室岡彩夏さん
熊本県立大学環境共生学部3年
イギリス・2011年2月
ふと目にしたインターネットのホームページ。すべてはそこから始まった。思い起こすこと今年の2月。半一人旅でのアメリカ旅行。現地ではアメリカ人の友達と一緒だったが、言葉が通じない悔しさを感じ、もっと語学力をつけなければならないと感じた。帰国してからの私は勉強をすこしずつではあるが始め、それと同時に昔からの夢である海外で何か力になれるような活動をしたい。インターンシップで海外に行きたいという思いが芽生え、あらゆるホームページをみたが、ほとんどが、TOEIC○○点以上や、ビジネス系のインターンであまり興味がもてなかった。そんなところにみつけたフロムジャパンのインターンは、私の専攻である建築が活かせる可能性があることを知り、応募した。
私は当初、もっと建築学生が来、建築関連のことだけをすると思っていたが、実際は小学校で日本文化を伝えるというのが主なプログラムだったので、教育系ではない不安があったが、元々子供好きなので、何とかなるはず!というどこからともなく来る自信でインターンに臨んだ。
現実にある建物から模型を作る
現地では、最初に教会の模型を作製したが、私は現実にある建物から実際に模型を作るというのをあまりしたことがなかったので、とても興奮した。
モンクトン教会の、模型を制作。創立13世紀ごろだそうです。
はしごで塔の頂上まであがり、実測
教会は予想していた通り図面が平面図しかなく、影がでていれば投影法で高さを測ることができたが、影さえも出ていなかったので、どうしたものかと困った。が、運よく塔の頂上まで上がれる梯子(はしご)があったので、「頂上まであがり教会の部分の屋根まで実測し、それを高さとして起こす」という今まで経験したことがない模型の作り方で、かなり興奮した。
教会の平面図
これがはしごです。
最後に、鐘を鳴らす装置を綱渡り
教会の塔上。360度の景色を楽しめました
模型が完成
また、実際に建物を触れることで、模型を作製する時にかなり役立てることが出来た。難関だったのが、教会模型は1/100の縮尺で作成したので、敷地がかなり大きくなってしまい、時間もあまりなかったので、芝を敷つめる作業が少し手を抜いた状態になったのがちょっと残念だった。
模型は3人で制作。建築を専門的に学んでいるのは1人で、後の2人は文系の学生で、模型づくりも初めてでした。でも切ったり、貼ったり、測ったり、芝生を仕上げたり、結構素人にもできることが、たくさんありました。
完成した模型
屋根を取ると、このように中が見えます。
完成した模型はフェアトレード団体会長のタミーさんにプレゼント。
小学校の模型も制作
2つ目に作成したSt.Ethelbert’sの小学校模型。
教会に比べれば、単純な造りではなかったが、図面が平面図と立面図の両方があったぶん、かなりスムーズに作成することができた。だが、多少凸凹していたので屋根がなかなかぴったり合わず、大変だった。教会同様、内部の壁も作ったが、小学校は教室が多い分壁を多く建てる必要があったが、クラスルームごとの壁を作ることにより、実際に小学校の生徒たちが模型を見た際に、自分の教室を探す楽しさ、改めて自分の小学校がどういう形か実感する手助けになれたのではないかと思う。また、イベントで展示した後は小学校に飾られるということなので、子供たちによって手が加えられるのも面白いのではないかと思う。
St Ethelberts School。カトリック系の小学校で、すぐとなりに教会があります。
上から見た、模型屋根を外して、教室を見ることができるようになっています
教室で子ども達が、大喜び。ちなみに双子の姉妹です。
模型を二つともタミーさんに見せることが出来たのはかなり良かったと思う。タミーさんは普段から手づくりのバースデーカードなどを作っているということで、スチレンボードにかなり興味を持ってくださっていたし、模型にもかなり興味を持っていらっしゃった。
今回作成した模型は二つとも、今月開催されるワールドフードフェアで展示されるということで、現地の方々がどのような反応をするかとても楽しみだ。欧州の建築学生や建築士はあまり模型を作らいないと聞いたので、人々の感性を刺激できたら嬉しく思う。イベントが開催されたあとは、小学校は小学校に、教会は教会に展示されるのだろうが、よりもっと多くの方々に模型を見て模型の存在を知ってもらいたい。そして何かを感じ取ってもらえたら嬉しい限りだ。
イギリスのまち
建築模型とは別に行ったまちあるき。都市計画系の実習では必ず最初にするので、町歩きがどんなものかわかっていたが、やはり日本とイギリス。町並みも全く違い、田舎でもかなり綺麗に整備されていたのにはかなり感心した。様々な町で町歩きをしたが、町によって特色があり、例えば海に面しているのは一緒だが、タウンセンターの機能の仕方が違っていたり、重点を置いているポイントが違っていたりして、とても興味深かった。
日本に帰国してから何故あんなに綺麗に整備されているか、とても疑問に思い、逆に何故日本はこんなにも整備されてないのだろうと感じた。バスなどの公共交通機関にしても、イギリスはノンステップバスのみで、ベビーカーを置けるような場所があるのに対し、日本は依然段差があるバスが多く、ベビーカーを置けるようなスペースもない。また、大型ショッピングセンターで見たフラットなエスカレーター。あれにはかなり驚いた。
プログラムを終えて
今回の建築模型を作製するというプログラムで、実際にある建物に触れたり、実測したり、実際の建物を参考にしながら模型を作製したことは、かなり自分の中では新鮮だったし、刺激を受けることができた。どのようにしたらよりもっと模型が綺麗に見えるか、インパクトが出るか工夫しながら作成することが出来た。
イギリスやイギリス以外でも、このようなプログラムがあれば、時間があえば、是非参加してみたいと思う。また今回自分がやりたくても人数不足でやれなかった、一緒に模型でインテリアやオリジナルの住宅を作る活動もやってみたい。日本の伝統的な住宅紹介などもかなり興味がある活動なのでやってみたい。
途上国には学校に行きたくても行けない子たちがいるので、小学校を建設して少しでも多くの子供たちが学校に行け、笑顔が増えることが私の夢だ。なので、将来的には青年海外協力派遣隊などで活躍したい。そういった意味でも、今回のインターンシップでは英語を使い現地の方々と交流し、更には自分の専攻である建築を活かせたのは、とても勉強になった。これからの設計課題などにこの経験を活かしたいと思う。また日本ではあまり英語を使って話す機会がないが、積極的に外国の方と話したり、留学生などが集まるイベントなどに積極的に参加して語学力をつけたいと思う。
イギリスに3週間滞在して自分を成長させることが出来、今後に活かせるような活動ばかり経験することが出来、とても自分の中で大きな経験になりました。ありがとうございました。