んな学部・学科の人がいたことで、私自身刺激を受けたし、子供達の対応や授業作りにおいても勉強になりました。そして様々な活動を行ったことで、日本文化の良さやそれぞれの違った学びに気付き、伝えること・教えることの面白さや難しさも実感することが出来ました。普通の観光や語学留学では味わえない、本当に良い経験をすることが出来たと思います。また得たものが多い活動の一方で、私自身の課題もはっきりとしました。それは、やはり英語力です。「もっと英語が出来れば…」「うまく英語で話せたら…」と思う場面が何度もありました。もちろん、英語が出来るに越したことはないです。でも、もし英語力が心配でこのプログラムに参加しようか迷っている人がいるなら、私は参加することをお勧めします。なぜなら、私もそうでしたが、出来ないなりに何とかやり遂げることは出来ますし、何かしら得るものはあると思うからです。この悔しさや経験を無駄にしないためにも、私自身もっと意識を高く持って英語の勉強に励んでいきたいし、今後の大学生活や将来にも活かせるようにしていきたいです。最後に、、、日本人のインターンの皆さん、イギリスでお世話になった方々など、このプログラムに関わり私を支えてくれた全ての人にお礼を言いたいです。どうもありがとうございました。