コミュニティインターンで活動して

1202yukari

能勢ゆかりさん
獨協大学法学部2年
イギリス・2012年2月参加


今回私は、コミュニティインターンに参加して、日本では体験できないような貴重な体験をたくさん経験することができました。特に以前から関心のあったフェアトレードに関しては、日本との様々な違いを実際に目で見て、感じることができ、とても勉強になりました。

まず日本では、フェアトレードはまだまだ馴染みがなく、どこか遠い存在のような気がしますが、イギリスではフェアトレードがとても身近に存在していると感じました。日本ではフェアトレード商品を購入するのに、取り扱いがある一部の専門店まで行かなければなりませんが、イギリスでは町中にあるスーパーに必ずフェアトレード商品が置かれていて、その商品がフェアトレードでない商品と一緒の棚に並んでいました。また、食品だけでなくボディケア商品でもフェアトレードマークがついた商品が多数置かれており、日本とは比べ物にならないほどのフェアトレード商品が町中に存在しているということにとても驚きました。

また、ホストファミリーとフェアトレードについて話していると、フェアトレードに関する日本人との考え方の違いに気がつきました。ホストファミリーにフェアトレード商品について聞くと、「フェアトレード商品は、少し値段は高いかもしれないけど、品質がとてもいいし、買う価値があると思うので選んで買っている。」という意見が出ました。 日本人のフェアトレードに関する考え方としてよく、「途上国の人のためになるからフェアトレード商品を選ぶ」という考え方があります、しかしイギリス人は「フェアトレード商品を選んで買うということは、誰かのためにするのではなく、自分のためであり、自分のためにしたことが誰かのために役に立っている。」という考え方をしていることがとても印象的でした。

イギリスでフェアトレード商品の導入がここまで成功した理由を日本とイギリスの生活や制度で比較して考えると、まず募金や寄付についての価値観や文化の違いがあると思います。日本とイギリスのNPOなどへの寄付についてみてみると、日本では法人での寄付が多く、個人での寄付が少ないことが特徴として挙げられます。また、個人の寄付について詳しく見てみると、50代や60代の寄付が大半を占めています。それに対しイギリスは、若者からお年寄りまで、幅広い年齢層の個人の寄付が多く寄せられていることが特徴として挙げられます。今回の休暇中にマーゲートにあるターナー・コンテンポラリーを訪れましたが、ターナー・コンテンポラリーは、2011年にオープンしたばかりでとてもきれいな建物で、展示品の内容もとても充実しているにもかかわらず、入場料は無料で、誰でも自由に出入りすることができます。日本の場合はほとんどの美術館や博物館で入場料を支払わなければなりませんが、イギリスの場合は逆で、大英博物館や大英図書館など、様々な施設で入場料が無料です。もちろん無料では運営ができないので、寄付金などを募っていますが、基本的にイギリスにある多くの公共施設が、小さな子供からお年寄りまで、差別なく誰でも無料で入ることができます。募金については、自分の払える額を払えばいいので、払う場合には自分に見合った金額を、自分の価値観で払うことができます。このような募金制度をとるイギリスでは、小さなころから募金や寄付が身近な存在であるのではないかと思いました。また、このような制度をとるイギリスは、日本のように決められた料金を強制的に支払わされるわけではないので、自分の払える金額を自発的に払い、それが自分のためになる、という考え方が根付いているのではないかと思いました。

ホストファミリーやイギリスで出会った人々にフェアトレード商品の日本での課題として指摘されたのは、フェアトレード商品、マーク自体を日本でもっとブランディングする必要があるということです。スポーツ用品で有名なナイキやアディダスは、マークを見ただけでどこのブランドの商品であるか一目でわかり、有名なブランドであるため、多少値段が高かったとしても多くの人が購入します。その理由は、有名なブランドであれば、品質などがよく、安心できる、といった消費者の信頼があるからだと思います。イギリスではフェアトレード商品が、ブランド商品であると社会的に認識されているため、多少値段が高くても、品質などを信頼して購入する人々がいるという話を聞き、その商品が特殊なブランド品として社会的に認識され、消費者からの信頼を得ることができれば、商品を手に取る人が増え、日本でもイギリスのようにフェアトレードの商品がもっと身近な存在になるのではないかと指摘されました。

他にも、フェアトレードを広くいろいろな人に知ってもらうため、イギリスでは学校の生徒にフェアトレードについて知ってもらうための出張授業があります。学校側がフェアトレードについて生徒に授業をしてほしい場合に、フェアトレード機関に連絡をすると、フェアトレードについての専門知識のある人が学校に来て無料で授業をしてくれるという制度があります。フェアトレードというシステムや商品に関して、子供たちが興味や関心を持ったとき、それにしっかりと対応をすることで、その国でフェアトレードがしっかりと根付いていくのではないかと思いました。日本のように、一部の大学生や大人が知っているだけではなく、国の将来を担ってく小学生や中学生にしっかりと指導しなくては、フェアトレードのシステムや、その商品を購入するということが、将来ずっと続くことはないと思います。子供が小学生のうちからフェアトレードのシステムや商品について知ることができる環境の整ったイギリスには、たくさん見習わなくてはならない点があると思いました。

今回イギリスへ渡り、普段の生活から離れて日本の外側から日本という国や日本人について考えることができ、日本の素晴らしさだけでなく、日本の抱える問題点や課題をたくさん発見することができました。今回学んだ多くのことを忘れずに、今後の生活に生かしていきたいと思います。海外に長期滞在することや、このようなプログラムに参加することは、大学在学中にしかできないことだと思います、住み慣れた日本から言葉も生活習慣も違う異国の地に飛び出していくということは、ほんとうに勇気のいることだと思ますが、不安などを乗り越えて、得るものはたくさんあると思います。行ってみなければ、参加してみなければ、何も始まりません、何も変わりません。今後も、たくさんの大学生にプログラムに挑戦してもらいたいと思います。

最後に、今回のプログラムでこのような貴重な体験ができたこと、勉強できたことは、すべて、、、丁寧なサポートや、今回のプログラムに一緒に参加した仲間たちの協力があったからこそだと思います。限られた大学生活の中で、イギリスで過ごした三週間は一生の思い出になると思いますし、ずっとずっと大切にしたい仲間ができました。、、、また機会があれば、ぜひ参加したいと思います。