伝えるということ

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萩原 有香
鳥取大学地域学部2年
イギリス・2014年2月参加

(写真左側)

 


今回、海外インターンという形でイギリスの小学生達へ日本文化を紹介するという活動を行った。私自身、子供が特別好きだというわけではなく、大学でも教育を専攻していない。かつてインドで、子供達と折り紙をしたことはあったのだが、その機会は一種のコミュニケーションの機会にすぎなかった。そのため、子供の関わり方から教えるという事に関しても未知の世界だった。しかも、そこに立ちはだかるのは、教育方法などといったものだけではなく、言語という存在もあった。

英語が上手ではない分、どの様にして教えるのが一番かという事をイギリスに到着した最初の一週間は真剣に考え、語学学校で準備をした。そこで作り上げたものは、かつての「フロムジャパン」にはないものも多かった。折り紙で様々な作品やポスターを作成し、視覚的に折り紙というものがどういう物か分かる様に仕上げた。かるたの景品もハートの折り紙作品にしたり、進行がスムーズにいくようにプレイヤーの目印となる首輪の提案もした。また、折り紙の作品自体もかつてあったネコやイヌではなく、船とバスに変え、ワークシートも作り直した。物に対する見方や概念は、国家間によって異なるため、分かりにくかったらどうしようという不安もあったが、実際に教えると子供達が喜んでいたのでとても嬉しかった。一週間の準備期間と、一週間の小学校訪問を終えて、私が感じた事は、ものを伝えるツールは言語だけではないという事である。大学の講義でも聞いた事があるのだが、メッセージを伝えるにあたり、言語的伝達手段によって伝えられるメッセージ伝達量が30~35%なのに対して、非言語的伝達手段では65~70%が伝えられるそうだ。今回の研修を通して実感した。私は本当に英語ができず、話せなければ聞き取れない状況ばかりに直面した。しかし、終えてみて目の前に完成した生徒たちの作品や、生徒から「Thank you for your teaching」という感謝の言葉をもらう度に、ちゃんと伝わったのだという達成感や充実感も得ることができた。また、ホームスティ先でも同様の経験をした。長期の滞在は初めてで、緊張もしていた。伝えなければならない重要な事も、伝えることに一苦労だったが、私は「伝えたい」という気持ち一心で、またボディランゲージも合わせて一生懸命伝えようと努力をすると次第に、ホストファミリーと交流を持つこともできる様になった。少しずつだが、会話の数が増えてゆくたびに毎日がとても楽しく感じられた。伝えたいという気持ちと、表情を通して十分に物事は伝達できるということを実感した。

イギリスで感じたこれらの事から、実際に「言語の壁」というものの存在はそんなに大きなものではないのではないかと感じられた。私たちが勝手に「言語」というものを通して壁を作っているだけではないかと思う。積極性と気持ちが相互理解の場面ではものをいうのではなかろうか。そう思うと何だかとても清々しい気持ちにもなった。

言語以外でも十分に意思の伝達はできるという事を、今回の研修を通して最も感じたのだが、やはり英語という言語の重要性を感じた事もまた事実である。英語が話せられると、物事を簡単に伝える事ができるだけではなく、もっと積極的に様々な国の人々と関わっていけるのではないかと感じた場面が多々あった。それは、語学学校へ通った際に、そこで違う国の違う言語の人でも英語を通して楽しそうに会話をしている様子を見からだ。文化や言語が違うからといって、分かり合えないことは決してないのだろう。グローバル化の進む現代、「ゆとり教育」で育った私は、このままではまずいという危機感の様なものを感じた。また、異文化交流にはとても興味があるので、私もいつかあんな風に積極的に外国の人々と会話ができればなと思った。今、日本へ帰ってきてさっそく英語の勉強により熱心に向き合っている。

今回の研修は、全国の様々な所から集まったメンバーで行った。普段、同じ大学や地元の人としか交流する機会はないので、様々な地域や大学の話ができてとても楽しかったし新鮮だった。協力することのできたメンバーだったからこそ、プロジェクトも上手く進んだのだろうし、週末も観光などを共にすることでよりチームワークや絆を深めることができたと感じる。協力できる仲間でなければ、おそらくこうした充足感は得られなかっただろう。今回の研修で作り上げることのできたことには、少なからず14人の参加者、、、の存在があった。感謝をしています。ありがとうございました。