イギリスのフェアトレード

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若林由美さん
宇都宮大学国際学部1年
イギリス・2011年2月参加


■たくさんの気づき、学び
フェアトレードタウンに滞在し、多くのことを学ぶことができました。

学校訪問、茶道、着物や布草履などを教えることによって日本の魅力を再発見することができました。また、教えることの難しさや楽しさを感じることができました。これは日本での普段の生活ではなかなか気づくことができないことでもありました。

そして、現地の社会や文化に根ざし、外国語を実践的に学ぶことができました。現地でしか体験できない文化や環境などを体験することができました。色んな方々と参加することで、多様な価値観のなか自分の強みやコミュニケーションの取り方なども学ぶことができました。それは参加者同士の中のものでもあり、現地のスタッフ、子ども達やホストファミリーとのコミュニケーション力を高めることができました。私は多様な角度から学び、視野を広がることができました。


■フェアトレードがイギリスの生活の一部

その中でも、私は「フェアトレード」について一番多くのことを知り、感じることができました。フェアトレードと言えば、日本ではチョコレートやクラフトといったものがよく知られています。しかしそれらは限定の店舗や場所に行かないと買えないのがほとんどであるのが現実です。いわゆるフェアトレード商品を日常的に買うことはできず、値段も相当高いものであります。これらに比べるとイギリスの町を歩くと至る所にフェアトレードの商品を見る事ができることにビックリしました。普通のスーパーで、フェアトレードのチョコレート、紅茶、ワイン、塩やバナナなど数多くの商品が並んでありました。さらに、洋服店や美容院などの店でもフェアトレードを支援している店が多くありました。フェアトレードは本当に人々の生活の一部であると私は感じました。これが日本との一番の違いであると実感しました。


■知り、買ってもらうことが大事

日本ではフェアトレード商品を売ることによって、一円でも多くのお金を支援される側に届けることを最大目的となっています。それと違い、イギリスでは多くの商品を売ることはもちろん、より多くの人々にフェアトレードを知ってもらい、その人たちにも身近いものとして関わってもらい、継続的なものとして支援していくことが大切であると考えています。つまりイギリスの場合は、売ることよりも多くの人々がフェアトレードを知り、買うことが大事であると伝えています。また、中でも子どもたちに伝えていくことが一番大切であるのです。そして地域、市民、学校などが連携し、フェアトレード支援に関わっていることを実感しました。また、フェアトレードタウンの発祥地であるイギリスで活動を行うことにより、現地のフェアトレードに対する姿勢の素晴らしさを感じることができました。現在の日本はもっと努力し、市民や地域社会に変化をもたらす必要があると考えさせることができました。


■今後
二週間という短い時間でしたが、多くのことを学び、自分の成長にも繋ぐことができました。私は今フェアトレード商品を扱うサークルに所属し、日本での初フェアトレードタウンを行おうとする活動にも参加させて頂いています。今回のインターンシップを通じて私が感じたことや学んだことをぜひサークルの同僚や周りの人々と共有し、これからの活動に活かしていきたいと思っています。それは、私にとっても必要なことでありますし、多くの人々にとって大切なことでもあると思いました。また、このようなことを伝えていくことが今の私にできることではないかと思っています。そして、これから継続的にフェアトレードについて多くのことを学んでいきたいです。

 

日本の文化を見つめなおす

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深沢 有貴さん
山梨大学教育人間科学部2年
イギリス・2011年2月参加


私は日本の文化や語学、教育に興味を持っていることから、大学では国際文化を専攻、国語科教育、日本語教育についても視野を広げて勉強している。そんな私にとって、日本の伝統文化を英国の地で紹介するというこのインターンの活動や目的は、とても魅力的なものであった。


折紙を教えるのが待ち遠しい

折紙は、たった一枚の正方形の紙から様々な形を生み出す楽しさと幅広さを持った日本固有の伝統芸術のひとつとして知られている。その歴史を遡ると、古代から用途様式を変えながらも広く人々に親しまれていることがわかる。今日では、美術工芸的な一面を持った創作折紙も誕生しており、自由に創作する面白さや脳の活性化、手先の運動などにも用いられている。おそらく大半の日本人が、小学校などの教育機関でも折紙に触れていることであろう。しかし折紙は日本特有の文化であり、当然のことながら遠く離れた英国の小学生は折紙を折った経験がないだろう。そうなると彼らにとって折紙を折るということは本当に新鮮なことであり、きっと興味を持ってもらえる。そう考えると、こちら側としても折紙を教えることがとても待ち遠しかった。
子どもたちに教える折紙の種類は、初級レベルとして犬や猫、ウサギなどの動物、中級レベルとしてひなまつりに因んで、おひなさまやおとのさま、こどもの日に因んだかぶと、そして上級レベルとしてハサミを使用するサクラの花といった具合に、レベル別に事前に用意した。実際に体験した子どもたちは、見本に自分の折紙の形が近づいていくにつれ、とても楽しそうだった。また、ある子どもたちは手先の細やかな作業に慣れていないせいか、難しい難しいと口にしていた。手先を器用に使った日本の伝統文化の美意識を感じられた体験となった。


カルタの紹介

また、日本特有のカードゲームとしてカルタの紹介も行った。カルタは、およそ千年もの歴史を誇る平安貴族の遊びである貝合わせから始まったとされている日本文化である。今回は初の試みとして、最終目標にカルタ大会実施を掲げ、カルタの基盤となる題材探しや読み句づくり、それに基づく象徴となるような絵札づくりなど、一からカルタを制作しようということになった。カルタの種類は二種類、学校内のあらゆるものを題材とする学校カルタと、地域の歴史や人物、建物、自然などを題材とする郷土カルタである。
子どもたちが構想する時間や絵を描く時間がどの程度かかるのか、最初は予想がつかなかったが、思いの外順調に作業は進んでいった。カルタ大会も、初めてのルールで多少戸惑いもあったものの、すべての子どもたちが意欲的に取り組んでくれていたように思う。出来上がったカルタには、子どもたち独特の視点や地域性あふれるものがとても多く、本来の目的である、カルタという遊びに親しみを持ってもらうこと、理解してもらうことは勿論、彼ら自身も身の回りを見つめ直す良い機会になったのではないだろうかと感じた。また、郷土カルタに描かれた場所を歩いて回った際に、観光客などにPRするようなものにも楽しみながら有効活用できるのではないかとも感じた。


書道で「祝」を教えた

書道では、サネットフェアトレード週間をテーマに「祝」という字を教えた。墨汁ではなく固形墨の作り方や独特の匂いは、子どもたちにとって非常に新鮮なものであったのだろうか、とても関心を持ってくれたようだった。また、日本の文字には漢字以外に平仮名、片仮名があるということ、書道用具の使用方法などを披露した。実際に「祝」という漢字を書かせてみると、へんとつくりが縦一列に離されていたり、ところどころの点画を囲いながら書いたりする例が多く見られ、英国人から見た日本語の難しさを感じた。


いろいろな日本文化を紹介

そのほか、日本の伝統衣装である着物や浴衣を着用してくれたインターンシップメートをはじめ、手のかかる布ぞうりづくりや茶道披露、さらには小学校訪問時に全校生徒を前に空手演武を行ってくれたメンバーもいた。それぞれが思い思いの日本文化紹介をする場を与えていただいたこと、それによって自国の文化に興味を持ってもらえたことに、本当に感謝するばかりであると同時に、心からこの企画に参加して良かったと思っている。
日本文化を見つめ直すことができた


また、今回の体験を通して、改めて自国の文化を見つめ直すことができたように思う。異国の地の人々相手にまったく知らない文化を紹介するためには、自分自身が豊富な知識を持っていなければならないが、自分がいかに身近にある伝統文化について表面的な知識しか持っていなかったのか、気付かせてくれた貴重な機会ともなった。そして、彼らの興味関心を持ってくれた表情を見て、国家間の文化理解そのものに対して純粋に楽しいことだなとも感じた。今後、国際社会に生きるうえで、自国の文化に対する愛国心と、他を理解する、あるいは他と協調する態度は極めて重要なことではないだろうか。だからこそ、今回学んだことを無駄にしないよう、ますます教育や国際文化についての勉学に励んでいきたいと思う。

イギリス・インターシップ奮闘記 

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廣部謙人さん
立教大学経済学部2年生
イギリス・2011年2月参加


今回、このコミニュティーインターンに参加することを通じて、様々な貴重な体験をすることができた。当初、僕がこのインターンに参加したのは、サネット・フェアトレード週間というものが気になったからである。しかし、たくさんの学校へ行き、子供と触れ合い、日本文化を伝えることによって、自分が考えていた以上のことが経験できた。


英語で取り組んだこと

初めて海外へ行くということもあって、うまくコミュニケーションできるか、自分の言っていることが相手に伝わるか、とても心配であった。着いた日には、ホストファミリーの言葉もあまりわからず、そっけない印象を与えてしまった。僕は、この状況を改善するために、できるだけ数多くの人に話しかけることにした。それはホストファミリーに対してだけでなく、街にある飲食店や、スーパーでも実践した。道を聞いたり、駅員に電車の事を聞いたりもし、また、わからない物があると「これが何か知っていますか?」と、話しかけて会話をした。部屋にいるときも、電子辞書で使える表現を探し、会話に応用した。この成果もあってか、1週間ほど経つと、会話が続くようになり、その自信から、小学校でも積極的に話しかけられるようになったと感じた。しかし、ネイティブの方の早口は聞き取れず、悔しい思いをしたので、今後の学習を通じて改善したい。言語学習は継続が大事なので、絶えることなく頑張りたい。


日本と違う、イギリスの学校

イギリスは日本と文化が違うため、様々な場面で違いを発見できた。たとえば、小学校である。日本では、各教室、一人に一つ机が与えられている。しかし、今回訪問した学校においては、すべて大きいテーブルに数名が座る方式だった。これは、日本に比べて創造的な授業が多く、グループ活動を重んじているためだと感じた。休み時間には、ほとんどの子供が体を動かし、授業中においても進んで発言していると感じられた。それに比べて日本では、模倣的、つまり先生の言ったこと・書いたことを、黙々と写すことによる学習方法が主である。僕のホームステイ先に住んでいた学生に日本人のイメージを聞いた所、「メガネで、静かに勉強している。まじめで大人しい」と語ってくれたのだが、このイメージは教育の違いから生まれたものであるともいえるだろう。


イギリスのフェアトレード

サネット・フェアトレード週間にサネットに行ったのだが、あまりその事が世間に、少なくともラムスゲートでは知られてない印象を受けた。例えば、今回の活動で折り紙のプリントを親に見せることによって、フェアトレード活動を知ってもらうというのがあった。それでは、子供のいる家庭にしか伝わらないと感じた。シャッター街など見ても、地域活性化の必要があり、そのためには地域全体が現状を認知する必要があると思う。ラムスゲートには留学生が多く、聞いたところ、彼らはフェアトレードについてあまり知らないとの事であった。フェアトレード商品は、その値段から買うのを躊躇する人が多いため、購入意欲を伸ばすためにはメリットや値段が高い理由を知ってもらう必要がある。そうした中で、フェアトレード教育に力を入れている、モンクトンスクールには驚いた。学校全体が力を入れて取り組んでいて、わずか9-10歳の子供がフェアトレードという言葉を知っていた。このように、早い段階で知ってもらったら、彼らが大人になったとき、フェアトレード商品を買ってくれるだろうし、広めていけると思う。

このインターンで得たものは、とても多く、とても貴重なもので、今後の自分の人生にも影響を与えるだろう。これを、単なる経験にとどまらせることなく、他の分野にも活かして、頑張りたい。

 

イギリスのフェアトレードタウンに滞在して

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比嘉啓介さん
社会人
イギリス:2011年3月参加


私は、今年の3月にイギリスのサネット地区のフェアトレードタウンを訪れました。ラムズゲートという港町に滞在し、そこを中心に活動しました。ラムズゲートは治安がよく、ホストファミリーもいい方で、とても快適に過ごせました。

出発当日は、入国審査に時間がかかり、さらに携帯電話を受け取るためにパディントンのホテルに行く時に道に迷い、またオイスターカードを購入するために地下鉄の駅を往復しために、ラムズゲートに到着が夜になっていまいました。

二日目は、Northdown Houseでフェアトレード・ティー・パーティーに参加しました。日本からは茶道を紹介しました。パーティーでは、フェアトレードの食材を使ったケーキのコンテストが行われました。それから、会場ではフェアトレード商品が販売していました。地道にフェアトレード普及活動していると感じました。

三日目は、現地作成した郷土カルタで描かれた場所を訪問しました。午前中は、鉄橋、ジム、公園など、ラムズゲートを中心に訪問しました。ラムズゲートはあらためて港町だと感じました。午後から、マーゲイトに行きました。フェアトレードショップが閉まっていましたのが、残念でした。


四日目は、障害児学校で折紙を教えました。数名の生徒に対して2・3人の先生がついていました。日本でもそうなのかわかりませんが、とても教育環境に恵まれていて、設備も整っていました。それでも低い年齢のクラスは、先生も大変そうにみえました。午後からカンタベリー大聖堂に行きました。観光地なのか、観光客がたくさんいました。

五日目は、Monktonの学校で郷土カルタの作成を指導しました。担任の先生が郷土カルタの理解が深く、こちらでやることは、あまりありませんでした。その後、フェアトレード推進委員会会長のTammyさん宅に訪問し、フェアトレードについてのお話を伺いました。生でフェアトレード関係者の話が聞ける貴重な体験をしました。Tammyさん宅に行くまで、とても風が強く寒かったですが、Tammyさん宅がとても暖かく、つく前の寒さを忘れてしまうほどでした。

六日目も、Monktonの学校に訪問しました。その日は折紙ポスターの作成を指導しました。生徒が積極的に作成したので、素晴らしい出来きになりました。学校の体育館に飾られました。個人的には、折紙の折り方を聞きにきた生徒に、折り方がわからず、教えられなかったのが残念でした。つくづく自分の準備不足を痛感しました。後半は、空手演武と昨日作成した郷土カルタのゲームを行いました。

七日目は、St Laurence Junior Schoolという学校を訪問しました。簡単な日本語指導を行い、そのあと、生徒の発表会を見学しました。生徒が一生懸命やっていました。この日は、平和で穏やかな日でしたが、日本で大地震のニュースを知らされました。ラムズゲートの日々とは対象的で、複雑な気分になりました。

八日目は、休日で(事務局の方)と一緒に、フェアトレード巡りに行きました。ラムズゲートのスーパーでは、日本と比べものにならないくらい、フェアトレードマークの商品がたくさん扱っていました。値段は安いのも高いのもあり、お客さんは、特にフェアトレードマークの商品を求めているわけではなく、自然に購入しています。学校の生徒と比べると、フェアトレードの認知度は低いようです。それからマーゲイトに行き、(事務局)の知り合いの議員さんと昼食を摂り、砂浜でモトクロスを観ました。砂浜でモトクロスはとても珍しく、臨時で遊園地にあるような乗り物が設置されていました。さらに、Shell Grottoという貝の寺院に行きました。誰が作ったかわからない神秘的な所でした。

最終日は、マーゲイトの教会でのフェアトレードのイベントに参加しました。日本の被災者に祈ってもらいました。ヨーロッパでは教会が、フェアトレードの普及に寄与しています。日本にはないことです。

最後に、サネット地区のフェアトレードタウンでは、学校、議員などの行政機関、教会、生協などの協力があって、フェアトレード普及活動が行われています。特に訪問した学校の生徒がフェアトレードマークを知っていることに驚きました。ただフェアトレードの認知度は、一般の人に対しては思ったほど認知されていないようです。日本でフェアトレードを認知されていないことを悲観する必要ないと思いました。フェアトレードタウンに滞在して、フェアトレードとどう関わっていくかを、今後の自分の課題となりました。

イギリスで日本文化を紹介して

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原田 香納子さん
山梨大学教育人間科学部3年
イギリス・2011年2月参加


今回、私は『日本文化紹介』を通した文化交流を目的に、このコミュニティ・インターンに参加しました。以前大学のプログラムで行った短期留学とは違い、自らも文化発信する体験をすることで、将来に活かしたいと思ったためです。このレポートでは、大学で異文化について学んできた国際文化コースとしての視点から、「イギリスで日本文化を紹介して」という題で、気づいたことや感じたことについて記したいと思います。


カルタ作り

最初のクラスはMiss Pollardのクラスでした。自己紹介で名前を言うと、子どもたちが「Hello,Kana~.」と温かく迎えてくれました。日本では黙って話を聞くことが多いので、教師や私たちのアプローチに反応する姿がとても新鮮に感じられました。

私が担当したカルタ作りは「School Karuta」ということで、学校に関連したものを作ってもらいました。イギリスにはカルタゲームのような遊びがないと聞いていたので、ルールなど分かってもらえるか心配でしたが、意外にもすぐできたので驚きました。カルタゲームのシミュレーションをしたとき、見学の子どもたちは誰が早かったかどうかしっかり見ていて、自然とレフリーの役割をしていたことが面白かったです。
カルタは書道や折り紙と違い、作った後にゲームとして使えるので私たちが帰ったあとでも継続して楽しんでもらえるので、今後もぜひ取り入れてほしいと思いました。


書道

聞くところによると、私のチーム(Green)は書道の多いチームのようでした。小学校の頃に書道を習っていたことがあるので、嬉しかったです。しかし、他の人に教えた経験はなかったので、新たなチャレンジとして行うことができ新鮮で面白かったです。

イギリスの子どもたちはPaintingに慣れているためか、文字をイラストのように書く子が多く、なぞったり辺とつくりを離して書いてしまったりして、始めは教えるのに苦労しました。しかし、最終的にはそれぞれ素敵な作品が仕上がり、短い時間で子どもたちの成長が感じられたので、とてもやりがいのある活動でした。

また、1回目では名前の練習はしないのですが、個人的に「私の名前は日本語でどうやって書くの?」と質問してきた子が沢山いました。日本文化体験を楽しんでくれて、さらに日本に興味を持ってくれていることが伝わってきて、とても嬉しかったです。


折り紙

私のチームは折り紙の授業は少なかったのですが、日本との違いを一番感じたのはこの活動だったように思います。カルタでは使い慣れている鉛筆や絵の具、書道では使ったことのない筆とは言え、絵の具の筆を使い慣れているので、呑み込みが早いように感じられました。しかし、折り紙は、あまり触る機会がない正方形の紙を丁寧に折っていくという細かい作業です。

第一に気づいたことは、正方形の紙を半分に三角に折るとき、角が合っていないということでした。合わせるように言ってもなかなか上手くできず、特に年齢が下のクラスになると、代わりにやってほしいと頼んでくる子が多かったです。些細なことですが、日本文化の特徴を感じられた場面でした。とはいえ、折る順番は説明をしなくても折り図のみで理解してしまう子もいて、どんどん先に進んでいく様子には驚きました。1つ完成しても「もう一回折りたい」と言ってくれたのも嬉しかったです。

子どもたちがとても積極的で、好奇心旺盛だったことが印象に残りました。私があるクラスで担当したグループの男の子はたくさん話しかけてくれましたが、その度に先生や周りの子に注意されていました。少し可哀相だったので休憩のときに話を聞くと、忍者の本を見せてくれて、忍者について質問されました。
しかし、私には忍者についての知識がないので、「手裏剣」など簡単な単語くらいしか教えられず残念でした。それでもその男の子は嬉しそうで、他にも日本や私たちについて沢山質問してくれたので、私も嬉しかったです。


その他

『文化紹介』には、Kazuが行った空手や、パーティーでの茶道紹介、着物・浴衣の披露もあり、授業以外でも触れることの多いテーマだったように思います。

◎空手演武
空手では、私たち含めその場にいた全員がKazuのパフォーマンスに注目し、静かな空気のなかで行われました。あの緊張感で精神統一されたような気分になり、日本独特の雰囲気がつくられていたように思います。全員揃った掛け声も日本らしく感じられ、言葉でなく身をもって体感できた発表でした。子どもたちは、いつも休み時間になると外に飛び出して走り回っているので、その様子から、体を動かすことが好きで空手も楽しんでいるようにみえました。機会があれば、日本の遊び(缶けりなど)を紹介しても面白いなと思いました。

◎茶道・着物・浴衣披露
今回私は用意できなかったのですが、Tea Partyなどで着物を着る機会もありました。そこで感じたことは、着物を着ていてもあまり驚かれないということです。私はもっと大きなリアクションがあるかと予想していたのですが、日本との交流に慣れているせいか、思ったよりはびっくりしていませんでした。しかし、その理由は”慣れている”だけではないのではないか、とふと思いました。

私がそう感じただけで正しいか分かりませんが、イギリスは日本に比べて異文化に対する理解が行きとどいていると思ったのです。日本は、周りと少しでも違うと「変わっている」と言われます。しかし、イギリスではみんな違うことが当然で、個性的は褒め言葉。これは学校訪問のときにも感じたことです。

例えば教師は、子どもたちの意見に対して「間違っている」とは言いません。数学などでは「間違っている」と言うかもしれませんが、案を出してもらうようなときには、できるだけ色々な意見を反映させてまとめているように感じられました。また、手を挙げて当てたのに、「う~ん」と言ったり「忘れた」と言ったりする子にも寛容なことには驚きました。(笑)

このように、普段から違いや異なるものを理解してくれる環境が整っているからこそ、着物(変わった服?)や私たちが紹介した日本文化をすんなり受け入れてくれたのだと思います。


ホームステイ先での文化紹介

また、今回はホームステイということで、ステイ先でも英語でした。日本とは違った生活スタイルの中で過ごすことで、活動を終えて家に帰ってからも異文化体験をすることができ、鍛えられたと思います。
ホストファザーとホストマザーには、毎日「今日はどうだった?」「今日は何をしたの?」と尋ねられました。その日の活動を話すと、自然と日本文化紹介をする流れになるので、学校で教えたことを再び話すことになります。

学校で教えるときとは違って教材・教具がないので、「○○ってどんなもの?」と聞かれたときの説明が難しかったです。しかし、ホストファザーとマザーはジェスチャーなどを見て興味を持って理解しようとしてくれたので、回数をこなすうちに紹介するのが楽しくなっていきました。

夕食メニュー(実例)
また、文化という観点からみると、食文化や食事のスタイルにも興味深いものがありました。下の表は、私のステイ先の夕食メニューを一覧にしたものです。
Date Main Dessert
3/1 ドライカレー プリン
3/2 パーティーで
3/3 フィッシュ&チップス チョコレートプリン
3/4 ミートパイ カスタードプディング
3/5 カレー風味のピラフ Mars(アイスクリーム)
3/6 チキン、野菜の付け合わせ プチシュークリーム
3/7 記録なし 記録なし
3/8 ハッシュドビーフ キャラメルチョコタルト
3/9 ラザニア パンケーキ
3/10 ピザとフライドポテト ライスヨーグルト(?)
3/11 チキン・野菜・クスクスの盛り合わせ チョコレートプリン
3/12 サーモンのムニエル、野菜の付け合わせ プリン
3/13 ロンドンで
3/14 チキン、野菜の付け合わせ Mars(アイスクリーム)

≪驚いたこと・気づいたこと≫
・毎回デザートが出ること。
・必ずワンプレートで出てくること。
・じゃがいもが必ずと言っていいほど入っている。(よく採れるのでしょうか?)
・日本のように、中央におかずがあってみんなで取るスタイルではないこと。
・いつも「無理に全部食べなくてもいいよ。」と言われるけれど、残飯は必ずごみ箱行きなのでもったいないと感じた。
・昨晩の残り物というものがなく、1回1回の食事が独立していること。


食文化の面でも日本との違いを感じたホームステイ体験でした。

日本食を紹介
そして、『日本食紹介』という意味も込めて、Yukiと一緒に”お土産用”として持ってきた日本食をホストファザーとホストマザーに渡しました。

3月3日には、「ひな祭り」ということで、日本から持ってきた”ひなあられ”と甘納豆、お煎餅などを渡し、それを一緒に食べながら紹介しました。行事の説明は、その日学校で少し紹介したので何とか出来ましたが、食べ物の説明は慣れていないせいか、難しかったです。

甘納豆は『Sweet beans』と説明し分かってもらえましたが、ひなあられとお煎餅がどちらも『Rice』であることを話すと、「どうやって作っているの?」「どう違うの?」など、次々と質問されました。私が答えられることもありましたが、ホストファザーに「加工しているんだよね?」「こうやって作っているんじゃない?」と逆に助けてもらう場面もあり、知らない自分が恥ずかしく感じられました。
日本に住んでいると自分が知らないことがあっても気づきにくく、それが当たり前になっていることに気づかされました。


結び
ここまで、大きく分けて『学校』『地域』『家庭』での文化紹介体験について記してきました。こうして振り返ってみると、基礎・応用・発展と、自ら活動を広げていけたことに自分でも驚いています。これには、事前指導や(事務局)の作ってくださったプリントで基礎知識を得ることができたこと、そして実際の活動を通して”必要なボキャブラリーや表現”を自然に身につけられたことが大きいと思います。

また、「文化紹介」ということで私は教える立場にあるはずなのに、逆に多くのことを学び気づかせて頂き、とても勉強になりました。特に、自分が思っているより『日本文化』を知らないことにはショックを受けましたが、そのことに気づけたということをプラスに捉え、今後の課題として取り組みたいと思いました。

そして、たとえ”日本文化を紹介する”という場がなくても、今回の経験を日々の生活で少しでも活かしていきたいと考えています。たとえば、留学生や海外の方と接するとき、イギリスで紹介した日本文化を話題にすることもできます。今回の反省点である”質問に対応すること”ができるよう、普段から疑問を持つよう意識したいです。

そして、今回のインターンに参加したからこそ気づけたことを大切に、文化交流をより楽しく意義あるものにするべく、自分にできることがあれば何でも積極的に取り組んでいきたいと思います。

子供たちのカルタは「アートのお手本の様」

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根本千尋さん
東京造形大学造形学部3年
イギリス・2011年2月参加


今回のコミュニティーインターンで、教育や、地域活性化等の分野に触れる機会を得ました。どちらも大変興味深く、また活動を通して考えさせられたことが多々あり、実りの多い体験をする事ができました。レポートにおいて何を中心に書くかということには頭を悩ませましたが、今回は参加者の中で唯一の美大生ということでしたので、子供たちの絵を見て感じたことに重点を置き、活動を美術方面からの視点を持って考察してみようと思います。


「つまらない絵を描いてしまった」

絵札づくりの当日に、欠席した生徒が出たために、絵札を作る機会がありました。私の専攻分野は建築、家具なので、絵を描くときは大体が設計図やデザイン案を描くときになります。特に設計図はそのまま作品になるようなものなので、いつもなるべく実際に近いものを、という気持ちで描いています。そのため、私は絵札に絵を入れる際、当たり前に、与えられた見本の写真にできる限り忠実に絵を描きました。

子供たちは私の絵を見て上手だと褒めてくれました。写実的には描けていたのだと思います。しかし私は子供たちの描いた絵をみて、それが私の絵などよりとても良いものだと感じました。そして私はなんてつまらない絵を描いてしまったのだと後悔しました。なぜなら、子供たちの絵が、写真の題材と似ていなくとも、題材の特徴をとらえた面白い絵だったからです。

そこで、写真のような絵を求めるのなら、あえて絵を描く意味がないことに気付きました。それならば写真をそのまま張り付ければ事は足ります。あえて絵を描くなら、そこには写真では表現できない何かを加えることが求められるはずだったのです。


カルタの絵札-根本さん作成


現場の写真-バイキング船


絵には、子供達そのものが表現

私の見た子供たちの絵には、子供たちそのものが表現されていました。彼らはまず、写真を見て描くべき題材を脳内に取り込みます。次に、その映像情報に彼らの既成概念と固定概念を練り混ぜて、脳に忠実に動かない筆で絵を描き上げます。完成するのは写真とは少しだけ違う形と、少しだけ違う色で描かれた題材です。私はそれに味があると感じました。現実味がなかったからです。

私は地平線が目線の高さだと知っていて、景色を描くには消失点を設定すれば現実味が増すことを知っています。私は知識と手順に従って絵を描いたのです。私の絵はつまり、知識さえあれば誰かも同じように描ける絵ということです。

しかし彼らは描き方を知らないので、思う存分、現実からずれた彼らの考える世界を表現することができます。彼らの目を通して、思い込みを含み、そこに表現するための器用さが関わって完成した絵札は、まさに1枚1枚が1人1人の個性そのものです。

「絵のうまい大人」ではこうはいきません。知っていることを知らないことのように絵を描くのはとても困難なことだからです。


子どもが描いた絵札。写真を見ることなく、自分の記憶を頼りに描いていました。。


現場の写真。カルタ作成後、写真を撮影。偶然、列車が来てびっくり。


アートのお手本の様

このカルタは、アートのお手本の様だと思います。実際に大学の授業で、”絵画を専攻する人たちに写実的なデッサンが必要なのは受験期だけで、入学した後はそれを忘れて個性のある絵を描けるようにならなければ、画家にはなれないのだ”ということを教わりました。そういう意味では、全ての子供には十分に画家になる素質が秘められているといえると思います。

地域の建物を題材にした、地域の子供たちの個性を反映した郷土カルタは、美術的側面から見ても、優れたものになったと思います。冒頭に挙げた2つに加えて、子供の絵という大変興味深い分野に触れることができ、とても嬉しく思います。

イギリスでのまちづくり・まち歩き

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千葉一樹さん
高崎経済大学地域政策学部3年
イギリス・2011年2月参加


私は、2011年3月~4月の約2週間、フロムジャパンのコミュニティインターンシップを活用し、イギリスのサネット地域に滞在しました。ホームステイをし、小学校で習字・郷土かるた・折り紙・空手演武などをしました。得た経験などに関し、レポートします。


まちづくりの意味

「まちづくり」には多様な意味が含まれています。自治体が取り組んでも、住民が取り組んでも「まちづくり」と呼ばれます。若者が取り組んでも、高齢者が取り組んでも「まちづくり」と呼ばれます。地元で取り組んでも、他所の地域で取り組んでも「まちづくり」と呼ばれます。ハコモノを作っても、教育活動でも「まちづくり」と呼ばれます。そのため、ここでは「まちづくり」を「地域のために何かをすること」と捉え考えていきます。

地域のために何かをするためには、現在暮らしている地域と他所の地域を知ることと、が重要になります。自動車免許取得時の「認知から判断。判断から行動」が良い例と考えます。認知、つまり地域を知らないことには効果的なまちづくり、つまり行動は生まれません。過去の遺産を未来に繋げられるような行動は出来ません。地域を知るために最も有効的なことは、その地域の住民と交流することです。また、未来に繋げられるような「まちづくり」のためには、現在暮らしている住民がこれからも暮らしたい、と思えるようなまちにすること、現在のまちを認知することが重要です。今回のインターンシップでは、地域の若者の象徴ともいえる小学生と幼稚園児と接することが出来ました。彼らが日本文化を知り、郷土かるたにより地元を再認知したことは、彼らの今後にとって大きな財産になったと考えます。また、私も、自国の文化を再認知し、サネット地域を認知したことにより、視野が広がりました。

以下、私が経験したイベントの「郷土かるた」「空手演武」「商店街の巡検(まち歩き)」の3つに関して順に書いていきます。


「郷土かるた」に関して

群馬県の「上毛かるた」が最も盛んである「郷土かるた」を、サネット地域でも広めるという活動をしました。現地の生徒に、地域のモノに対する読み札と絵札を描いてもらい現地の小学校の体育館にてかるた大会を開催しました。生徒に大変盛況でありました。後日、日本人インターン生にて、地域を歩きかるたの絵札に描いてあった地域資源を見つける、といった活動をしました。かるたを作成することにより、地元を再認識することが出来ます。また読み札を書くことで、他者に自分の考えを伝えようとする力が養われます。サネット地域は、まだ一見しただけですが、観光地ではありません。観光地化していません。観光客に媚びない、住民にとって暮らしやすいまちになっていると感じました。その地域の資源を、良いところも悪いところも、小学生時に知ることで、今後の発展に活かせると考えます。

「郷土かるた」事業で一点残念であったことは、後日の地域歩きを日本人だけで行ったことであると考えます。この地域歩きに、現地の住民や小学校の生徒が参加していれば、我々にとっても、生徒にとってもいい刺激になったと思います。地元民とよそ者では観る視点が違うためです。


「空手演武」に関して

私は10数年空手を習っており、今回サネット地域にて披露する場を与えられました。ここで驚いたことは、空手がイギリスでも普及されていることです。前述したように、「まちづくり」には人との交流が欠かせません。空手という共通項を持って、現地の生徒と交流することが出来ました。外国にしろ、日本での活動にしろ、交流するときは、相手との共通項を持っていること、あるいは相手が興味をもつモノを持っていることが、先に繋がる要素であると感じました。


「商店街の巡検(まち歩き)」に関して

土日や平日の夕方に、地域の商店街を歩く機会を得ました。「イギリスで最も酷いシャッター街」と呼ばれる地域(マーゲートという地域)も歩きました。私が現在大学生として暮らしている地域も同様にシャッター街です。しかし、日本とマーゲートのシャッター街の相違点として、マーゲートには人が歩いていることです。日本の商店街はアーケード化され、暗く人通りが少なく、車の通り道と化しています。マーゲートの商店街は、シャッターは降りていても、人は歩いており、明るい通りでした。もし、またマーゲートに行く機会を得れば、なぜ同じシャッター街であるのに、シャッター街という結果は同じでも、周りの環境が違うのか、といったことを研究していきます。商店街の形態、人の動き、などの面でも、私にとって刺激になるまち歩きでした。

実際に現地を歩いて体感しないと何も分からない。また現地に行く前に、地元で出来る限り情報収集すること。この2点の重要性を改めて認識しました。語学力を嘆く前に、まず動くこと、これが参加において必要なことです。

最後になりますが、フロムジャパンの事務局の方、ありがとうございました。サネット地域にて我々に関わった現地の皆さんありがとうございました。何より、一緒に現地にて活動したインターン生の皆さんありがとうございました。今回のインターンの経験を活かし、卒業までの大学生活や、卒業後にて活躍していきます。



 

フロムジャパン事務局コメント:

千葉さんは、卒業後故郷の町づくりに貢献するため、公務員となられたそうです。就職面接の際の話題の中心は、英国でのインターン活動やそこでのまちづくりの様子だったそうです。

イギリスと日本の学校施設&教職員

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子波 勇人さん
駒澤大学文学部2年
イギリス・2011年2月参加


はじめに 本レポートでは平成23年2月27日~3月14日まで、イギリスの小学校(プライマリー・スクールを訪問した際に見聞きしたことに基づき、イギリスと日本の教育を考察するものである。考察対象は「学校施設(主に校舎」と「教職員」の三点である。

第一章 イギリスと日本の学校施設

イギリスと日本の学校施設の大きな違いはその施設構造である。日本の学校校舎は鉄筋コンクリート、3~4階建ての構造が大半である。しかし、イギリスの学校校舎は平屋建てであり、レンガ造りのものが多くを占めていた。この点については風土の違いがあると考えられる。日本は先の東北関東大地震などにみられるように地震大国である。そのために耐震性を考慮し、生徒・職員の安全を守るため鉄筋コンクリートが用いられたと考えられる。しかし、イギリスでは日本のような大きな地震がほとんどないために地震に脆いレンガを多用しても問題は無いと考えられる。加えて、伝統的にレンガ造りの建物が多く作られてきた歴史的背景が存在すると考えられる。

第二に学校校舎多層化するか否かの差である。日本では1・2年生は1階、3・4年生は2回、5・6年生は3階と学年ごとに教室を配置するフロアが分かれている。学年ごとにフロアを分散させることは、学年同士の軋轢・衝突を防ぐためと考えられる。加えて、儒教の教えである「目上のものは尊敬する」という文化の影響のためか、学年ごとの明確な線引きのためにフロアを分散さていると考えられる。しかし、イギリスで全ての学年教室が同じフロアに配置されている。このことは前述の日本が受けた儒教的思想とは異なり、キリスト教の「神の前に人はすべて平等である」という考え方の影響のためにすべての学年に日本ほど厳格な線引きがなされていないと考えられる。以上、イギリスと日本の「学校施設の建築構造」と「校舎の内部構造」を比較し、相違点を考察した。この考察から学校施設からその国の風土、地理、文化が存在すると結論付けられる。参考として、以下の学校の平面図を参照されたい。


第2章 イギリスと日本の学校職員の違い

第一にイギリスと日本の教職員の違いについて考察する。イギリスの教職員は日本の教職員と違い、仕事は定刻通りに仕事を終える点が特徴である。しかし、日本の教職員は定刻には仕事を終えず、事務仕事、部活の指導などのサービス産業が多く存在する。このことからイギリスの教職員は日本と違い、教職を完全に「仕事」と割り切っているのである。また、仕事とプライベートをはっきり区別している点も特徴である。家庭内に仕事を持ち帰り、プライベートも生徒や親の目や周辺の住民の目を気にしながら生活している日本の教員とは大きく異なる点である。つまり、このことは日本とイギリスでは公私がはっきりと区別されていると考えられ、公私混同が問題になる日本とは大きく異なると結論づけられる。

第二にイギリスの教職員の負担について考察する。イギリスの学校の教室では収容人数がおおむね20人前後であり、30~40人学級が大半である日本とは大きく異なる。また先生が小学校の場合2人が一つの教室に配置されている。日本でいう「T・T(ティーム・ティーチング)」が機能しているのである。このことは10人につき一人の教員が付くことになり、40~30人の生徒を一人で抱える日本の教員とは異なる。つまり、イギリスの一人あたりの教員の負担は日本の四分の一程度であると考えられる。つまり、イギリスの教員は日本の教員よりも一人の子供に多くの時間を費やせることが可能になると結論付けられる。 教職を完全に「仕事」と割り切り、公私混同を明確に区別する勤務姿勢と一人あたりの教員の負担は日本の四分の一程度である勤務負担以上、二つのことから、イギリスと日本の教員の相違点は公私を区別する明確な線引きと負担の度合いの二つであると結論付けられる。 おわりに 今回のイギリスの教育現場を体験し、それをもとに「学校施設(主に校舎)」と「教職員」を対象に考察した結果、次の二つのことがわかった。一つは学校施設からその国の風土、地理、文化を読み取ることができること。二つ目はイギリスと日本の教員の相違点は公私を区別する明確な線引きと負担の度合いの二つである。 このページの先頭へ

かるたは、素敵な日本の文化

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小野崎遥菜さん
埼玉大学教養学部2年
イギリス・2011年2月参加


出発前の準備

私のカルタづくりへの第一歩は日本にいるときからでした。私の住んでいる栃木県小山市は小学生が毎年カルタ大会に参加する、ということがありましたので大会にむけて練習を友達とするということが遊びの一つでした。今回、イギリスでカルタを作り、大会を開催するということで私も参加させていただいたことのある小山市のカルタ大会について、また栃木のカルタである「下野カルタ」についてのお話を伺わせていただき、さらには大会の様子を取材する機会を頂きました。小山市で開催されるカルタ大会は自治会によって運営されているものです。各地区の育成会で行われた予選で勝ち抜いた小学一年生から六年生までの各学年二人ずつの代表が小山市の決勝へと進むことが出来ます。地区や学年によっては人数が少ない場合もあり、必ずしも二人の子供がいるというわけではありませんでした。自分が当たり前に思っていたカルタ大会ですが、同じ栃木県でも他の地域では開催されていないことや大会開催にあたり「子どもたちに地域のことを知ることが出来るカルタで遊んでもらいたい」という思いが伝わってきました。カルタのようなカード遊びは、日本の伝統的な遊びである一方、特に地域カルタにおいては歴史や地理、名産物等の地域の特色を学ぶには良いものです。子どもたちも遊びの一環で自分たちのすむ地域のことについて学ぶことが出来ます。
日本で二回にわたって行われた事前実習では、実際に私たちがカルタ遊びをしました。これによってチームのみんなに「どのようなカルタ大会をつくりあげるのか」という共通のイメージをえがくことができたと思います。


二つの学校でカルタを完成

実際にイギリスの二つの小学校でカルタを作ることが出来ました。教室に向かう前には、子どもたちにカルタのことを理解してもらえるのか、またある程度の質のカルタを作ることが出来るのかという不安がありました。もちろん英語でコミュニケーションをとらねばならない。そのいった不安はいくつもありました。
作り始めて、困難だったことは生徒の作った読み句の校了作業です。子どもたちの書いた英語はスペルミスだけでなく、文法的にも間違いがあること、また判別の難しいアルファベットを書く子どももいます。また絵札用の絵を描くときにも、時間内におらわせることのできない子、集中力が途切れてしまって他のことで遊んでしまう子がいる一方で、すぐに終わってしまって暇をもてあそんでしまう子どもがいました。一つの教室の中である作品を完成させようとするときには日本においても同じことですが、すべての生徒が同じ速度、またクオリティーで作業を進められるわけではありません。そういった生徒にはサポートが必要ですが、英語が不自由なことで、100パーセントのサポートが出来たわけではありませんでした。
カルタが出来あがって、カルタ大会を開きました。子どもたちはみんな真剣に、また楽しそうに参加していました。大会の運営としては、きちんとした役割分担をしないままに始めてしまったために、こちらとしても戸惑うことがありました。
二つ目の小学校では、私が子どもたちにカルタの導入からやらせていただくことになりました。用意してくださったマニュアルを基に、自分である程度の用意をして、臨みました。ですが、いざとなると緊張してしまってうまく言葉が出てこなくなってしまいました。チームや先生の助けを借りて、なんとかこちらの学校でもカルタを作り上げることができました。こちらでも、大会を開催すると子どもたちは楽しそうに遊んでいました。
カルタに描かれた町を探検

今回、カルタを作るだけではなく、子どもたちがカルタの題材として選んだ物、場所を観に行く町探検ツアーも行いました。特に興味深かかったのは、全国で展開されているお店も子どもたちにとっては町の一部として捉えられているという点です。大人が自分たちの町のカルタを作ったならば、その町に特有なものでカルタを完成させることが可能ですが、子どもたちの目線からみた町は必ずしもそうではありません。もちろん、町の誇るもの、特有なものを題材にとる生徒が多いのですが、そういった子どもたちの町の捉え方をしることができ、とても楽しいツアーとなりました。


素敵な日本の文化

「イギリスでカルタをつくる」と言うことは、人々になじみのないものを紹介して、理解してもらい、かつ興味を引きだすことが必要です。そのためにはたくさんの準備が必要で、どのように「教えたら」いいのか、ということばかり考えていました。しかし今回の活動を通して、こちらからはカルタのことを教えるその一方で、先生方や生徒たち、またホームステイ先の家族や現地でできた友達からはラムズゲートをはじめとするサネットの町のことやイギリスの文化などについて多くのことを教わりました。そういった点で、地域カルタは双方にとって有益であると感じました。また、遊びの一つであるためにとても楽しい。子どもたちが楽しんで遊ぶことができ、またその楽しんでいる様子を見て周囲の大人も楽しい雰囲気に包みこんでくれる。そんな素敵な日本の文化であると感じました。

 

かるた大会が大成功

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小川彩華さん
学習院女子大学国際文化交流学部1年
2011年2月参加


カルタは、小学生時代の好きな遊び

まず初めにイギリスでカルタづくりをするということは、私が今回のインターンに参加をすることを決めた要因の一つである。なぜならばカルタは、小学生時代の私の好きな遊びの一つであり、地域の小学生が集まる大会に参加をしたり、友達と自分たちのオリジナルのカルタを作って遊んだりするなどして、とてもカルタに慣れ親しんでいたからだ。だから今回のインターンでカルタづくりをするということを聞いたときは、当時のことがとても懐かしく思い出され、ぜひイギリスの子供たちにもカルタの楽しさを知ってもらいたいと思ったのだ。 しかしイギリスにはカルタのようなカードゲームはないので、カルタについて上手く理解してくれるかということや、気に入ってくれるかどうかということを初めは不安に思っていた。けれども実際にイギリスの小学校を訪問し、授業に臨んでみるとみんなとても真剣に話を聞いてくれ、すぐにルールやどのようにカルタを作るのかということをわかってくれた。あまりにもスムーズにカルタを作成することが出来たのでとても驚いた。


学校カルタづくりに参加

私が携わったのは学校に関係したカルタ作りだった。学年はイギリスの小学3年生。作る手順は、まずみんなで学校に関する単語を出し合い、沢山でたらそれぞれが担当したい場所を挙手で決めていった。喧嘩や揉めたりすることもなく、一人ひとりの担当箇所が決まった。またこの方法のおかげで偏ることなくいろいろなテーマに関するカルタが出来た。このことはゲームをする上で、いろいろな種類があると飽きないでより楽しむことが出来ると思うのでとても良かった点だと感じる。 カルタ作りの一日目は決まった題材の絵の読み札作りと絵札の下書きをした。読み札づくりは3つ、しかも頭文字が異なるものを作らなければならなかったので、子供たちは少し苦労をしていた。しかし先生や私たちに助けを求めたり、上手く文を倒置させたりして、そんなに時間を掛けずに読み札を作り終えた。みんなでそれぞれのアルファベットの頭文字が被らないように決めるのも、すんなり決まってすごくカルタ作りは苦労するだろうなと思っていたが、むしろ呆気なく完成してしまった。二日目は絵札を絵の具で描き、生徒ひとりひとりの思いの詰まったイギリス初のオリジナルのカルタがついに完成したのだった。


苦労した点

しかし苦労したのは生徒たちにカルタをつくるのを教える時ではなく、そのあとの事務作業であった。その理由は二つある。一つ目は小学三年生の文字は、まだ字体がはっきりしていないのでなかなか読むことが出来ず、なんと書かれているのかを読み取ることが一苦労で、誰が作ったのかという名前さえも先生の力を借りなければ正確に読み取ることが出来ず、とても時間が掛かってしまった。二つ目は誤字脱字が思っていたよりもとても多かったことである。特にbとdを混同して使っている生徒がとても多かったことにはびっくりした。同じくらいの年齢の日本人の生徒が「は」と「ほ」を間違えてしまうようなものなのかなと思った。どちらの問題も最後に先生にチェックをしてもらったことにより無事に解決でき、妥協をすることなくしっかりとしたカルタが完成した。


日本と違う、イギリスの生徒

カルタづくりを通してイギリスの生徒と日本の生徒の違いを二つほど感じることが出来た。一つ目はイギリスの生徒の方がとても積極的であるということだ。なぜなら日本の生徒は答えがわかっていたとしてもなかなか手を挙げないが、イギリスの生徒はどんな質問にもクラスのほとんど全員が一斉に手を挙げて意見を述べようとしていたからだ。 二つ目は集中力がとても高いということ。なぜなら一つ目に述べたことからも話をよく聞いているということが言えるし、無駄話や違うことをする生徒は全く居ず、決められたやる作業が終わったら「次は何やるの?」としょっちゅう聞かれて逆に困ってしまうくらいだった。これらの違いはイギリスと日本の教育現場の違いから生まれて来るのかと感じた。それはクラスに先生が二人居て、生徒に目がよく行き渡っているからなのだと思う。またそれは、みんなが黒板のほうに向かって、同じ向きに座る日本とは違い、グループになっている机の並び方からも影響を受けているのだと思う。


カルタ大会が大成功

最後にカルタ大会についての感想を述べる。結論から言うと、大会は大成功だったと言えるだろう。なぜならゲームをしている子供たちの顔がとても生き生きとしていて、カルタを楽しんでくれていることが伺えたからだ。そのことからもイギリスの子供達にも、日本の伝統の一つであるカルタが受け入れられたということが感じられ、とても嬉しく思った。またチーム戦だったお陰で、自分のチームの子がカードを取ったらみんなでハイタッチをするなどして、とても盛り上がっていた。楽しそうにしている生徒たちの笑顔を見ることが出来てすごく嬉しかった。 でもやはり一番苦労したことは、言葉の壁である。生徒達が人見知りもせずに一生懸命話しかけてくれているのにも関わらず、上手く聞き取ったり、言ったりすることが出来なかったたからだ。しかし日を重ねるごとに出来るようにはなっていたが、自分の満足できるレベルではなく、とても悔しくて今回の経験で、語学力のアップに磨きをかけることについて今まででの経験の中で一番思い知らされた。このことに気づかされたことも今回のインターンに参加できて良かったことの一つだ。


フェアトレードも学びました

またタミー(※)さんに出会い、いろいろなフェアトレードに関するお話を聞くことが出来た事もとても良い経験であった。まだまだ勉強不足だと痛感し、これからの大学での勉強や、自分の勉強に生かしたいと思う。そして日本でももっとフェアトレードの認知度が上がり、フェアトレード商品を買う人が増え、アフリカやラテンアメリカ、アジアなどで今もなお苦しんでいる人々が、私たちが今出来ているような当たり前の生活をできるように、一刻も早くフェアトレード、つまり公正な貿易が行われるような日が来るといいなと思う。 (※招待団体サネットフェアトレード団体会長)