“lovely” days-生きた英語に触れる楽しさ、子どもたちと関わる楽しさ―

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深澤 一菜子さん
愛知県立大学教育福祉学部3年
イギリス・2013年9月参加


私がフロムジャパンのコミュニティインターンに参加した理由は2つあります。1つは、時間に余裕がある3年の夏休みに英語圏の国で趣味として勉強してきた英語を使って生活してみたいと思っていたからです。単なる語学留学ではなく、現地の人々と関われるところがこのインターンの長所だと思います。2つ目の理由としては、現在私が小学校教諭になるために大学で勉強をしているからです。大学の講義で海外の教育法についても勉強し、刺激を受けたので海外の小学校の様子を見ることができるということは私にとってとても魅力的でした。また、小学校の見学だけではなく自分が小学生に授業をして直接関われるという点も魅力的でした。

結論からいうと、イギリスでの生活はとても良かったです。毎日が充実していて、ホストマザー(ファーザーとは別居中でマザーしかいませんでした)はとっても素敵な方でした。イギリスのご飯はおいしくないと噂で聞いていましたが、ホストマザーがつくるご飯はとてもおいしかったですし、イギリス英語の発音で苦労するかな?と不安に思っていましたが数日経てば慣れてしまって問題ありませんでした。ホストマザーと私はほぼ毎日、夕飯の後に話をしました。それもイギリス英語に早く慣れることができた理由かもしれません。おしゃべりが大好きな私を察してくれたのか、自然とホストマザーとのんびり話す時間ができていて、本当の母のようでした。ホストマザーとの話の内容は、私が発見した日本とイギリスとの違いであったり、ホストマザーの趣味についてであったり、英語についてわからなかったことを質問したり様々でした。題名に入れた“lovely”という言葉はイギリスで私がよく耳にしたのでホストマザーに意味や程度、用法を教えてもらい、覚えた私にとってとても思い入れがある言葉です。お店の店員さんや学校の先生、家族などいろいろな人に本当によく言われました。このようにそれまで知らなかった言葉や言い表したかった表現を教えてもらうことは辞書にはのっていないものばかりだったのでとても勉強になりました。また、同じ家にイタリア人の男の子2人もホームステイしていたのですが、その2人が話す英語はイギリス英語よりも聞き取りにくく、最初はかなり苦労しました。しかしよく考えてみると、英語が母語ではない人と英語でコミュニケーションをしなければならない状況はこれから先もありえることです。良い経験ができたと考えています。

英語研修後の小学校での活動でまず感じたことは子どもたちが日本もしくは日本のものに興味をもってくれているということです。特に子どもたちが興味をもっていたのは日本語や日本の文字についてでした。自分や家族の名前のカタカナ表記を知ると嬉しそうでした。また、ある子は日本の津波について心配していました。子どもたちと関わるにつれて、自分の国である日本について伝えることはもちろん大事だけれど、イギリスや子どもたち自身について私が尋ねて互いに知ろうとすることも子どもたちとのコミュニケーションにおいて重要だということを感じました。自分が知らない、わからないという状況を恐れてはいけない、知らないのは当たり前なのだから子どもたちに逆に教えてもらおう!と思うことができれば、より会話を楽しめると思います。小学校での授業においては4日間の英語研修が大変役に立ったとも感じました。like thisを使えばなんとなく言いたいことを伝えることができるかもしれませんが、やはり一度に多くの人に物事を伝えるためには簡単で的確な言葉が必要でした。そして子どもとのやりとりのなかではほめる言葉やねぎらいの言葉は欠かせません。Well doneや Good try、NearlyやCloseなどの言葉を事前に英語研修で教えてもらっていたので有効に使うことができ、子どもたちとの会話も楽しいものになりました。活動をしていて感じたことといえば、子どもたちがとってもかわいかったということも言わずにはいられません。最初は名前を覚えていないために子どもたちはインターンのことをMiss!と呼びます。しかし、名前を覚えてくれると授業が終わっても翌日になっても廊下や運動場で会うとHina!!と呼んでかけよってきてくれました。休み時間には一緒に遊んだり、ある子は弟を私に紹介してくれたり、ある女の子は恥ずかしがりながらボーイフレンドを紹介してくれました。とても素敵な交流が子どもたちとできたので素晴らしい思い出ばかりが思い浮かびます。

小学校での授業を考える際に意識したことは能動的に子どもたちが動く場面をつくるということです。私たちが日本の文化を伝えるということは、子どもたちは聞く、教えてもらうという立場になるので受動的になるのは当然のことです。しかし、受身ばかりでは子どもたちのモチベーションが下がってしまったり、インターン任せになってしまうことがあり得ると思ったので子どもが主体的になってそれぞれの個性が出せるような場面をつくろうと工夫しました。例えばワークシートに顔や体、メッセージや絵を書き込めるようにしたり、かぶることができる大きなかぶと折り紙の授業に切り紙で装飾をする作業をいれたりしました。

もちろん小学校での活動も充実していて楽しかったですが、町歩きやオフの日の生活も楽しかったです。町歩きをすることで自分が滞在している町について詳しく知ることができました。そしてオフの日にはロンドンやカンタベリー、サンドウィッチなどに出かけました。町に出ると初対面の人と話す機会が多くなります。お店の店員さんと会話をしたり、外国の人にお店の場所を尋ねられたりしました。

現地の子どもとも大人ともたくさん関われて、現地の小学校も見ることができて、観光もショッピングもできて、さらに英語の勉強もできる、私にとってフロムジャパンのコミュニティインターンは“lovely trip” でした。

コミュニティーインターンに参加して

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原田優生さん
信州大学農学部2年
イギリス・2013年9月参加


私が参加した理由は、「海外での生活を体験してみたかったから」というものです。教師になりたいなどの目標はありませんでした。語学研修などでも海外生活はできるが、この企画では、海外に行ってからの活動が明確でした。そして、せっかく行くのだから何か明確な活動目的があった方が充実したものになるのではないかと思いました。さらに、子供たちに、日本文化を紹介するということはなかなかできない体験で、良い経験になり、さらに親が、教師だったので少しは親のことがわかるかなと思い参加しました。参加した理由は、あまりかっこいいものではなかったのですが、とてもよい経験になりました。

実際に活動してみて、日本では経験できないことができたと思います。まず、ホームステイでは、温かい家族に恵まれ楽しく生活できました。私が印象に残っていることは、家を出ていくときや、寝る時など、顔を見なくなるときに「Have a good day」などの言葉を、必ず言うことです。相手への思いやりの気持ちなどをストレートに言葉で表現しているところが、日本とは全く違うけど、いい文化だな。と思いました。観光に行くときも、行き方を丁寧に教えてくれました。一日の出来事を話したり、夜一緒にドラマを見たり、そんな些細なことが、とても新鮮で、楽しい時間でした。英語力がなかったので、分からないことも多かったのですが、相手の表情や目を見ることで、なんとなく理解でき、会話もできたので、良い経験になりました。観光の帰り道に、道に迷ったこともまたいい経験でした。歩道のない夜道を友人と三人で歩き、どうなることかと思いましたが、パブなどで道を聞くと、優しく道を教えてくれました。そのお店に、お昼を食べに行き、おいしい食事ができました。偶然の発見が、結果的にとても良いものになりました。現地に住んでいる日本人と偶然出会い、おいしい料理店や、パブに連れて行ってもらったり、家に遊びに行ったり、楽しかったです。いろいろな人に出会えて本当によかったと、実感できる日々でした。

授業では、英語がうまく話せるか不安だったが、事前に授業で必要な英語を教えてもらえたので思っていたよりは大丈夫でした。事前に、自分の担当していた折り紙に関しては、友人とスライドを準備していたので、模擬授業でもやりやすかったです。突然の予定変更で、新しいスライドをつくらなければならなくなっても、一回作っていたので、作りやすかったです。かるたゲームは、外国の子供は楽しめるのかな。と思っていたが、とても楽しんでくれました。子供たちは、どの学校でも素直でした。私たちにとても興味を持ってくれて、日本に関する質問にも積極的に答えてくれました。ピカチュウや、ハローキティーがとても人気で、こっちの方が驚きました。しかしこれらのキャラクターが日本からたことはあまり知られていなかったです。そして、授業をしていないクラスの子供にもお昼ご飯や、そのあとの休み時間などに話しかけられたり、一緒に遊んだりして楽しい時間を過ごせました。授業中には、子供に英語の発音をなおされ、よい経験になりました。よくできましたシールは人気でしたが、それよりも印鑑の方がリアクションが良かったです。腕や手、顔などに押してほしいと頼まれました。このような子供たちとのふれあいが、とてもいい思い出です。

そして、フェアトレードの活動をしている、タミーさんに会い話を聞きました。なにか一つのことに一生懸命に活動している人はとても尊敬できると思いました。とても情熱的で、私も何か見つけて一生懸命頑張りたいと思います。

今回この活動に参加する前は、少し不安になることもあったのですが、一歩踏み出して飛び込んでいくと様々なことが経験できて、それが自分の中で一つの自信になり、一生忘れられない思い出になることが分かりました。そして今回出会った仲間にはいつも助けられて迷惑ばかりかけ、とても感謝しています。これからもずっと友達でいたくなる、そんな人たちと出会えてよかったです。三週間とても充実していて、とにかくこの活動に参加してよかったです。

 

ガイドブックに載っていないイギリスの魅力

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北島明子さん
熊本大学文学部3年
イギリス・2013年8月参加


私がこのプログラムに参加したきっかけは、大学、、、で案内を見つけたことでした。もともと国際交流に興味があり、外国の人に日本に興味を持ってもらいたいという思いと、外国に行って子ども達と触れ合いたいという思いからすぐに参加を決意しました。

海外に一人で行くのは初めてだったので何か失敗をしないか不安でしたが、配布資料で丁寧に説明が載せられていたり同じ便で行く(他のインターン)と会うことが出来たので、無事到着することができました。福岡から韓国、韓国からイギリスへ行く飛行機の中では、隣の席になった人といろいろな話をして、頂いた配布資料を読み直していました。イギリスに日本文化を伝えに行くと言うと、頑張ってねと言ってもらえ、さらに気持ちが高揚してワクワクしながら起きていました。

イギリスについてまず驚いたのは、空港がとても広かったことです。私達は第四ターミナルについたのですが、第三ターミナルまで行くのにかなり時間がかかり、必死で引率の方について行きました。京都での事前研修以来、みんなと会うのは二回目だったけれどすぐに打ち解け、移動のバスの中ではずっとおしゃべりをしていました。私はホームステイ先に着くのは最後だと思っていたので、のんびり頭の中でシュミレーションをしていたけれど、一番初めだったのであたふたしてしまいました。三週間お世話になったホストファミリーはとても優しくて、親切にして下さいました。事前に見ていた体験談集と違って、この家庭では特にルールがなく、門限もないしシャワーはいつ浴びても大丈夫でした。ホストマザーはとても料理が上手で、私のイギリス料理に対するイメージを覆しました。イギリス料理はまずいというイメージがあり、出国前には友達からも散々言われたけれど、料理はとてもおいしかったです。それはホストマザーの料理だけではなく語学学校の料理や給食も同様においしく、日本とは違うメニューばかりで物珍しくもありました。個人的に、Ramsgateのレストランで食べたパニーニが一番おいしかったです。ただ、お米はやっぱり日本のものがおいしいなと感じ、イギリスではあまり野菜を食べないんだなと思いました。また、子ども達が残飯を捨てている姿を見るのは悲しかったです。日本語の「いただきます」と「ごちそう様」の深さを改めて感じ、プログラムの中で子ども達にこれらの言葉を教えられたら良かったなと思います。

イギリスに滞在している間は本当に規則正しく、健康な毎日を過ごすことが出来ました。ホームステイ先が語学学校から一番離れていたので、毎日三十分ほど歩きました。歩くのもすごく楽しくて、いろんな発見がありました。車が路上に駐車されていたり、信号機の形が違うのも新鮮でした。雨の日にでてきたカタツムリが大きかったり野良猫がふさふさだったのも驚きでした。皆には日本でも一緒だと言われましたが全然違うのです。

語学学校での授業のおかげで本番への心構えができました。最初は全然話せませんでしたが、回数を重ねるごとに良くなっていることを実感できました。ルーシー先生の授業はとてもわかりやすく、英語でどう伝えたら効果的か学ぶことが出来ました。しかし、小学校で実際に授業を行った後の方が問題点が多く浮上し、ルーシー先生に質問したいことがたくさん出てきました。私達の班ではカルタの説明を大幅に変えたので、文法や語彙が合っているか確認していただきたかったです。また、小学校に行く前に名所やサネット市について知識を得て、実際に訪問しておけばよかったなと思います。週末にMargateの名所を一通り周ったのですが、カルタの題材になっている場所とは違ったので、題材になっている場所をちゃんと見て子ども達にアドバイスが出来れば良かったです。

どの活動も印象に残っていますが、一番心に残っているのはカルタmakingです。みんな一生懸命読み句と絵札を考えてくれて、カラーペンで塗ったのでとてもきれいな仕上がりになりました。早く終わった子には折り紙を教えたのですが、手裏剣作りが途中になってしまったのが残念でした。絵札を作成中、中には写真をそのまま映している子もいたので、オリジナリティを出していいと伝えたかったけれど上手く言えませんでした。また、せっかく子ども達が話しかけてくれても何と言っているのか理解できず、自分の英語力のなさを痛感しました。交流の機会を無駄にしないためにも、もっと英語を勉強してスピーキング力を身に付けたいです。プレゼンテーションでは自分で調べて来てくれた子もいたし、先生が補足の情報を付けたして下さったり、発表が苦手な子のアシストをして下さいました。イギリスの子ども達は日本の子ども達と違って積極的でみんな手を挙げるので、発表も得意だと思っていましたが、緊張していたり照れたりしていたので少し意外でした。最後に手作りカルタでゲームをするときはみんなすごく楽しそうで、自分が作ったカルタを自分で取れると「僕のだよ!」とすごく嬉しそうでした。ゲームをする上で、先頭が誰だかわかるようにかぶとをかぶってもらったり、Hereシートを作って札により過ぎないよう工夫しました。かぶとをかぶると先頭が誰だかわかりやすいけれど、動くと落ちてしまったり髪形によってはかぶりにくそうにしていたので、最後にはかぶりませんでした。また、お手つきを伝えるのは難しく、お手付きをしていない子が休みになってしまうので、間違いはカウントせずゲームを行いました。キーワードに重点をおいた説明を行うと、子供達はすぐにルールを理解してくれて次の日も覚えていました。カルタをしながら、なぜカルタが日本でしか浸透していないのか考えていました。自分なりに考えてみた結果、①日本語はモーラ言語である ②枚数がゲームをする上でちょうど良い(みんなで輪になってできる) ③和の文化である ④単一民族国家である という四つの要素が関係しているのではないかと思います。モーラ言語では音節で語を区切るため、ひらがな一音の音は変わりません。しかし、アルファベットだと単語によって音が変化してしまい、最初の文字が聞き取りにくくなってしまいます。また、ルールを守ったり、待ったり、一緒に何かをすることは集団生活を送る上でとても大切なことだし、単一民族なので文化や言葉の壁がありません。そうしたことから日本でのみ発展したのではないかと思われます。

折り紙では犬、猫、魚、かぶと、手裏剣をレベルに応じて折りましたが、どれも楽しそうに折ってくれました。休み時間にはピカチュウやキティちゃんも教えました。手裏剣ができる行程にみんなとても驚いていました。犬と猫は折方がほとんど同じなので、完成の時は犬ができた子と猫ができた子がおり、区別が必要だなと思います。

習字では清書の他にもメッセージカードを作ってもらいました。中には私達にカードをくれた子もいてとても感激しました。

どの活動にも言えることは、早く作業が終わる子と遅く終わる子の差をいかに埋められるかだと思います。私達は余裕を持って準備していたつもりでも、用意していた活動を全て終わってしまう子がちらほらいました。先を読んでいろんな活動を準備すれば良かったなと思います。また、日本から剣玉やこまなど子供達の興味対象になりそうなものをたくさん持ってきたらよかったなと思いました。

その他にも、私はフェアトレードに関する活動がとても印象に残っています。中でもタミーさんのお話を拝聴できたことで、フェアトレードにとても関心がわきました。実際に調査をした際は、店員の人が店で取り扱っているフェアトレード商品を把握していたことに驚きました。しかし、アンケートにおいて、フェアトレード商品を買っていてもサネット市がフェアトレードタウンだと知っている人がほとんどいなかったことも驚きでした。フェアトレードを推進する側と実際に買う側に意識の差があることを受け止めてその差をどう縮めるかが、今後の活動において大切なことだと思います。同様のことは日本にも言えます。私は熊本に在住しているので、自分なりに勉強したり活動に従事し、少しでも多くの人にフェアトレードについて知ってもらいたいです。

三週間はあっという間に過ぎてしまい、とても楽しくて有意義でした!この経験は、私の人生において大切なものの内のひとつです。迷惑ばかりかけていましたが、自分に足りない力を見直すことができたし、フェアトレードにも出会うことができました。また、他の参加者やホストファミリー、子供達や同じ語学学校に通っていた生徒さんなどたくさんの人と交流することができました。みんなと出会えてすごく良かったです。日本に戻ってもずっと繋がっていたいです。

帰りの飛行機で、隣の席になった同年代の女の子と仲良くなりました。お互いの思い出を話していて、その子は私が参加した活動に非常に興味を持ってくれて、自分も参加したいといっていました。もしかしたら、次のインターンシップに参加しているかもしれません!こんな風に、自然とつながりが増えていくことがとても嬉しいです。郷土カルタや日本文化を通して、子供達がたくさんつながりを増やせていけたら幸せです。ぜひまたこのプログラムに参加したいです。その際は、今回できなかった活動や新しいことにも取り組んでみたいです。

 

書道の授業を通してみる、イギリス児童にとっての日本語

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鹿島萌子さん
立命館大学大学院先端総合学術研究科
イギリス・2013年9月参加


今回の海外インターンシップで、私は事前研修での担当分けのとき自分から立候補し、「Japanese writing& Calligraphy」の担当となりました。その理由として、私の興味関心が、一つに他文化圏の子どもたち、つまり日本語にあまり触れたことのない文化社会で生きる人間はどのように日本語に接するのか、二つ目に、そのような子供が日本独特の文化のひとつである習字/書道をどのように行うかにあったためです。

私は、事前研修前までは、ただ生徒たちに日本語を習字で書かせることだけを考えていました。しかし事前研修を終えてチーム内で話し合い、折り紙とCalligraphyともに「何か形に残るようなことをやろう」と決めました。そしてCalligraphyでも、ただ書かせるのではなく、形に残るものを前提とした文字を書かせようと様々な案を出していきました。その結果、これまで通り「祝」という字はそのまま用いることとなりました。そして、「形に残るもの」としてカードを作ろうと私たちは考えました。その理由としては、イギリスはカード文化であるため、生徒たちにとってもカードはなじみがあるだろうと考えたこと、「祝」(congratulation)が両親・友人・親戚など誰に対しても使用することができると考えたからです。「祝」という字以外を書かせることも最初は考えていましたが、「カードにする」ことが最終目的になったとき、「感謝」や「おめでとう」とするよりも一字で書ける「祝」がより適当であろうという結論になりました。

この「カード」作品として生徒たちのCalligraphyを残すということは、とてもよかったと2回の授業を通して実感しました。私たちは、早めに終わった子はカードを作って友達や両親に渡せるようにしようと計画していました。また、折り紙を他の授業で使うのならば、Calligraphyのときも折り紙に触れてもらおうと考え、折り紙や千代紙で作った動物や花などをデコレーションとして活用しようと考えました。これは事前研修の話し合いをしたころよりチーム全員で考えていたことです。当初は半紙をそのまま台紙に貼り付けることで大きめのカードを作ってもらおうと思っていましたが、現地での準備段階で使用する筆や折り紙の残量を考慮したとき、厚手の画用紙を半分に切ったA5に近い大きさのほうがいいだろうということに落ち着きました。初回の授業では時間の配分がうまくいかず、カードまで進むことができませんでした。そのリベンジもかねて、初回の授業の反省点を踏まえて二回目の授業に臨みました。本番の本紙に入る前に、早めに終わった生徒はカードを作ることができることを伝え、見本として作っていたカードを見せたときの生徒の反応がとてもよかったことが強く印象に残っています。その分、カードを早く作ろうとした生徒も多く、私たちから見て、ちょっと雑に書いてしまっているなと感じる生徒がいたのも事実です。ただ、それまでの間に飽きてしまった子が再度やる気になれた(なったように見えた)のは、やはりカードとして形に残るものを作れると分かったからだと思います。デコレーション用として用意したピカチューやロケット、ハート型の折り紙や千代紙で作った切り花も、カード作りに貢献していたと思います。最初練習で書いていたときは恥ずかしがって見せてくれなかったけれど、デコレーションを施したカードにしたことで自ら自信満々に見せにきてくれる生徒もいました。その笑顔は今でも忘れられません。

私たちは授業の流れは次の通りです。パワーポイントを用いながら、まず私たちが日本語には平仮名・カタカナ・漢字があることや小学生は漢字を約1000字学習することなどを紹介したあと、生徒はそれぞれの名前をカタカナで書いて練習します。これがJapanese writingの授業です。生徒がカタカナを練習している間、次のCalligraphy の準備をします。Calligraphy の授業では、書いてもらう漢字「祝」の成り立ちや意味、書き順を紹介したあと、墨と書道筆を実際に使ってもらいました。
生徒の日本語への接し方は、私の目から見るととても興味深いものでした。生徒のなかには自身の名前をカタカナでワークシートに練習した後、空いているスペースに練習する生徒もいれば、別の紙を机のなかから取り出し、そこに練習する生徒もいます。ただ驚いたことに、多くの生徒が自分たちの腕に名前を書き始めたのです。なかには私たちに平仮名の書き方を聞き書く生徒もいれば、私たちの名前を書いてくれるように頼んでくる生徒もいました。それは私にとってとても意外な行動でした。

おそらく彼らは日本語(カタカナ・平仮名)を一種のタトゥーのデザインとしても受け止めていたのだと思います。イギリスでは多くの人が腕や足、時には背中などにタトゥーを入れています。日本ではタトゥー(あるいは刺青とも呼ばれます)は反社会的なものであり、タトゥーを入れている人は冷ややかな目で見られることが少なくありません。しかし、イギリスをはじめとする海外では、特に若い世代とってタトゥーは一つのファッションであり、入れていても白い目で見られることはありません。生徒を迎えにきた保護者のなかにもタトゥーを入れている保護者は少なくありませんでした。また、そのタトゥーには多くの種類のデザインがあり、日本語もその一つです。実際に入れている人をバスのなかなどで見かけたりもしました。日本人も多言語の文字は一種のデザインとして捉えます。イギリスの生徒は、自分の名前をタトゥーのように腕に書いていました。このことは、アルファベットとはかけ離れた日本語の文字が、生徒にとってデザイン的であること、そしてそれをタトゥーのように腕に書いたことは、それだけタトゥーという文化が生徒にとって一般的であり、日常に親しんでいることの一つの表れであるように感じました。

また、生徒たちの書道のやり方もとても興味深いものでした。当初生徒たちのなかには「祝」の二画目を、一度横棒をかいたのち左下へ払うのではなく、下から上へと書いたり、五から七画目の「口」の部分を、四角形を描くかのように一筆書きで書いたりしていました。また、墨をblack inkと紹介していたためか、書道筆を絵筆のように持ち、色を塗るかのように字を作っていた生徒もいました。何人かの生徒には書き順を再度教えたり、実際に手を持って一緒に筆を動かして書いたりすることで、書き方をやっとわかってもらえるようになりました。私たち日本人は、字を上から下、左から右へ書くことが当たり前です。しかしアルファベットの文字は、特に筆記体で書く場合、下から上へとペン先が流れる文字も少なくありません。そして多くは一筆書きで文字を起こします。そのため、当初生徒たちは混乱していたのだと思います。ただ私たち日本人は当たり前の書き順・書き方であるため、そこまでしっかりとその混乱に注意を払えていなかったようにも思えます。

今回のインターンでは、自分にとって当たり前であること/ものを、当たり前ではない人たちに教える大変さんを始終痛感しました。「日本文化を紹介する」と考えたとき、日本の文化の成り立ちや歴史的背景などを再度調べ、そのことをかみ砕いて相手に理解してもらおうとします。日本の文化がイギリスの文化と違うことは多くの書物などに書かれ、明白なこととなっています。しかし、文字の書き方や墨への接し方、そのほかにも、折り紙の角と角を合わせることなどは、当たり前のこととして私たちの身に沁みついているため、現地に行って実際に生徒の様子を目で見て疑問に思わなければ気づかないこと/わからないことであり、書物において明白に文字化されていることではありません。そして、自分たちが当たり前だと思っていたものが日本のなかでしか当たり前ではないと気づいたとき初めて、日本の独特さを感じ取り、自分の言葉でわかりやすく発信しようと行動を起こしていくのだと思います。

海外に行くことは異文化を理解すると同時に自国の文化を再度認識することにもなるといわれます。確かにその通りだと思います。今回インターンに参加して、それまで意識していなかったカルタの文化を再度考えるようになりましたし、現地の学校の授業風景や先生が生徒を静かにさせるときに手拍子を用いるなどの体制を知ることができました。また、イギリスの子どもたちが日本をどこまで知っているのかを、生徒たちとのコミュニケーションを通して確認することもできました。ただ、それはすべて私たち自身が目の前にある光景に疑問を持って初めて気づくことであり、疑問にもつことが再度考える切っ掛けになるのだと思います。そしてただ現地に行って、子供たちと接しているだけでは疑問に思うことにならず、いろいろな方向へ自らアンテナを張り、情報を受け止めることで疑問は湧き上がってくるのだと思いました。

当初は不安だらけの3週間でしたが、ともに過ごしたチームの友達に恵まれたことや現地のことをよく知り、様々な配慮を図ってくださった運営者の方のおかげで、とても有意義な3週間を過ごせたと思います。この期間に考えたこと、感じたことを忘れずに、今後に生かしていきたいと思います。

 

Communication

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奥原 由真さん
信州大学教育学部4年
イギリス・2013年9月参加


今回の、海外での3週間の滞在、ホームステイ、語学学校、海外の小学校訪問は私にとって初めての経験でした。初めてのことだらけの今回のインターンでは「コミュニケーション」について多くのことを考えさせられました。

まずは、コミュニケーションにおける「言葉」についてです。英語のリスニング、スピーキングが特に苦手だった私は、3週間の滞在で最初に「言葉の壁」にぶつかりました。英語は日本でもある程度準備はしていったつもりでしたが、実際現地の方と会話をすると、ネイティブのスピードには全くついていけませんでした。そんな自分に、始めは強い挫折感を受け、現地の方と関わることに不安を感じたこともありました。それでも、英語でのコミュニケーションは日本ではなかなか経験できないと思い、この3週間は積極的に英語を使ってコミュニケーションを行おうと心に決めて取り組みました。わからない単語を事前に調べて会話の中で使ったり、言葉だけでなく、ジェスチャーや物を使ったりするなど、自分なりに工夫して会話をするようにしました。また、学校で日本文化を伝える際も、実物を見せたり、パワーポイントで映像に映したりして紹介することを心がけました。そうすることで、自分の考えや思いをわかりやすく表現でき、相手としても受け取りやすかったようで、スムーズな意思疎通ができたように思います。日本では、言葉を使って容易にコミュニケーションができてしまいます。しかし、日本語が通じない国で生活することで初めて、自分が今までコミュニケーションの仕方に工夫をしていなかったことに気づきました。言葉が伝わらない、伝わるに関係なく、「いかにわかりやすい伝え方をするか」ということが楽しく人とコミュニケーションすることの鍵だと学びました。体全体やモノを使うことはもちろん、言葉の中でもわかりやすい簡単な言葉を使ったり、ゆっくり話したりというように、考えればたくさんの工夫があります。私は今後、教師として働きたいと思っているのでそういった面でも、非常に興味深いことで、日々考えていきたい課題となりました。また、自分の気持ちや考えを伝えたい、発信したい、といった強い気持ちも、コミュニケーションにおいては大切だと学びました。私も、「英語を使って現地の人と話したい!」という気持ちがあったから、工夫のアイディアが浮かんだし、ホストファミリーや現地の方も親身に私の拙い英語を聞き取ろうとしてくれたのだと思います。英語を使って少しでもコミュニケーションができると、嬉しくてもっと頑張ろう!と高いモチベーションを持ち続けられました。そして、これまで言葉のみに頼るべきではないと書きましたが、言語能力が高い方が確実に密度の濃いコミュニケーションができるとも感じました。実際生活してみて、もっと英語ができればもっと深い話ができたのにな、と思うことが度々ありました。多くの人と関わるためにも、世界共通語としての英語をより確実なものにしていきたいです。

また、「文化」の発信はコミュニケーションのひとつのツールになると学びました。今回のインターンでは3校の小学校で日本文化を伝える活動をさせて頂きました。自分でも、ホストファミリーに日本のお土産や食べ物を紹介し「日本文化」を発信することに重きを置いて活動してきました。そのように活動する中で、文化をただ紹介するだけでなく、実物を見て、実際に体験することが よいコミュニケーションになるのだと思いました。小学校のインターンでも、折り紙、書道、そしてカルタを紹介し、子どもたちが実際に折り紙でかぶとを折ったり、筆や墨を使って漢字を書いたり、自分のカルタを作ったりといった実物や道具を使って作品を作るという活動ができたからこそ充実したものになったのではないかと感じます。そういった活動の中で、先生や子どもと会話をしたり、子どもたちには発音を直してもらったり(笑)と様々な関わりがありました。また、ホストファミリーには最終日、お礼に持参した浴衣を着せてあげました。浴衣を着せながら、なんで日本で浴衣が着られるのか等、浴衣を媒介に会話が弾みました。「文化の発信」は文化の紹介だけでなく、体験しながら交流を深めることができるとてもよい活動だったと思います。文化の違いは、日本と外国人という大きな括りのみならず、日本の中でもたくさんの文化が存在します。地域はもちろん家庭ごとにもそれぞれの文化を持っているのではないでしょうか。そんな文化の違いを話したり、家庭料理を作って食べてもらうといった体験をしたりして、身近な人とも簡単に楽しい関わりができるのだと、改めて気付くことができました。

(略)

今回の3週間で得た経験を今後に生かしながら、これからも英語の勉強に励み、多くの人との関わりを通してさらに精進していきたいと思います。

 

いかにシンプルで分かりやすく伝えるかが大切

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相川恵理さん
広島市立大学国際学部2年
イギリス・2012年9月参加


今回フロムジャパンのプログラムに参加した目的は、外国という地で日本文化を伝える授業をすることでコミュニケーション力と人前で話す度胸をつけることと、英語力を伸ばすということでした。以前外国でホームスティをした際、日本文化を紹介したらとても喜ばれ、日本文化がいかに誇れるものであるかを感じました。そのころからもっと外国の人々に日本の文化を知ってほしいという思いがあり、今回のこのプログラムに参加できたことをとても嬉しく思いました。

また、英語はもともと好きで大学でも英語を学んでいますが、なかなか実践的な英語学習の機会が少なく、本物の英語に触れて英語でコミュニケーションをとることができるようになりたいと思いました。私は人前で話すのが得意ではないですが、事前の準備をしっかりとしたため、思いのほか堂々と授業をすることができました。実際に授業をする前に語学学校で、模擬授業をして授業で使われる英語を教えていただいたり、授業を進める段取りや時間配分や役割分担を決めたり、必要な道具の準備をしたりできたのでとても有意義な時間となりました。

人前で何かを伝えるためには、分かりやすく、聞いている人を退屈にさせないように人を惹きつけなければなりません。そのようなことを意識しつつ、実際に小学校で授業をしてみて、子どもたちの興味深々な視線を感じつつ授業を進めることができ、人前で話す自信が持てました。子どもたちの話す英語は私たちにとって聞き取るのがとても難しいのですが、ゆっくり話したり、目を見てジェスチャーをしながら話したりしてコミュニケーションもとれたと思います。大学でもプレゼンテーションをしなければならない機会が多くありますが、その手助けとなる経験ができました。

そしてもう一つの目的である英語ですが、英語を使う機会は自分次第でいくらでも広げられました。小学校での授業だけでなく、語学学校で友達を作って話したり、ホームスティ先のホストファミリーと話したりすることができます。イギリスに行く前は多少は聞き取れるだろうと思っていましたが、実際に初めてイギリスについたとき自分の英語の聞き取れなさにショックを受けたのを覚えています。日本で聞く英語ではなく現地の人々の早い英語に全くついていけませんでした。しかし徐々に耳が慣れていき、最後は多少聞き取りやすくなりました。今回のインターンでは日本人の学生と過ごすことが多かったため、あまり英語を話す機会は少なかったのでもっと自分から積極的に英語を話す機会を増やしていけばよかったと思いました。ただ、イタリアの子や韓国の子と友達になることができ、英語を話すきっかけを作ることができたのはよかったです。子どもたちに授業してみても思ったのですが、英語は難しい単語や表現をしようとせずに、いかにシンプルで分かりやすく伝えるかが大切だと気づきました。そしてこのプログラムに参加したことで、今後の英語学習のモチベーションとなりました。

私が印象に残っている活動はかるた作りとフェアトレードタウン調査です。かるた作りは日本文化紹介の中で最も大変な活動でしたが、今までしたことのない取り組みでとてもおもしろかったです。郷土かるたは子どもたちが自分の住んでいる街のことを知る良いきっかけになったと思います。今回訪れた街は都会ではなかったのですが、歴史があり、調べればたくさんの素晴らしい場所やものがありました。子どもたちが学ぶことができたのはもちろんのこと、私自身も自分が訪れた場所を知る良い機会となりました。かるたと自分の暮らしている街をリンクさせて自分たち自身のかるたをつくることで、日本文化と外国の街を上手く融合させることができた活動だと思います。最初にかるたゲームをしたのでかるたの面白さを子どもたちが知って自分たちで作ることができるということに喜んでくれたのが嬉しかったです。かるたは絵が得意な子もいれば文章がうまい子もいて子どもたちの個性が非常に出ていました。一方でそれらが苦手な子にアドバイスするのが難しかったです。また終わらせる速さが違うのでその子どもたちの対応を考えるのも大切でした。

そしてフェアトレードタウンについて調査をしましたが、日本にいたころはフェアトレードを意識することはありませんでした。むしろ聞いたことがある程度で詳しくは知りませんでした。だから私が訪れた街全体がフェアトレードタウンと称されていることに驚きました。スーパーマーケットにはたくさんのフェアトレード商品が並べられており、店員の方も店にフェアトレード商品がどのくらいおいてあるかは把握されていました。しかし、街がフェアトレードタウンだということを知っていらっしゃる方はほとんどおらず、課題はフェアトレードの認知度をいかにあげるかだと感じました。さらにフェアトレードの商品の質の向上も課題としてあげられていました。またタミーさんにお話しを伺って、わざわざ現地にいかなくても商品を買うだけでその人々を救うことができるということに感銘を受けました。貧困をなくしたいけど、何をしたらいいか分からないという思いを抱えている人はたくさんいると思います。フェアトレード商品を買うという普通の消費行動が貧困で苦しんでいる人を救うことができるなんで本当に素晴らしい活動だと思いました。広島に帰って、この地で何かフェアトレードに貢献できたらいいなと思います。

英国コミュニティインターンでは現地の教育を学ぶことも学ぶことができました。日本の小学校と比較するとさまざまな違いが見られました。一番印象に残ったのはイギリスの小学校は多国籍な子どもたちが一緒に授業を受けているということです。初めに訪問した小学校にはさまざまな国の子どもたちがいて、驚くことに英語ができない子どももいました。日本の学校には日本人の子どもたちがほとんどです。イギリスのような環境で育つと多様な価値観を受け入れやすいのではないかと思いました。そのせいかいじめ防止のため子どもたちは休み時間は必ず先生の監視のもと、外で遊ばなければなりませんでした。私の印象では子どもたちは管理下に置かれていて教室での居場所があまりないと思いました。日本でもいじめが問題となっていますが、先生の子どもたちへの注意力がもっと必要ではないかと感じました。ほかにも教室の机の配置や装飾物も日本とは異なっていました。日本の教室は机が全員前を向いて並んでいますがイギリスはもともグループに分けられていました。このスタイルは非常にいいと思いました。日本でもグループワークというものが重視されていますが教室の雰囲気から変えるといいと思います。また教室の装飾もとても明るく、絵や図が重視されていました。またイギリスの小学校には掃除の時間というものがありません。イギリスのバスや道路はごみがよく捨てられていました。そして掃除専門の人がそのごみを集めていました。日本人は本当に清潔でイギリスのごみ問題は学校教育の掃除に対する考え方の違いからきているのではないかと思いました。

英国コミュニティインターンに参加してたくさんのことを学び、たくさんの素晴らしい仲間と出会うことができました。イギリスの小学校で授業をするなんで一生に一度の経験かもしれません。本当に参加してよかったです。