「驚いたのは、小学校に食堂があったこと」英国インターンレポート

蔵田 雄己さん
法政大学
法学部3年生
イギリス・2016年9月参加

参加して良かったですか?

良かった(評価4) ※以下、5段階評価(5が最高)

1週目の語学研修をしたことで、プレゼンのやり方や、子どもたちへの接し方などを学んでから、2週目のインターんに望むことができた。

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日本とイギリスの文化


池島瑞紀 さん
法政大学法学部2年
イギリス・2012年2月参加


本格的に英語教員を目指している学生が多い中、私は特に将来的に英語を極めたいわけでもなく今回のインターン参加を決めました。そのため英語の能力的な面で、授業の実施には班員にたくさん助けてもらいました。協力なしでは生活すらできなったのではないかと思っています。

私の今回の旅の目的は、端的に言って「英語圏に行くこと」でした。成立した歴史が古く、戦勝の歴史をもつ文明都市を見てみたいという好奇心です。実際に目の当たりにして、予想以上の情報を得られました。日本にいて、理解はしていたものの自覚をしていなかったと今回のインターンで判明したことが数点あります。

ひとつは何と言っても、自分が国家に守られている存在であるということです。純粋な英語圏では、ほかのヨーロッパに比べて、英語が話せないことに対する風当たりが強いであろうことは予想のうちでしたが、実際に体感してみるのとはまた、別ものでした。言葉だけでなく、所作や常識や価値観がまったくもって異なるのです。現状、そんなことは起きないでしょうが、たとえば日本という国が突然なくなったとしたら、身一つで異国に生きることは可能なのかと考えてしまいました。こんなことは中国やタイに過去行った時は感じなかったので自分でも驚きました。イギリスに対しては、自国が文化的に劣勢という自覚があるからこう思うのではないかと思います。文化という国のアイデンティティーは言語にあるという話を聞いたことがあります。ヨーロッパ世界が文化の共有をしているのを目の当たりにして、世界がマイノリティー文化の集まりだといういままでの認識が覆されたのです。地理的距離の近さは文化理解度に比例します。和辻哲郎の「風土」のように、同じ対外環境をもつ地域に暮らす人々の生活は当然似通っています。日本は価値観の合致という点において、他ヨーロッパ諸国とはスタート地点がずいぶん後方にあるということではないでしょうか。国際社会でアメリカに追随し、同調主義であるように思われるのも、強大な他文化圏の欧米と歩調を合わせるにはやむを得ない歴史的外交方法だったのではないかと思われます。しかし、アジア圏がメイン市場となっているいまもその考えに捕らわれていてはしょうもないことでしょう。アジアの中での日本の立ち位置をいまいちど考える必要があると思いました。さらに、相対的に国内を見つめなおすきっかけとなり、海を渡れば通用しない価値観を持つ1億3000万人に構成された日本の文化を、非常に面白く思いました。

つぎに思ったことは、日本の英語教育の杜撰さです。何年も前から叫ばれていることであり、課題となっていることは理解していました。しかし今の教育方法では本場で使える英語の習得には程遠いといえ、生きた英語の習得を「永遠の」課題にしている現状の教育に不満です。中学や高校で使われている教科書は、日本語に合わせて英語を置いていっている会話の印象が拭えません。英語を日本語で学ぶ教育を改め、海外で使える表現といった実用的な内容にしなくては時間がもったいないです。幼いころから英語教育に力を入れると、日本語独特の細かいニュアンス表現が失われていくということもわかっているようなので、個人的願望としては「受験英語」でいいのではないかとも思っています。しかし、グローバル社会に伴ってそんなことを言っていられないのも事実です。今回のインターンには、英語教員を目指す私なんかよりも志の高い優秀な参加者がたくさんいました。私が教育を考えるまでもなく、参加者に、将来の子供たちが受ける英語教育に、期待することにします。

最後に、思ったことです。ロンドンから2時間ほど東に行った港町だからでしょうか、特に最終のよく晴れた日曜日、町の人がこぞって浜辺で海水浴を楽しんでいる姿が印象に残りました。海辺の飲食店のテラスはどこも埋まっており、町の人が全員出てきたのではないかと思うほどの人の集まりようだったのです。そこが単に田舎だったのかもしれませんが、ひとつの休日を満喫しきる晴耕雨読のスタンスに感心してしまいました。

勤務態度がやたらいいといわれる日本のサービス業ですが、たしかに他に類を見ない完成度であることは自負していいと思います。海外の従業員は、日本に比べたらあらゆるところで雑です。余談ですがロンドンで入った個人経営の飲食店で、テレビに夢中で店長が呼んでも出てきてくれなかったことには驚きました。日本では昔から「滅私奉公」という言葉通り、きりきり働くことが美徳とされてきました。しかし美徳とはいえ、ワーカーホリックと欧米人に揶揄された日本人の献身的すぎる勤務態度は、生きるために働いているのではなく働くために生きているのではないかとさえ思えます。ましてやそれで心を病んでいたら本末転倒ではないかと思うほどです。ブータンのように、とまでは国際社会における立ち位置が違うから難しいとしても、幸福度が世界178か国中90位というのはいかがなものでしょうか。ちなみにイギリスは41位、アメリカは23位です。世界情勢が閉塞感に包まれている今、現先進国として似たような結果が出ると思っていたのですが、そうでもありませんでした。どうやら先進国でも心に余裕を持つことは可能なようです。そして一概にとは言えませんが、ライフワークとしての労働がこの調査の日本とイギリスの、数字の差のように思われました。

以上で、外から見た日本の再発見です。イギリスへのインターンは、総括して、とても楽しい経験になったことは言うまでもありません。

参加したきっかけは、東日本大震災

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高野 晃肖さん
法政大学人間環境学部3年
イギリス・2012年9月参加


志望動機

まず始めに、私がNPOやボランティアについて関心を持つきっかけとなったのは、東北大震災である。学部有志の“震災について考える”プロジェクトへ参加したら、志高く様々な活動を行う友人がたくさんおり、私には何ができるだろうと考えた。そして、ボランティアの募集を探すためにJANICでNPOについて調べていて、フロムジャパンのサイトにたどり着いた。このプログラムに参加した動機は、日本の素晴らしさをより多くの国の人に知ってもらいたいと思ったためである。震災直後被災地である福島へ赴き地元の方々とお話した際に、『震災前はこの辺りは本当に美しかったのよ』などと涙ながらに語る姿を前にして、それまで考えたこともなかった母国・日本についてあらためて考えるきっかけとなった。参考資料などを読み、地域に密着したとても自由な活動を行っている点にひかれ、参加を決めた。イギリスという国に憧れていたことも応募した動機の一つである。


主な活動

私たちの活動は、イギリスの小学校(Salmestone Primary School,Bromstone Primary School)へ通い、日本文化を伝えることである。皆教えることは初めての経験であり、それを英語で行うため、3度の事前学習を行った。私たちインターン参加者はラムスゲートという町に各々でホームステイし、月曜日から金曜日まではバスで小学校へと通った。授業の内容は書道、折り紙、ローカルかるたづくり、紙芝居である。またプログラムの終盤では教室ではなく体育館でかるた大会とティーセレモニーを行った。


実習を通じて感じたこと、自らの課題として見出したこと

私はこのインターンを通して、コミュニケーションの難しさを知り、また、どうしたら意思疎通を図ることができるのかを学んだ。授業を始めて感じたのは、コミュニケーションには何よりも自信と伝えたい気持ちが大切なのだということである。生徒だけでなく先生も含め、文化も年代も異なる人々へ“伝える”ということはとても難しいことだった。単語選びからよく使う表現など、慣れるまで担任の先生や語学学校の先生などに何度も相談をした。授業は会話でないため、全員のフィードバックを確認することはできない。伝わっているかどうかの確認ができないため、手探りで授業を行うのはとても不安だった。そのため、生徒たちの様子をよく観察し、毎回の授業後にミーティングを開いて情報を共有していくことで、少しずつ改善していった。はじめは英語力がなく、自信もなかったのでうまく授業を進行することができなかったが、授業の回数をこなし、生活をしていくうちに、英語力がついただけではなくボディーランゲージや表情など工夫をこらし伝えようとする力がついた。“子供に教える”という経験はこれまでなかったためとても難しかったが、子供たちが能動的に動くことが好きなのだと分かってからは子供たちのフィードバックできる機会を増やしたり、体を動かす機会を増やしたりすることで参加型の楽しい授業を提案していった。少し工夫することで、聞き手の表情や反応が大きく変わり、生徒たちの楽しんでいる様子が伝わってきて大きなやりがいとなった。そして、慣れてくると、どうしたら日本文化の細かなニュアンスを伝えることができるのか、ということが私たちにとっての課題となった。私たちにとっては当たり前のことが、説明しないと伝わらないためである。私たちは何気なくしてしまう行為やしぐさには意外と盲点が多く、発見の連続だった。より細かく伝えるために、例えば書道を紹介するときには精神統一についての説明を加えたり、深呼吸を教えたりした。また、墨のにおいをかがせたり、半紙の紙質を確かめさせたりと五感に訴えることでより細かな部分まで楽しみながら伝えるように工夫をした。

また、授業はインターンシップ生にほぼ全面的に任されていた。企画から進行まで、担任の先生は助けてはくれるが、何も指示することはない。責任を任されていることに初めのうちはとても緊張していた。内容は前回のインターンのフォーマットに倣うこともできたのだが、授業を進めるうちに“新しく作り出すこと”が楽しくなり、いろいろな企画を提案した。事前に担任の先生と打ち合わせをして、よりよい授業づくりを目指した。初対面のインターン生9人が3つのグループに分かれて授業を行っていたため、はじめはグループ内でのミーティングが日課だったのだが、だんだんとグループを超えて交流するようになった。プログラム終盤のティーセレモニーやかるた大会では教室ではなく体育館を借りて全グループ合同、3クラス合同で大々的な授業を行った。苦労したこともあるが、だんだんと団結力が生まれていく過程はとても楽しく、授業の後はいつも反省と達成感でいっぱいだった。参加者には着付けが上手な者や、書道指導の資格を持つ者など各々で各自の得意な分野があったので、授業はどんどん充実していった。スケジュールが詰まっていて準備する時間が短い時などは限られた時間でいかに臨機応変に対応し成功させるか、皆でアイデアを出し合い、役割を分担した。授業が終わった後は達成感でいっぱいだった。とてもいい経験になったと感じている。


将来にむけて

将来については依然として漠然としているが、現地で多くの違った価値観をもった人々とコミュニケーションをとったことにより、少しだけ世界が広がった。私たちの滞在したラムスゲートという町は田舎の港町で、古き良きコミュニティが今も生きる街だった。すれ違えば挨拶をしてくれ、町の住人は町にいる人々へ優しかった。とても温かい雰囲気のある町だったのだ。アジア人が大勢で話をしている光景は珍しいらしく、地元の人々とたくさん話をした。つたない英語力でも、繰り返し、粘り強く、話をしてくれ、聞いてくれた。日本からきたのだというと皆、地震について心配してくれた。初老の男性が「以前日本に行って原爆ドームを見たときには涙が出たよ」と話してくれたときには胸が熱くなった。いろいろな国のいろいろな年齢の人話をしたが、文化や考え方の違いに大きな刺激を受けた。NPOの代表の方の紹介で知り合ったワーキングホリデーでラムズゲートに滞在する日本人の女性や、語学留学に来てこの町の男性と結婚した女性の二方と話したことは私の中の人生観を変える大きなきっかけとなった。お二方とも一度大学を出て就職してから「英語を勉強したい」と思い立ちラムズゲートに来ていたのだった。行動力があれば、可能性はいくらでも広がるのだと学んだ。少し楽な気持ちになった。大学卒業→就職→結婚?というありきたりな道しか自分の中に浮かばなかったが、もっと夢を持ち、自分のやりたいことをしたいと思った。普通の語学留学を考えたこともあったが、英語を勉強したい、しかし何故、というジレンマが自分の中にあり踏み出せずにいた。ただ漠然とした気持ちでは長期の海外生活の中でくじけてしまうと思った。インターン中は、どうしたら伝わるか、楽しんでもらえるかを夢中で考えているうちに自然と会話をする力がついていた。英語を勉強するには文法ももちろん大切だが、何か目的があると上達が早いのだということに気づいたのは大きな発見である。ただの海外旅行ではできない経験をたくさんすることができるので、もし後輩に興味がある者がいたらぜひ紹介したいと思っている。



フロムジャパン事務局コメント

高野さんは卒業後、イギリスの服飾を輸入販売を手がける会社に就職されたそうです。その企業は東日本大震災後を始め社会貢献活動に熱心だそうで、就職面接の際には、英国でのインターン活動が話題となったそうです。

 

 

かるたの面白さは世界共通

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金田悠里さん
法政大学人間環境学部3年
イギリス・2011年9月参加


私は今回のインターンを通じて、観光や留学では決してできない体験ができました。また、私自身も以前より日本文化に詳しくなったと感じております。日本文化ということで、かるた、折り紙、紙芝居、書道、茶道を紹介しましたが、かるたづくりは特に大掛かりで大変な内容だったと思います。

かるた紹介に関しては大きく分けると3つの内容がありました。かるたゲーム、かるたづくり、そしてかるたトーナメントです。

かるたゲームは、かるたの発祥について紹介し、遊び方のルールを紹介した後、実際に遊んでみるとう内容でした。こどもたちは、かるたははじめ貝殻に絵を書いて遊ばれていたと知るととても驚いているようでした。実際に貝殻かるたで遊んでみると、同じ番号の貝殻はそれぞれぴったりと合わさることを発見しとても楽しんでいました。かるたゲームにも夢中になって取り組んでくれたので、日本で子供たちが楽しんでいるかるたは世界共通であるという発見がありました。

かるたづくりはとても骨の折れる内容でした。ローカルかるたを作るにあたって、まずはじめに街歩きをし、現地のランドマークとなるような場所を把握、子供たちにかるたを作ってもらいます。最後にカルタの形に仕上げる作業をしました。街歩きは、一日ないし半日かかる作業でしたが、観光ではいけないような素晴らしい土地をたくさん訪れることができました。また、この作業によって子供たちにかるたを作ってもらう際にアドバイスができました。子供たちは発想力豊かでのびのびとし、進んで作業にとりくんでくれたので、かるたづくりの授業は大変でしたが予想していたよりもスムーズに進めることができました。私が小学生の時と比べるとイギリスの子供たちは自由に学び、みないきいきとしているという印象をうけました。最後にファイナライズの作業ですが、これも初めて作業したときは思わず時間がかかってしました。しかし、この反省を生かし2回目のかるたづくりにはうまく作業ができるような改善点(プリントに生徒の名前をちゃんと書いてもらう、絵札の原画にもアルファベットを書いてもらう、作業の役割分担を決めるなどなど)を実行し効率化を図ることができました。インターン同士の中もより深まり、自分自身の成長も感じることができた体験でした。

かるたトーナメントは実際につくったかるたでゲームをし、優勝したチームを表彰するというものでした。同時進行で絵札の投票も行い、こちらも上位5名と先生が選んだ絵札の生徒を表彰しました。生徒たちはみな一度かるたゲームを体験していたので、トーナメントでは日本人の子供さながらのゲーム展開となり、また自分たちの作ったかるたということもあったのでとても白熱した試合となりました。また、絵札の投票を行うことによって自分が作ったかるただけでなく友達がつくったかるたにも興味を持って接することができたと感じております。表彰時には、手作りの日本語の表彰状と折り紙で作ったメダルをプレゼントしました。イギリスでは優秀な子はどんどん褒めるという風習があり、表彰された生徒たちはとても誇らしげにしていました。また、日本語や折り紙も生徒たちにとっては珍しいもので興味を持ってもらえました。

このインターンに参加する以前、私は特に日本文化としてのかるたというものを意識することがありませんでした。かるたを紹介すると聞いたときも「イギリスの子供たちが果たしてかるたに興味を持ってくれるのか」と全く反応が予想できませんでした。しかし、実際に活動してみて、かるたを含め日本文化に対してイギリス人は興味を持ってくれたし、すばらしいものだと感じてくれたようです。小学校の先生のなかにもかるたのルールが面白いからぜひこれからこのゲームを取り扱っていきたいとおっしゃってくれた方もいらっしゃいました。実際に、子供たちはとてもかるたを楽しんでくれていたので、かるたの面白さは世界共通なのだということも感じました。

世界にはさまざまな文化があり、それぞれが素晴らしいものだと思います。今回のインターンで私は主に2つの文化(イギリスと日本)について触れましたが、お互いそれぞれの文化を尊重し尊敬しながら共有できたと感じております。これからはさらにほかの国の文化に触れられたら良いと考えております。