旅行ではない海外体験

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梶原育美さん
岡山大学教育学部2年
イギリス・2014年2月参加

 

 


私はこのインターンに参加するまで、海外経験はありませんでした。そして英語は苦手な教科の1つでした。そんな私がこの、、、インターンに参加したのには2つの理由があります。

1つ目は、大学の間に1度は海外旅行ではない形で海外に行っておきたいと思い続けていたからです。学校の勉強に支障が出ない春休みや夏休みなどの長期休暇に、日本語が通じてしまう国や都市ではなく、日本語が全く通じないような英語のみの環境に1度は自分を置いてみたい、英語しか通じない環境に自分を置いた時、自分はどの程度コミュニケーションをとることが出来るのか試してみたい、と思っていました。

2つ目は、このインターンには現地の小学校を訪問して日本文化を伝えるというプログラムがあったからです。私は教育学部の小学校教育コースに在学しており、卒業後は小学校教員になりたいと思っています。なのでこれは海外の教育現場を実際に見ることのできる絶好のチャンスだと思いました。日本語でさえ子どもに物事を教えるのは難しいのに、自分が苦手な英語で教えることなど出来るのだろうか、でもこの機会を逃せばもう二度とこのような機会はないかもしれない、外国の子どもたちと日本文化を通じて関わってみたい、と様々な気持ちが一気に生まれ、参加することを決めました。

参加したメンバーはみんな出身県がばらばらで知っている人もおらず、初めは緊張していましたが、すぐにとても仲良くなることが出来ました。2、3日経つと、最近出会ったとは信じられず、もうずっと前から知っているように感じる程でした。語学学校での英語の授業も、休日に行ったカンタベリー、ロンドンへの観光も、小学校を訪問しての授業も、ホームステイも、フェアトレードについての勉強も、全てが新鮮で本当に楽しかったです。小学校を訪問しての授業ではかるた、折り紙、書道の3つを主として授業をしていくのですが、ここでは私が担当となり、中心となって考えた書道の授業について書きたいと思います。


書道の授業は、基本的には“日本の文字の説明→「祝」や「友」など何か漢字1字をペンで練習→カタカナの名前をペンで練習→書道用具の説明→コピー用紙に練習→清書”の流れですが、問題は時間配分と用具の準備でした。学校、クラスによって私たちに与えられた時間は様々で、1時間のクラスもあれば2時間のクラスもありました。その時間や学年によって授業の流れや内容を変えていかなければなりません。実際に授業が始まってから、予想以上に速く進んで時間が余ってしまい、何とか様々なことをして授業時間いっぱいまで時間を使ったものの、授業が終わってからみんなで落ち込んだこともありました。時間配分だけは、始まる前にいろいろなパターンを考えていても実際やってみないと分からない部分が多く、準備の段階でも最も悩む点でした。担任の先生と時間配分や授業の流れについて打ち合わせをするのも、自分たちで行わなければならないので、自分の会話力のなさを痛感する場面でした。道具に関しては、かるたや折り紙に比べて書道はかなり大変でした。墨汁を使ったりするので、新聞をいつ敷くか、墨汁はどのタイミングでどの程度入れるか、など決めなければならないことがたくさんありました。初めて書道について知る子どもたちに、筆を用いて漢字やカタカナを書くことを教えるということは、私たちが何かわからない記号やマークを初めてみる道具で書くように教えられるのと同じです。ペンにしか馴染みがない子どもたちに受け入れてもらえるのだろうか、書道道具を混乱なく使用することができるのだろうか、など様々な不安もありましたが、授業を重ねるうちにコツをつかむことができ、説明や子どもたちとの触れ合いを楽しみながら出来るようになっていました。子どもたちにより興味を持ってもらうためにデモストレーションでは私が子どもたちの前で書くだけではなく、担任の先生にも書いてもらったり、清書したものを乾かしている間に折り紙を取り入れて飽きさせないようにしたり、と様々な点を工夫していきました。最終日にはそれまでの経験や反省を生かした、まとめとしてふさわしいと思える書道の授業で締めくくることが出来たので本当に満足しています。

今回のインターンでは日本の学校教育とイギリスの学校教育の相違点についても見ることが出来ました。クラス編成や教科、学校内の教室の配置や先生の考え方など様々な点で驚くことが多かったです。教師を目指している私にとっては、日本とは違う教育現場を生で見ることのできる、本当によい機会になりました。しかし、1つ感じたことは、日本の子どももイギリスの子どもも大きな違いはないということです。確かに、環境や文化が異なるので、物事に対する捉え方や訴えてくることは異なります。ですが何かに興味を持った時や、休み時間に友達と遊んでいる時の目の輝きは同じです。書道で自分の名前をカタカナで書けた時、折り紙でハートが出来た時、かるたでカードが取れた時、子どもたちの目はとてもきらきらしていて、心から喜んでくれているのが分かりました。私は、どこにあるかもわからない国から来た、誰かわからない人たちが、いきなり文化を伝えてきたところで興味を持ってくれるのか、私なんかのうまく話せない英語での授業で楽しんでくれるのか、という不安がありましたが、子どもたちの満足した笑顔を見ていると、日本文化に興味を持ってくれていることがわかり、本当にうれしい気持ちでいっぱいになりました。


このインターンでは、語学学校での英語の勉強、小学校での文化紹介はもちろんのこと、休日の観光やホームステイ、移動手段として電車やバスに乗る事、毎日のちょっとした買い物など、生活全体を通して自分自身の様々な面において成長できたと感じます。初めは話しかける勇気もなく、困る事も多かったですが、日が経つにつれて店員さんと少し会話を交わしたり、ホストファミリーといろいろなことを話したり、駅員さんにどの電車に乗ればよいか尋ねたり、ぎこちないですが少し聞き取れ会話が出来るようになっている自分に驚いていました。今回、このインターンに参加して、普通の語学留学や海外ボランティア、海外インターンではすることが出来ないであろう経験をたくさんさせていただきました。最高だと思える仲間、家族とも出会えました。思い切って参加して本当に良かったと思います。あっという間の2週間でしたが、今回学ぶことのできた多くのことを忘れず、これからの生活、教員に向けての勉強に生かしていきたいと思います。そして、広い視野を持った、子ども目線での教育ができる、素敵な教師になりたいと思います。本当にありがとうございました。