英国インターン感想

machidamiki      
町山美樹さん
学習院女子大学国際交流学部4年
イギリス・2013年9月参加


「イギリスで日本文化紹介」と書かれていたプログラムは、文化交流を通して国家の友好を深めたいと昔から思っていた私にはピッタリのプログラムであった。卒業までには留学をして、ホームステイを経験すると決めていたが、大抵の語学留学は午前が授業で午後は休みというのが多く、これでは遊学になると思い、もっと自分自身が成長できるプログラムを探した結果、この英国インターンを選んだ。最初はなぜ「インターン」というのか理解できず、ボランティアだと思い参加したが、一週間の研修期間を終えて活動が始まったら「インターン」という意味を理解した。


*やったこと

私たち全国から集まった9人は事前に3人一組に振り分けられ、1週目の研修期間を利用して、授業をつくりあげていった。マニュアルを参考にしながら、こどもに何を教えたらいいのか、どう教えればいいのか、授業の流れはどうすればいいのか、時間配分はどうするか、どう表現をすれば見やすいかなど意見を出し合いながら話し合った。2週目から授業が始まってからも、前日の夜に集まって練習をしたり、授業後は毎回反省会を開き、自分の感想や改善点などといった意見を交換し合った。この場では学年関係なく自由に意見を言うことができる。このような誰もが平等に意見を言い合える場はとても貴重であったと思う。私にとって、この意見を出し合える時間は入社前の良い練習になれたと思う。
2週目からは、朝早くから学校に到着し、授業の準備を始める。午前の授業が終われば、子どもと一緒に給食を食べることができた。イギリスの小学校の給食を食べるということは普段では絶対にできないとても貴重なことだと思う。ここでは日本との学校教育の違いを間近でみることができた。また、イギリスの食文化を知ることができた。給食後は午後の授業が始まり、授業後は反省会、次の日の準備を行って家に帰るという流れになる。帰宅後はホストファミリーや一緒に住んでいる留学生とそろって夕食をとり、たくさん英語を使ってお話をすることができた。私は留学生との相部屋を選んだため、夕飯の時間以外でもお話をすることができた。また留学生がよく集まるパブに連れてってくれたり、他の留学生とも友達になることができた。活動で朝早くでることが多く、迷惑をかけたが、協力的なルームメイトだったので、問題なく3週間を過ごせた。
週末はインターンと一緒にロンドンやオックスフォードなどの旅行も楽しめた。


*学んだこと

私は人見知りをするし、チーム活動の経験があまりないので、ちゃんとやれるのか最初はとても不安だった。だが、私たちはすぐに仲良くなることができて、学年が違っていても敬語を使わず、友達だったかのように交流することができた。毎晩夜遅くに集まって次の日の練習なども行ったが、これもなかなか楽しい経験であった。折り紙を教えあったり、授業に必要なものを作ったり、みんなで心を合わせて「よい授業にしていこう」という目標に向かって活動をしたので、インターンの間には特別な絆が生まれたと思う。

このインターンで一番学んだことはチーム活動の大切さである。チームで活動をすると、アイディアは人数分に増え、一人で思いつかなかった部分をカバーしてくれる。一人では気づかなかったこともチームで動けば気づいてくれる。つまりチーム活動は各自の長所を発揮し、お互いの短所を補っているので、活動がうまくいける。またチーム活動ではお互い協力しあうことが必然となる。そこで協力し合うことの大切さと協力してくれるありがたさを知ることができた。協力し合うことはそう簡単なことではない。チーム内のコミュニケーションが大切であることをこのインターンで実感することができた。例えば、折り紙の授業で他の人のペースを気にせず自分のペースで教えていたら各グループの進行に大きな差ができてしまったり、書道の配布物で事前のコミュニケーション不足による勘違いで3人が別々の物も配ったりすることもよくあった。

私は就活を終えてからこのプログラムに参加したが、就活前に参加していればよかったとつくづく思っている。何故なら、半年間の就活を通して、企業はチーム力を大事にしていることがわかった。また、このチーム活動は日本企業の特徴でもあり、仕事するのに当たって欠かせない能力だということを知った。エントリーシートや面接でチーム活動について聞かれることが度々あった。エントリーシートを添削してもらうときもよく「個人のことしか書いてない」と先生や先輩に言われていた。私は今までチーム行動の経験がなく、チーム力についてアピールできるところがなかった。私のエントリーシートの通過率が低かったのもこれが原因の一つであったと思っている。もしこのプログラムに参加していたら、もっとエントリーシートや面接で満足のできる自己アピールができたと思う。就活が終わった後に参加しても、私はこの活動を入社前の練習になれると思った。子供たちを顧客だと考え、顧客を満足させるためにミーティングをし、企画をするということをイメージしながら活動した。今まで団体で企画活動を行う経験が全くなかった私にとっては、この活動を参加することによって、中間テスップを踏めたと思う。これから企業で行う企画や団体活動をやっていけるという自信がついた。

そして、このプログラムは様々な学校を訪問し、様々な学年に授業を行うため、その学校の文化、学年によって授業内容や教え方を変えなければならなかった。また、何が起こすかわからない小学生を相手にするため、臨機応変に対応をしなければならなかった。一つ一つのことに寄り添って考えることや臨機応変に物事を対応する能力は社会でもかなり求められる能力であると思うので、これらも練習することができたと思う。

また、今回は日本文化を伝えるということで、折り紙、書道、かるたを教えた。私にとって、最初は一番馴染みがなかったのはカルタである。何故なら、カルタは子供の時に遊んだのみで、大人になってからはやる機会がなくなっていた。だが、カルタを紹介することによって、カルタは言語を学習するにあったて大変良い遊びだということに気付いた。更に、カルタは他の国にない日本独自の文化であることにも気づいた。1日間に渡り子供に英国史のカルタ作りの指示を行ってきたが、カルタ作りによって子供たちは楽しんだだけでなく、英国史への理解を深めることもでき、更にカルタの素晴らしさに気付くことができた。この活動に参加することによって、改めて日本の文化について考えることができた。
この活動では、日本では絶対に学べない英語表現を学ぶことが出来る他、観光や留学では絶対に行くことが出来ない学校や地域に行くことが出来る。学校の中では現地の学校教育はもちろん、生活文化、食文化、家族観、労働、ジェンダーなどと様々な視点をたったの3週間で日本との違いを見つけることが出来、考えさせられる。

勉強になることがたくさんある一方、子どもと接する時間がなんと言っても一番楽しかった。こどもと英語で話すことはかなりの難関であったが、ここで必要なのは言語力よりもコミュニケーション料理が求められると思う。こどもはかなり人懐っこく、授業を通してすぐに仲良くなれた。授業以外にこどもとランチを食べることが出来た。担当しなかったクラスの学生にも囲まれて、恋話や文化の違いなどについてたくさん話すことが出来た。こどもと話すことはとてもいいリスニングのトレーニングになるし、コミュニケーション力を養うことができる。学校の中で歩いていると、私たちが教えた「こんにちは」で挨拶してくれたり、最後には日本語で「ありがとう」と言ってくれたことが一番嬉しかった。

この英国インターンは毎日忙しく、ハードな日々であったが、留学、旅行では絶対にできないことを経験することができ、毎日充実し有意義な3週間を過ごすことができると思う。

 

文化交流の理論と実践を通して学んだこと

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岩井理江さん
同志社大学法学部
イギリス・2013年2月参加


みなさんは「文化交流」というキーワードからどんなことを連想しますか。異なる文化集団が互いを知るための友好親善、華やかで楽しいイメージを抱くでしょうか。それとも異なる文化集団が互いに反感や嫌悪感を持つ、暗いイメージを抱くでしょうか。おそらく、多くの人が文化交流と聞けば、前者のようなイメージを持つのではないかと思います。私自身も、いつからとなくそんなイメージを抱いていました。また留学生との交流等、自分の体験からもそう思うことができました。しかし私は、文化交流が必ずしも異なる文化集団の双方にとって、プラスの働きをするものではないことも専攻の国際政治学を通して学びました。

文化交流の定義は非常に広いですが、一般的には【異なる文化集団が意識的に(ある目的を持って)文化を交流し合うこと】を指すことが多いようです。それには政府が主体となって行うものもあれば、NPOなど民間の組織が行うものもあります。今回のコミュニティ・インターンは、この定義に基づく文化交流であったと認識しています。文化「交流」ではなく、文化「紹介」であったということもできるかもしれませんが、私自身はできるだけ、一方的な「紹介」ではなく、「交流」になるように努めました。

話を元に戻しますが、「文化交流の結果として当事者間に信頼や友好を築くことができるのか」というのが私の問題意識でした。そして2週間、イギリスの学校で日本文化を伝え終え、感じた答えはYESです。もちろん、宗教的・政治的に全く相容れない文化を持つ者同士、歴史的に対立し続けてきた者同士であることは、文化交流がプラス要素として働く可能性を低くするかもしれません。日本とイギリスがそのような関係にないことも明らかです。しかしそうしたことを考慮に入れても、文化交流が当事者双方にとって、良い影響を与える得るものであると、一般化して言えるのではないかということを感じたのです。その成功のヒントは、先にも触れたように自国の文化を一方的に紹介するのではなく、自分たちも相手国の文化を知ろうとすること、【双方向的な交流】にあると感じます。

その例として良いと思った活動が「カルタ」です。カルタ自体は日本の文化ですが、今回の活動で用いたカルタは「My Thanet Karuta」―イギリスで初めて創られた郷土カルタ―です。「郷土カルタ」は、すべての読み句がその地域のことに関する句になっています。つまり、「My Thanet Karuta」は、訪問先であるサネット地域専用カルタです。子供たちはいったん遊び方を覚えると、とても楽しそうに取り組んでくれました。「この遊び最高だよ!」、「もう一回やりたい!」、「Karuta!」という元気な声が聞こえてきました。地域で開催したカルタ大会では、絵札にアルファベットが記載されていないカードを使うことになり、読み札の内容と絵を必死に暗記しようとする子供たちの姿があちこちで見られました。そしていつになく、真剣にゲームに臨んでくれました。

帰国後私は、なぜ、これほどまでに子供たちがカルタに夢中になってくれたのかということを考えてみました。そしてその答えとして、「My Thanet Karuta」に【双方向的な交流】があるからだと考えたのです。これはフロムジャパンが長い月日をかけて現地の人と協力して作ったもので、私たち第6回インターンが直接制作に携わったわけではありません。しかし、その制作の過程にはフロムジャパンとサネットの双方向的な交流がたくさん詰まっていたと思います。カルタの題材を選ぶために地域を歩き回り、現地の人からサネットについて教えて頂くなど、イギリスの小さな街に日本人が密着することで最終的にこのカルタが完成したのです。またカルタ遊びをするなかで、私たちもサネットについて学ぶことができます。時には子供たちから、題材となった場所の話を聞けます。さらに私たちは、題材場所をいくつか訪れ、実際にサネットの街の雰囲気を感じることもしました。
このように、郷土カルタを通じた活動は、単に日本文化だけを紹介しようとするものではなく、「私たちがサネットから学ぶ」機会を含むものです。そのため、お互いがお互いを知ることができ、交流が生まれます。自分たちの文化を相対化して見ることができます。帰国して思うのは、もっと積極的にサネット地域について勉強すればよかったな、日本文化を伝えるだけでなく、子供たちともっとサネットの話をする時間をとりたかったなということです。活動中は、自分たちのプレゼンや教えることで精いっぱいで、なかなかできなかったというのが正直なところです。しかしその中でも私は、生活の中で日本との違いを見つけそれを受け入れたり、現地の人と話をし、イギリスとサネットについて学ぶ努力をしました。そうすることが、日本文化を伝える際にも必ず役立つと思うのです。

また先にも述べたように、カルタの制作には地域のこどもからお年寄りまで様々な年代の人が関わっていました。そのため、採用された読み句と絵札の制作者を表彰する式では、地域が一体となってカルタの完成を喜びました。その時、この活動は文化交流という域を超えてサネット地域の「まちづくり」にも貢献しているということを学びました。たとえ異なる文化を持つ集団であっても(だからこそ)、もう一方の文化集団に対して文化的・社会的な貢献ができるということ実感したのです。

実は国際政治学において、文化交流が一方通行的ではなく【双方向】的に行われるべきだという議論があります。日本政府のもとで行われてきた文化交流は、長い間自国の文化を一方的に紹介しようとするものでした。近年、双方向的な活動を重視しようとする声もありますが、実態としてはまだまだです。そのため、フロムジャパンが提供するこのプログラムは非常に興味深いものだと感じました。このプログラムに関心を持つ人は、教育学部の人が多いかもしれませんが、文化交流という視点からも楽しむことができるプログラムです。私は文化交流が国際関係にプラスの影響を与えることを実感し、そのより効果的な方法についても見つけることができました。気になった人は是非参加してみてください。

Communication

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奥原 由真さん
信州大学教育学部4年
イギリス・2013年9月参加


今回の、海外での3週間の滞在、ホームステイ、語学学校、海外の小学校訪問は私にとって初めての経験でした。初めてのことだらけの今回のインターンでは「コミュニケーション」について多くのことを考えさせられました。

まずは、コミュニケーションにおける「言葉」についてです。英語のリスニング、スピーキングが特に苦手だった私は、3週間の滞在で最初に「言葉の壁」にぶつかりました。英語は日本でもある程度準備はしていったつもりでしたが、実際現地の方と会話をすると、ネイティブのスピードには全くついていけませんでした。そんな自分に、始めは強い挫折感を受け、現地の方と関わることに不安を感じたこともありました。それでも、英語でのコミュニケーションは日本ではなかなか経験できないと思い、この3週間は積極的に英語を使ってコミュニケーションを行おうと心に決めて取り組みました。わからない単語を事前に調べて会話の中で使ったり、言葉だけでなく、ジェスチャーや物を使ったりするなど、自分なりに工夫して会話をするようにしました。また、学校で日本文化を伝える際も、実物を見せたり、パワーポイントで映像に映したりして紹介することを心がけました。そうすることで、自分の考えや思いをわかりやすく表現でき、相手としても受け取りやすかったようで、スムーズな意思疎通ができたように思います。日本では、言葉を使って容易にコミュニケーションができてしまいます。しかし、日本語が通じない国で生活することで初めて、自分が今までコミュニケーションの仕方に工夫をしていなかったことに気づきました。言葉が伝わらない、伝わるに関係なく、「いかにわかりやすい伝え方をするか」ということが楽しく人とコミュニケーションすることの鍵だと学びました。体全体やモノを使うことはもちろん、言葉の中でもわかりやすい簡単な言葉を使ったり、ゆっくり話したりというように、考えればたくさんの工夫があります。私は今後、教師として働きたいと思っているのでそういった面でも、非常に興味深いことで、日々考えていきたい課題となりました。また、自分の気持ちや考えを伝えたい、発信したい、といった強い気持ちも、コミュニケーションにおいては大切だと学びました。私も、「英語を使って現地の人と話したい!」という気持ちがあったから、工夫のアイディアが浮かんだし、ホストファミリーや現地の方も親身に私の拙い英語を聞き取ろうとしてくれたのだと思います。英語を使って少しでもコミュニケーションができると、嬉しくてもっと頑張ろう!と高いモチベーションを持ち続けられました。そして、これまで言葉のみに頼るべきではないと書きましたが、言語能力が高い方が確実に密度の濃いコミュニケーションができるとも感じました。実際生活してみて、もっと英語ができればもっと深い話ができたのにな、と思うことが度々ありました。多くの人と関わるためにも、世界共通語としての英語をより確実なものにしていきたいです。

また、「文化」の発信はコミュニケーションのひとつのツールになると学びました。今回のインターンでは3校の小学校で日本文化を伝える活動をさせて頂きました。自分でも、ホストファミリーに日本のお土産や食べ物を紹介し「日本文化」を発信することに重きを置いて活動してきました。そのように活動する中で、文化をただ紹介するだけでなく、実物を見て、実際に体験することが よいコミュニケーションになるのだと思いました。小学校のインターンでも、折り紙、書道、そしてカルタを紹介し、子どもたちが実際に折り紙でかぶとを折ったり、筆や墨を使って漢字を書いたり、自分のカルタを作ったりといった実物や道具を使って作品を作るという活動ができたからこそ充実したものになったのではないかと感じます。そういった活動の中で、先生や子どもと会話をしたり、子どもたちには発音を直してもらったり(笑)と様々な関わりがありました。また、ホストファミリーには最終日、お礼に持参した浴衣を着せてあげました。浴衣を着せながら、なんで日本で浴衣が着られるのか等、浴衣を媒介に会話が弾みました。「文化の発信」は文化の紹介だけでなく、体験しながら交流を深めることができるとてもよい活動だったと思います。文化の違いは、日本と外国人という大きな括りのみならず、日本の中でもたくさんの文化が存在します。地域はもちろん家庭ごとにもそれぞれの文化を持っているのではないでしょうか。そんな文化の違いを話したり、家庭料理を作って食べてもらうといった体験をしたりして、身近な人とも簡単に楽しい関わりができるのだと、改めて気付くことができました。

(略)

今回の3週間で得た経験を今後に生かしながら、これからも英語の勉強に励み、多くの人との関わりを通してさらに精進していきたいと思います。

 

私のイギリス体験記

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堀田真司さん
中京大学法学部4年
イギリス・2012年2月参加


海外に行くのは初めてだし、そもそも飛行機に乗ったことがない。教職を目指している訳でもないので、授業なんてしたこともやり方も分からない。英語だって受験以外で使ったこともないし、私にとって初めて尽くしの参加となった。だから全ての事が新鮮で、どんな些細な事でも感情を揺さぶられ、鉛筆が倒れるだけで笑ってしまう思春期の子供の様に、条件反射的に「スゲェ!!」としか言っていなかった様に思う。イギリス風に言えば「Brilliant !!」。やたらBrilliantを多用する同参加者の彼の発音が耳に残って離れないが、彼も私と同じ気持ちだったのだろうか。

と、まあ、そんな人間が正に今、体験談として作文を書く訳だが、書きたい事が多過ぎて上手く文章に纏まらない。まだ1日1話形式で3週間分仕上げるとか本1冊分とかの方が気分的には遥かに楽である。つまり何が言いたいかと言うと、それだけ充実した語り尽くせない3週間だったという事だ。とある参加者の言い回しを借りて表現するなら「ムッッッチャ!楽しかったわぁ!!」といった所だ。私は愛知だから「どえりゃぁ楽しかったが」とでも言おうか。そう、参加メンバーも北は北海道から南は沖縄まで取り揃っており、世界の広さよりもまず、日本の広さを再認識させられたインターンだった。一部の人しか分からないであろう「しんがーそんぐりゃーたー」という言葉が生まれた方言談義も良い思い出だ。

・・・・・・・。
いかん・・・。全然イギリスの事に触れずに、話題が出国しないまま話が進みそうだ。分量は問わないって言われてはいるけど、イギリスと関係ない話で1、2ページはイケそうである、これは不味い。話題がイギリスになったらもっと長くなるのでは? という訳で、これから以下の3点に絞り、且つその中でも事柄をピックアップして述べよう。①ホームステイ先での事 ②学校での活動 ③休日の過ごし方
体験談集に載せるとの事なので、分量は控え目で参考になる内容になる様に心掛ける。


① ホームステイ先での事
まずはざっくりと。私が過ごした家は、若い夫婦に犬、そして生後間もない女の子という家族構成。そして初めの1週間はアルゼンチンからの留学生(21)と同じ部屋で過ごした。門限がある家もあった様だが、私の所は自由で、時間を気にせず毎晩パブに出掛ける事が出来た。ご飯は時間を伝えれば何時でも作って貰えたし(育児で食事時間が不規則だからかもしれないが)、シャワーも何時でも良いという事だった(中には風呂に浸かれるという贅沢な家もあった様)。他の家もそうだが、洗濯物は溜め込んで一気に洗う方針。私の所の基準は“洗濯籠が一杯になったら”。なので、ある程度の量と嵩張る衣服(防寒、乾き易いという側面からもフリース素材の物がベスト)があると良い。ネット環境にあったので持参したパソコンは無駄にはならなかった。(私は無料で使わせて貰ったが、家によっては料金を払う場合も)しかし、これは幸運な例でネット環境でないことを前提に準備をした方が良いかもしれない。が、街には意外とWi-Fi環境があるのでスマホは活躍するかもしれない。

そんな家で3週間過ごした訳だが、まず一番良かったのがルームメイトの存在。勿論、気が合う合わないによって良し悪しが変わる訳だが、幸いにも直ぐに打ち解け、家に着いてから就寝までの3時間ずっと喋りっぱなしだった。その後も毎日、折り紙や紙芝居の授業の練習相手になって貰ったり、パブに出掛けたりとイギリスでの生活をより楽しい充実したものにしてくれた。なので、ギャンブルする気で事前のアンケートのルームメイト可の欄に記入する事を私はお勧めする。同室というのは本当に話すネタに事欠かないし、会話能力が格段に上がる(私の場合は元々のレベルが低すぎたのかもしれないが)。

また、ファミリーと会話する上で重要なのはジェスチャーだ。特に日常生活でとっさに出てこない時は重要。私なんかは慣れるまで殆どジェスチャーで会話をしていた。口に出すのはIとかYouとかくらいのもので、その内に向こうもジェスチャーだけで会話し出すから、はたから見るとパントマイム状態である。しかし、下手な英語よりも通じるから馬鹿に出来ない。勿論話せるに越したことはないが、まあ、何とかなるもんだね、という事を述べておく。ただし、家の外でやるのはお勧め出来ない。間違いなく変な奴に認定されてしまうから。

2週目にホストファザーの誕生パーティーがあり、親戚を招いてのどんちゃん騒ぎになった。事前に伝えるというサービスは残念ながら無いらしく、「あれ?何時まで経っても帰ってこない」と途方に暮れていた所に「今夜はパーティーだぜ!ヒャッホウ!!俺の誕生日なんだぜ?フゥーー!!」というテンションで帰宅。というより、玄関を開けた瞬間がパーティー開始の合図というテンションの上がり方。そういうサプライズがあるかも知れないので、普段の動向には気を付けるべきである(言われてみれば冷蔵庫の中に謎の色のケーキ?が買ってきてあった様な、お菓子のストックが増えていた様な、キッチンにロウソクが転がっていた様な・・・という程度)。私は日本から持ってきていた使い捨てカイロをプレゼントしたが(突然だったので苦肉の策)、案の定カイロを知らなかったので、日本の防寒具だと説明しておいた(仕組みはジェスチャーとAir make it hot という頭の悪そうな英語で通じてしまった)。カイロの実演販売の様な事をさせられて、しかもその後もずっとそれで盛り上がるという驚愕の展開を見せたので、意外とウケは良いのかもしれない(「キャシー、それは何だい?」『あらジョン。日本の防寒具でカイロっていうのよ。使い方は簡単、袋から取り出すだけよ』「そいつは便利だね」『しかもこれはシールタイプなのよ!』「な、何だってーー!?」みたいなノリの説明。初めは一人でやる→後で何故かノリノリになった皆でやる)。
帰国時には折り紙でハート形のスタンドを作り、メッセージを挟んでさり気無く置いて去るという演出・・・をするつもりだったが、別れる直前に発見されてしまい計画失敗。まあ、形はどうあれ感謝の気持ちを伝えることはやっておいて損はないはず。


② 学校での活動
日本文化を紹介するという名目の活動だったが、私は紹介の仕方に2通りあると考えていた。1つは折り紙や書道体験といった子供達と一体となってする活動。もう1つは紙芝居や日本文化カルタにおける文化紹介などの、こちらから発信するだけの体験を伴わない活動(紙芝居は子供達にやらせたチームもあった様だが)。偉そうな事を言える立場では無いが、後者よりも前者のクオリティが高かった様に思う。要因としては教職を志望する参加者が多く居たり、個々の工夫のお陰で、全体として授業内容のレベルアップが図れたが、後者のレベルアップに関してはスペシャリストの存在が不可欠だ、という事が挙げられる。前者の肝は“共感”、後者は“魅せる”。それぞれの観点を重視して授業をする訳だが、後者の場合、寄せ集めの人材では中々それも難しい。現段階で出来る事は、もし“魅せる”特技を持った参加者がいれば、それ中心に内容を組み替える事をするという程度だろう(実際にあった例としては日本舞踊や空手など?)。
それでもスペシャリストでない私達が“魅せる”工夫としては、とにかく練習量が物を言う。私のチームでの紙芝居を例にして少し記しておく。そもそも、紙芝居は子供達の創造力を働かせる様に読むものだが、日本文化という背景を持っていないイギリスの子供達には難しい。そこで、通常と違い子供達の想像を誘導させる様に、寸劇の様に紙芝居を行った。良いか悪いかはともかくとして、そういう配慮も必要かもしれないという事だ。そして声色や捲るタイミング等、読み合わせを何度も繰り返し練習し、夜も集まって練習した(主に私が未熟な所為で、そしてチームメイトはスパルタだった)。学校への道中も練習していた。とにかくその位の情熱をもって臨んで、初めて子供達に魅せる事が出来るという事を言いたい。

カルタゲームや折り紙等の“共感させる”授業は子供達と一緒に楽しむ気持ちで臨んだら良いと思う。が、楽しむ為にも準備はしっかりとした方が良い。とにかく準備だ。

今回、朝礼やイベントで歌の発表をもって日本紹介をした。そこでは“共感”と“魅せる”2つの要素を混ぜた訳だが(身振りを交えた歌と、純粋に歌って聞かせる日本らしさを重視した歌の2曲を発表)、個人的に小細工抜きにした“魅せる”事に特化した歌の発表というのもしてみたかった。つまりは本気で練習して日本らしさを前面に出した歌である。残念ながら、私はもう参加出来そうにないので、これを読んだ次回以降の人に託したい。しかし、動きを交えた発表もそれはそれで良いので、と悩ませる様な事も言っておく。

あと、子供達は早口なので聞き取るのが非常に大変であった。事前に訓練できるものかどうかは分からないが、覚悟くらいはしておくべきかもしれない。そして、体調にはくれぐれも気をつけて(最後に私の喉が潰れてチームメイトに多大な迷惑を掛けてしまった。済みませんでした)。


③ 休日の過ごし方
休日の事を語る前に、この書き言葉を何とかしなければならない。何故ならば私にとって休日とは、全力をもってして遊び倒すものであり、その魅力的な日の事を書き表すのに、こんな堅苦しい語り口の言葉使いは相応しくないからである。

と、言う訳で。こっからはフリーな感じで、感情込めて、臨場感たっぷりに描かせて貰う!あぁ~、最初からこんな感じで書けば良かった!!楽だわぁ。 まず休日に出来る事!もう、何でも出来るわ!!ルームメイトは3日くらい家帰らずにスコットランド行ってたし、ユーロスター乗ってフランス行った人もいるし、自由度はかなり高いと言って良いです。カンタベリ大聖堂が結構近くにあったんだけど、後になって思えば自転車で行けるね、アレ。語学学校で自転車が借りれるみたいだから、体動かしたい人にオススメ。あと、電車のチケットは4人1組で買うと半額?になるよ。3人でも4人分買えば結果安くなるから良いんでないかな。
さて、ロンドンとかリーズ城とかドーバーとか、皆色んなとこに行ったみたいだけど、折角だから他の人が書かなさそうな場所を書いておこう。ずばりハートフィールド。なぜ他の人が書かなさそうかと言うと、僕ともう1人しか行っていないからだ。・・・逆に被りそうな気がしてきたけど。どんな所かと言うと、ザ・自然!という感じの場所。なんでもクマのプーさんの生まれ故郷で、ディズニーに身売りされて働くようになるまで、制服の赤いTシャツを着る事もなく転がり遊んでいた場所だとか。片道3時間で、散策するのには1日かけても足らない様な大自然。日帰りはキツイけど頑張ったぜ!という行動力と体力が試されるスポット。だから皆行かないのさ・・・。実際すごく疲れたしね。魅力としては「とりあえず行ってみ?」としか言い様が無い程大迫力の自然が広がっていて、感動の全てを伝えようにも言葉にも写真にも表し切れぬ!といったところ。プーさんが好きな人は是非行ってみて下さい。そしてプーさん達の家を探そう!←重要

もう1つ近場で。マーゲートにシェル・グロットっていう貝で出来た洞窟みたいな所があるんだけど、圧巻!もう貝しか目に入らないって位に一面の貝。気分的には完成度の高いトランプタワーを見ている時に近い。「なんでワザワザこんな事を・・・でもスゴイ!!」みたいな。 こっちには結構他の人も行ったみたいだけど、行った人は皆「行って良かった、言ってないなら絶対行くべきだ」って言う位、気持ち的に満腹になる場所。なんで作られたのかよく分かんないけど、「日本人も貝塚残す位なら、シェル・グロット残せよ」とか思ってしまう程に綺麗な装飾がされていました。

以上、簡潔ですが私の体験を纏めました。今までチームで何かをするという事をあまりせず、個人プレイに走る事の多い私ですが、本プログラムを通じて協調性を身につける事が出来ました。学生を終える前に身につける事が出来て本当に良かったと思います。

コミュニティインターンに参加して

1202marie

内堀万里恵さん
信州大学教育学部4年
イギリス・2012年2月参加


この度は、コミュニティインターンに参加させていただき、ありがとうございました。初めての海外で、たくさんの貴重な経験をさせていただきました。海外へ行ったこと自体も、自分にとっては大きな経験でしたが、小学校を訪問し、日本文化を紹介したり、授業を参観させていただいたり、フェアトレードのイベントに参加したり、と、ただの旅行ではできないようなことをさせていただきました。毎日の活動については、週間レポートや修了レポートに記したので、そこには書ききれなかったことの中から、いくつかを、この作文に書きたいと思います。


小学校を訪問して

初めて訪問したクラスでは、音楽かフランス語の授業を行っていたようでした。子どもたちは歌っていて、最後に先生はフランス語であいさつをされていました。子どもたちが歌っていたとき、あまり口を動かしていない子どもに、先生が強く叱っている様子が見られました。その授業が終わった後、叱られていた子どもは、悔しそうな顔をして、鉛筆を真っ二つに折っていました。

私は、自分が小学生だった頃のことを思い出しました。音楽の時間に、大きい声を出すことができず、先生に怒られ、余計に萎縮して声が出なくなり、音楽の授業が嫌いになりました。大学生になって、自分の好きな音楽を発見したり、コンサートで感動を味わったりしたことによって、自分の中に、音楽を好きになれる要素があったことに気付きましたが、今でも、音楽に対して苦手意識があります。

教師の対応の仕方によって、子どもが、ある教科を嫌いになってしまうということは、とてももったいないことだと思います。一度、その教科を嫌いだと感じてしまうと、意欲も減少し、学習の成果も上がらなくなり、より自信がなくなっていき、さらに嫌いになってしまうという悪循環になりかねません。また、その教科に対して本来持っていた才能を、活かすことができなくなってしまうかもしれません。

子どもが、自分に自信を持ち、意欲が増し、その教科を楽しいと感じられるように、声掛けや、授業展開など、よく考えて工夫していかなければならないな、と改めて思いました。私は、学校の教員になるかどうかは分かりませんが、子どもが好きで、教育に関心があるので、残りの大学生活で、子どもにとってどのような授業や声掛けがよいか、学んでいきたいと思います。


ロンドンでの出会い

最後の休日、一人でロンドンへ行きました。メインの目的地は、ロンドン動物園でした。バスで近くまで行きましたが、たどり着き方がわからず、道を歩いていた若い女性に、”How can I get to the London Zoo?”と尋ねました。するとその女性は、「私も今からそこへ行くところだから、一緒に行きましょう」と言ってくれ、しばらく2人で歩きました。

 歩きながら、彼女は、イタリア出身で、ロンドンに語学留学していること、語学学校はもうすぐ修了するが、あと数カ月はロンドンに滞在するため、仕事を探していることなどを話してくれました。

そして、これからどんな大学に行くか考えているところだと言っていました。彼女は、高校を卒業した後、すぐには大学へ行かずに、ロンドンに留学(+ワーキングホリデー?)したようです。

私の周りでは、高校生のうちに受験勉強をして、高校生活の終わり頃に一斉に大学受験をする、というパターンが当たり前のようになっていました。そのため、大学を決める前に海外へ留学する、という考えは、とても新鮮に思えました。

そのようなことを話しているうちに、私たちは駅にたどり着きました。そう、動物園ではなく、地下鉄の駅に着いてしまったのです。どうやら、私の発音が悪かったのか、”zoo”と言ったつもりが、”tube”と聞こえていたようです。動物園へは、少し遠回りになってしまいました。

しかし、聞き間違えられたおかげで、彼女と一緒に歩くことができ、自分の視野が広がるような話を聞くことができました。世界にはさまざまな生き方をしている人がいて、自分が「こうしなければならない」と思っていることも、無限にある生き方の中のごく一部に過ぎないのだと感じました。この出会いを大切にし、もっと発想を自由にして、自分のこれからの生き方を考えていきたいと思います。


イギリスの街並みから

イギリスに着いて最初に感じたのは、街並みがきれいということでした。レンガ造りの家が多く、カラフルな建物もありながら、調和が保たれていて、テーマパークや、映画のセットのようでした。街中の時計一つでも、クラシックなデザインで雰囲気がありました。大都市のロンドンにも、現代的で無機質なビルが少なかったのが印象的でした。

そのように、街並みの美しいイギリスですが、道のゴミや、犬のフンは多かったです。また、ロンドンでショーを見たとき、終演後の座席のいたるところに、ポップコーンが落ちていました。公園でラグビーをした後の選手たちが、靴底に付いたたくさんの泥を、人が通るところで勢いよく払い落としていたのも衝撃的でした。その泥は、従業員さんたちが掃除していました。

イギリスでは、小学校の清掃も、子どもたちではなく業者が行うそうですが、そのような習慣も含め、清掃は業者がやる(から自分は掃除しなくてもいい)ものだと認識されているのかな、と感じました。

Tea Ceremonyに挑戦

 

創価大学生
イギリス・2011年9月参加


私がこのプログラムに参加しようと思ったきっかけは、「日本語教師体験をしてみたい!」との思いからでした。ほかにもさまざまな日本語教師アシスタントなどのインターンシップはありますが、自身の知識や経験も未熟ななか、本当にこの道に進んでいいのか決意も揺らいでいました。「でも迷うくらいなら実際に体験してみよう!」そう決意したとき、ふと大学でこのプログラムのポスターを目にしました。「日本語に関する知識はまだ浅いけれど、日本文化紹介なら私にできるかもしれない・・」。当時、日本文化紹介というのも将来のひとつの選択肢でもあったので以前から習っている茶道の普及活動もできるのではないかと考えました。事務局長の景谷さんに後日直接お会いし伺ってみると、参加者の自由な発想で取り組んでいっていいよと前向きな言葉を頂き、今回「Tea ceremony」という形で実現することができました。

この企画は3週間滞在する内、2週目と3週目のそれぞれ1時間半ほどの時間で小学校の高学年を対象に開催しました。自身は大学で裏千家茶道サークルの運営に携わっていたので、お茶の先生から夏休み中、何度か練習や打ち合わせの時間をもち、現地でのイメージを膨らませていました。しかし実際にさまざまな日本文化の授業を行う中で言葉の壁にぶつかったり、また子供たちとの接し方に迷うようになってしまいました。そうした馴れない環境の中ではありましたが2週目に入ると少しずつ要領もつかめてきました。

そうして迎えた2週目の金曜日の最後の授業。ついに茶道紹介の時間がやってきました。前日は皆のあたたかいサポートを受け、準備や流れの確認を十分にしたつもりでした。しかしこうして本番を迎えると予想外のハプニング続きで、茶道の奥深い精神性を理解してもらおうと用意した原稿はとても抽象的で分かりづらく、子供たちを飽きさせてしまいました。またお手前中も茶道の手順が分かっているのはほとんど私しかいなかったため、このタイミングで何を持ってきてほしいかなどの行動がちぐはぐになってしまいました。これは私が事前に皆に詳しくシェアする時間を持たなかったことが原因です。自分の想定の甘さや準備不足に後悔してもしきれない気持ちになりました。しかし、こうして等身大の自分を教えてもらったのはひとつの成功への学びであると捉え、最終週(第3週目)の木曜日に向けて動き始めました。

まずは皆から改善点を聞き、自身でそれに対する具体的な方法を考えていきました。まずは子供たちに、より興味をもってもらえるよう紹介原稿を感覚的に分かりやすく書き直しました。また一週目語学学校でお世話になったKevinに英文をチェックしてもらうことで、伝わる英語に推敲してもらったりもしました。また皆のアドバイスでより多くの生徒がお手前を体験できるようにと、1時間半ある授業を2コマに分けローテーションのように流れよく、より効率よくできるよう流れも組み立てしなおしました。これらの対策は皆のアドバイスなしには決して一人で思いつくことはできませんでした。

そうしてむかえた2回目となる最後の「Tea ceremony」。前回は私一人で紹介していましたが、チームメイトの一人が私のお手前中、子供たちが飽きないよう代わりに茶道具の解説をしてくれたり、またその他のプレゼンテーションも皆が心強くさまざまな面でサポートしてくれました。おかげで私がイメージしていたものに大きく近づけることがでました。またうれしくも日本から持ってきた和菓子が大好評で子供たち皆「おいしい!」といって食べてくれました。また心配していた抹茶の味はやはり子供たちにはとても苦くて決して美味しいといえるものではありませんでしたが、何人かは「美味しい!」と目を輝かせて話してくれました。こうした日本のお抹茶や和菓子をなかには家にもって帰り家族に見せたいという子供たちもいて、とても感激したのを覚えています。

このフェアトレード企画である「Japanese Week」は異文化に触れることで子供たちは海を越えた「世界」を知り、またこの「世界の広さ」を知ることができるひとつのきっかけになると信じています。茶道は日本文化の一つですが、たとえ茶道にあまり興味がもてなかったとしても、子供たちが日本に対してもつイメージは以前より、より現実味を増して膨らむと思います。幸いにも一回目のTea ceremonyが地元の新聞に紹介され思いがけず思い出が形になったので、とても嬉しかったです。この記事は私の小さな一歩(原点)を思い出させてくれる私の宝物です。

また日本語教師を目指すうえでこのプログラムを振り返ってみると、対象が小学生ということで日本語紹介より日本文化紹介で妥当であったと思います。日本語を教えるには日本への興味関心をすでに持ち合わせていて、日本語を使って何かがしたいというはっきりとした目標がある場合が多いかと思います。だからこそこの日本文化紹介は簡単そうでいて、どうすれば日本語や日本文化の魅力が伝えられるかという自身の力量が問われるかと思います。

このプログラムの魅力は参加者の創意工夫ができるところなので、挑戦意欲のある人には非常にいいチャンスになるかと思います。もちろんこの道に踏み出そうか私みたいに迷っている人にも、未来につながる貴重な体験ができると信じています。ただ人の成長に関われることに喜びを感じたり、日本文化の魅力に何かしら心惹かれるものがあったり動機は人それぞれでいいと思います。もちろんこの先の未来は必ずしも日本語教師である必要はありません。参加者皆、異文化理解や子供が好きという点で繋がっていました。

子供たちは私たちが想像していたよりずっと素直で純粋で、私たちが折り紙や書道など紹介すると好奇心旺盛の子供たちはもう待ちきれなくて「早く次のステップ教えて!」と催促していました。作品が完成したときのあの満面の笑みは本当に忘れられません。目がビー玉のようにキラキラ輝いていました。このアクションは彼らのたしかな自信につながっていると確信しました。

このプログラムのいいところは普通の留学とちがって実際にイギリスの社会のなかで暮らすことができることです。ホームステイでは「家庭」、授業においては「学校」、また街散策や教会に出向いての建築模型づくりは「地域」とのコミュニケーションであり、どれも社会を構成する大事なコミュニティーであり要素です。つまり異文化理解は子供たちが日本を知るだけではなくて、私たち自身もイギリスという異文化を知り、理解するところから始まるのだと知らされたように感じます。私自身、このインターンへの参加に迷いはありませんでした。進路に迷う4年生だからこそ後悔はひとつも残したくありませんでした。ただ自分が何を喜びに感じ、それがどんな仕事と結びつくのか知りたいから「迷うくらいなら挑戦したい!」との思いで参加させていただきました。今、思い出すとあの日々はもう過去のものになってしまいましたが、今でも私のなかに鮮やかに息づいていて、未来へ私を導くように静かに語りかけてくれます。また近い未来、より成長した姿でイギリスへ飛び立てるよう新たな誓いを胸に今、ここからがんばっていきます。

カルタづくりから学んだ、イギリスの価値観

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大沼未幸さん
上智大学外国語学部4年
イギリス・2011年9月参加


英語学科に所属している私は、外国と日本の言語や文化に興味があり、自国の文化を紹介すると同時にイギリスの文化も体験したいという思いから、この活動に参加することに決めました。カルタは子どものときによく遊んだことがあり、馴染みのある日本文化でしたが、自分で作るという経験はなく、しかもそれを外国で、英語で作るということだったので、成功するか不安な部分もありました。けれど、実際現地で子どもたちとカルタ遊びやカルタ作りをして、思っていた以上に学ぶことが多く、イギリスの子どもたちから気づかされることもたくさんありました。このレポートでは、イギリスと日本の違いということに観点を置いて、「読み句」「絵札」「ゲームに対する意識」の3つの項目に分けて、カルタ作りの経験を述べていこうと思います。


読み句を通じて感じる感性の違い

まず、読み句に関しては、日本語と英語の観念の違い、日本の子どもとイギリスの子どもの文章力の違いについて気づくことがありました。日本では、カルタの読み句は通常5・7・5のリズムに沿って作られています。日本人のなかに古くから受け継がれている、伝統的なリズム体系です。しかし、英語の場合はこのルールを当てはめるわけにはいきません。英語の詩で体系づけられていることは、脚韻を踏むこと、語数を揃えることなどです。これは古来のイギリスの絵本の文章などでも見られる特徴で、日本の5・7・5同様、古くから英語圏の子どもから大人まで親しまれているリズム感であると言えます。英語のカルタではこのルールを取り入れるのが良いと思われるのですが、子どもたちにも個人差があるので上手く脚韻を踏む文章が作れる子とそうでない子もいます。現地の先生のアドバイスを参考にすると、”like a song(歌のように)” “like a beat(拍子をつけて)” “lyric(歌詞のように)” “rhyming couplet(韻を踏んだ対句)”などという言葉を使って説明すると理解してもらえるということでした。日本の子どもたちが小学校で5・7・5の文章の作り方を学ぶように、イギリスでもこのカルタの読み句作りを通して、伝統的な英語のリズムを感じ取ってもらうことができたのではないかと思います。この特徴を踏まえて、日本の5・7・5からは、日本人のきっちりと枠に収まった形や秩序を大切にする性質が感じられ、言葉遊びのような脚韻を重視する英語からは、英語圏の人々の個人の発想力や想像力を大切にする性質が感じられ、興味深い発見となりました。そのような性質からか、イギリスの子どもたちは私が思っていたよりもずっとスムーズに、自由に文章を考えて完成させ、自分の文章に自信を持っている様子がうかがえました。想像力豊かな子どもたちの文章から、新しいものの見方を学ぶことができました。


絵札から感じる感覚の違い

絵札の作成を見ていても、イギリス人の子どもたちの想像力の豊かさを感じることができました。イギリスの小学校では日本の学年より年齢がひとつ下ということもあり、日本の6年生が描く絵よりは幼い印象を受けました。ひと目見て分かる違いとしては、イギリスの子どもたちは原色を多く使って、とてもカラフルな絵に仕上げているということです。日本では細かく描写して描くよう指導を受けた記憶がありますが、イギリスの子どもたちは対象の特徴を捉えて、アートに表現しているように感じました。これは、子どもたちが過ごしている環境に影響しているように思います。日本の小学校はたいてい、3、4階建てで窓際に一本廊下があり、廊下に沿って四角い教室が並んでいる作りになっています。机や椅子、ロッカーなどは木製、鉄製で、均一感が重視されているように感じます。一方イギリスの小学校は、必ずしも四角い教室ではなく、教室の位置する場所も一直線に並んでいるわけではありませんでした。真ん中に大きなホールがあるなど、子どもたちが集まるスペースを中心に作られている印象を受けました。学校のなかが広々していて、オープンで自由な気持ちにさせる空間だと感じました。特徴的だったのはその色遣いで、テーブルや椅子、給食の食器やスプーン、フォークにいたるまで、赤や黄色、青などとてもカラフルな色が使われていました。たくさんの色がある環境が、絵にも原色を多く使ったり、明るく個性的な色遣いをしたりするような感覚を育てるのに役立っているのではないかと思います。


カルタゲームから読み取る競争に対する意識

最後に、子どもたちがカルタで遊んでいる様子からは、日本人とイギリスの教育方法の違いを感じ取ることができました。イギリスの小学校では、褒められたり勝負に勝ったりするたびに、ポイントをもらったり、シールをもらったりして、子どもたち全員が意欲的になるようモチベーションをあげるようにしていました。カルタ大会で優勝したチーム、読み札、絵札で得票数を多く得た子に表彰を行い、表彰状と手作りのメダルを贈ると、とても喜んで、誇らしげにメダルを見せてくる子どももいました。他の子どもがそのようにメダルをもらっている様子をみても、文句を言ったり不平に思ったりする子どもはいませんでした。日本では、特に近年、子どもたちのあいだでの競争ごと自体をなくそうという動きがあると聞きました。運動会でのかけっこでも、ゴールまで走り切ることを重視して、特に順位をつけない小学校もあるようです。しかし、イギリスの子どもたちの様子を見て、個人差を大切にしたいからといってただ単純に勝負事をなくそうという考え方は、少し違うのではないかと思いました。イギリスの子どもたちは、勝負ごとがあるからこそ、ひとりひとりが向上心を持って努力し、良くできた子にはみんなで祝うという感覚があるように思えました。かといって、個性をつぶすわけではなく、むしろ日本よりもずっと、個性にあふれ、ひとりひとりが自分の作った物に自信をもっているような印象を受けました。

以上のように、イギリスでカルタ作りをすることによって、イギリス人の価値観を多く学ぶことができ、それと同時に自分たち日本人にある感覚や価値観、問題点を再認識することができました。イギリスの子どもたちも、この活動を通して日本文化や自分たちの町など、多くのことを学んでくれていたらいいと思います。