「自国の文化が受け入れられるのは、こんなにも嬉しいことなんだ」体験談

宮北真生子さん
筑波大学
 ・人間学群2年
イギリス・2016年9月参加 

大学生のうちに必ずしたいと思っていた、憧れの海外研修・ホームステイを経験できてとてもよかった。かなり濃い3週間を過ごすことができた。 続きを読む

これからの自分の課題を見つけることができた

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和田佳保里さん
筑波大学人文・文化学群1年
イギリス・2013年9月参加


今回私がこのコミュニティインターンに参加した目的は、英語で授業を行う、ということを体験するためであった。私は英語の教員を目指しているのだが、現在文部科学省によって英語の授業を英語で行うという案が提出されている。そのため、一度英語で授業を行うという体験をする必要があると考えた。
ところが、実際に体験してみると、英語で授業を行う以前に授業を行うということにおいて、他の参加者を通じて自分の能力がどれだけ欠如しているかが思い知らされた。 続きを読む

心に残っているのは「教員もいいな」と思えたこと

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松原萌さん
筑波大学人間学群教育学類3年
イギリス・2013年9月参加


2013年9月、濃密で衝撃的な3週間をイギリスですごしてきました。その一部始終を振り返り、時系列に沿って以下にまとめていきたいと思います。

まず、コミュニティインターンへの参加きっかけは、大学の掲示板でお知らせを見たことでした。高校生の頃から漠然とイギリスに興味があったこと、大学で留学生のお世話をしていながらも自分の英語力に疑念が湧いてきたこと等が重なり、参加を決意、両親の説得にとりかかりました。正直に話せば、参加する前のフェアトレードの知識はそれほど多くなく、日本文化の何かに秀でているわけでもなく、また、子供好きではあるものの教員になるかどうかは迷っている、そのような状態でした。ただ、

現地での生活1週目、翌週から始まる小学校での授業に向けて語学学校で準備をします。事前に配布されたスケジュールよりも前倒して進めたため、かなりハードでした。他のメンバーはお互いに初対面の人ばかりでしたが、少なくとも私は、緊張感を感じていたのは初日まででした。皆で同じプロジェクトに向かっているという仲間意識が不必要な緊張感を取り除いたのでしょう。1週目に関しては、天候は穏やかで過ごしやすかった記憶があります。

ただ、3週間を通して傘は必要です。事前にインターネット等で調べた際に「雨が降っても少し待てば止む。傘はいらない」といった情報をよく見かけましたが、私としては、降るときはだいぶ降り続いた印象があります。仮に少し待てば止むにしても、このプログラムは基本的に団体行動でバス移動のため、雨が止むまで待つことはあまりできません。私は傘を持って行かなかったため、日本にはないような傘を現地調達、そのまま自分のお土産にしました。ただ、基本的にどのお店も閉まるのが早く、平日はなかなかショッピングの時間が取れないので要注意です。

話は変わりまして、現地での生活拠点となるホームステイ先について。これは当たり前ですが家庭により様々な面で差があるようです。家族構成も多様。女性の一人暮らしだったり、他にも留学生を受け入れていたり、家族のうちの誰かが長期旅行中だったり……。生活習慣も多様。シャワーの時間について注意されたり、洗濯のルールもあったり、まったく干渉されなかったり……。私のステイ先は留学生というものに慣れていたようで、家主と留学生の生活はほぼ別々、ダイニングにあるものはいつでも何でも食べていい、と、割と放任主義のお家でした。洗濯物がいくつか返ってこないなどということもありますので、どのようなことも起こりうると覚悟しておいた方がよさそうです。


さて、いよいよ小学校での授業が始まる2・3週目。気温も下がってくる時期なので寒さ対策が必要になってきます。毎朝とても早い時間にバス停に集合して移動しました。学校に到着後、浴衣に着替えて校内を歩くととても喜んでもらえました。(皮肉なことに、私を含めメンバーの多くが渡英をきっかけに浴衣の着付けやたたみができるようになりました。)子供たちは押しなべてフレンドリーで、すれ違いざまに「ハロー!」「コンニチハ!」などと挨拶をしてくれたり、授業後には「僕のこと覚えてる?」と近寄ってきてくれたりします。また、現地の小学生はさまざまな言語でのあいさつを習うようで、スペイン語やフランス語などでもあいさつをされました。

母国でさえ行ったことのない授業を、海外で、しかも英語で展開するのには大変な勇気がいるものですが、内容はマニュアルが教えてくれるので安心です。対象が小学生のため多少ざわついたりすることもありますが、「静かにしなくてはいけない合図」がクラスによって決められていることもあります。(もとより、ざわつかないクラスもあります。)私は、クラスで声を出しすぎたためなのか単なる風邪の前兆なのか、一時期のどが痛かったことがあります。予防策として、先生を観察して「合図」を真似してみたり、教えてもらったりするとよいかもしれません。飴やマスクがあるとより安心です。また、集団を相手にするときのテクニックで私が参考になった(と振り返って思う)のは、「おかあさんといっしょ」など教育番組の「おにいさん・おねえさん」の仕切りや音楽ライブでの歌手によるMCです。その空間にいる人々の関心を集めて話を聞いてもらうには技術がいります。「おにいさん・おねえさん」や歌手の振る舞いを真似してみたところ、メンバーや景谷さんから好評をいただけて嬉しかったです。

2・3週目の活動が終わると、いよいよ帰路に就きます。私は3日ほど延泊していたのでステイ先から日本まで一人で帰りました。イギリスと日本の時差は時期により8~9時間あります。帰国後、重い時差ボケに苦しんだメンバーもいましたが、私は全くそのようなことはありませんでした。往復路ともに「飛行機でよく寝る」という対策が効いたのかなと振り返って思います。機内でよく寝るためには若干の寝不足状態に身を置く。そのためには前夜遅くまで荷造りをすれば全てOK。忘れ物はないか、空港までの道のりや時刻表の確認は済んでいるか、入念にチェックしていました。翌朝の寝坊や乗り過ごしなどの支障が出ない程度に寝不足にしておくとよいと思います。


以上が、時系列に沿った3週間の一部始終です。メインイベント—小学校での授業—をさせていただいて様々な発見がありましたが、何より私の心に残っているのは「教員もいいな」と思えたことです。教員になるかは迷っている私でしたが、「将来小学校教員として働きたい」と強く思ってしまう、衝撃的な体験ができました。

商品を販売しない、フェアトレード

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糸澤文香さん
筑波大学理工学群社会工学類3年
イギリス・2013年8月参加


「最初のフェアトレードタウンはイギリスで生まれたんだよ。」大学でフェアトレードサークルに所属している私は、ある日メンバーにそう教えられた。それから「イギリス=フェアトレード先進国」というイメージが自然と出来上がっていた。イギリスに行ってフェアトレードの最先端を見てみたい、フェアトレード先進国の実情を見てみたい、それが私が今回コミュニティインターンに参加したきっかけの1つだった。イギリスで、最初に出会ったフェアトレード製品はコーヒーシュガーだった。これはイギリスへ向かう機内で出てきたものだったので、正確にイギリスで出会ったというわけではないが。日本を出発して数時間でフェアトレードが見つかったことで、私の期待はますます大きくなっていった。イギリスに降り立ってすぐにサネットへと移動し、2週間お世話になるホストファミリーの家へと向かった。サネットはロンドンの南東に位置する海沿いの街で、減少する観光客数に歯止めをかけようと、ターナー美術館をはじめとする様々な街おこしに取り組んでいる。その一つがフェアトレードタウンである。

イギリスにはフェアトレードタウンが数多く存在するが、サネットもその1つである。フェアトレードタウンと聞いて、私は町中のいたるところにフェアトレードショップが点在し、住民はフェアトレードに関心を持ち、またそのことに対して誇りを持っているものだと勝手に解釈していた。インターンプログラム初日、2日目にかけてサネット地域、特にRamgsgateの街歩きをしたが、思っているよりもフェアトレード専門店は見当たらなかった。Waitroseというスーパーマーケットには砂糖やコーヒーはもちろん、コーラやはちみつ、ワインに至るまでフェアトレード商品が数多く陳列されていた。商品の中にはwaitrose独自のものも多く、特に紅茶はティーバッグからルーズリーフティー(茶葉)まで、様々な種類が取りそろえられていた。日本では、最近イオンなどの大手スーパーの自社ブランドでも、チョコレートなどでフェアトレード商品を扱い始めてきたが、その種類はまだまだ少なく、しかもフェアトレードによほど興味がある人でないとその事実についても知らない場合が多い。ここでも日本とイギリスのフェアトレードに対する差を感じた。

プログラム後半では、Broadstairsという街をフェアトレード商品を扱う店舗を訪れ、実際にフェアトレード商品を扱っているか、売れ行きはどうかなど、直接従業員の方たちに尋ねるという機会を得た。私達のチームは美容室を2件訪問し、どのようなフェアトレード商品を扱っているかを調査した。最初に調査先を告げられた時、美容室とフェアトレードに一体何の関係があるのか、イギリスではヘアケア用品もフェアトレードなのか、と様々な想像をしていた。しかし実際に店舗に伺ってみると、ヘア用品がフェアトレードなのではなく、美容室で客に出すコーヒーや紅茶がフェアトレードであることが分かった。フェアトレードといえば、フェアトレード商品を消費者に向けて販売することだけ、といった凝り固まった考えをしていたことに気づかされ、これは素晴らしい取り組みであると思った。一見すると、全く関係のない分野でも何らかの形でフェアトレードにかかわっていけるということを教わった。商品を販売しない、という新しいフェアトレードのシステムは、フェアトレードショップよりもより低いリスクでフェアトレードを導入することができる。フェアトレードに関心を持っている人は少なくないが、フェアトレード商品を導入した際の収益の減+少や顧客からの反応など様々な障壁が考えられる。この方法なら、収益をあまり気にかけることなくフェアトレード商品(主にコーヒーや紅茶、チョコレートなどのオーソドックスな商品に限られるとは思うが)を導入できるというメリットがある。そのため、先述のヘアサロンはもちろん、大学や企業など様々な場所、場面でフェアトレード商品を導入できる。こう見ると、イギリスのフェアトレードタウンでは、フェアトレードを足がかりとした街おこしが成功しているように見える。

しかし、私達はサネットを街歩きした際に違った一面を見ることができた。あるグループがインタビューした、フェアトレード商品を取り扱っていたというカフェのオーナーによれば、フェアトレード商品は質が悪く、客からの反応も良くないということで、フェアトレード商品の取り扱いをやめてしまったのだという。フェアトレードタウンでフェアトレード商品を扱う店として、サネットのフェアトレード広報誌の中で、fairtrade directory に名前が掲載されているにも関わらず、先述の店のように取り扱いをやめてしまった店や既になくなってしまった店もあった。このように、フェアトレード商品を扱う供給側としても問題点も発見することができた。

一方、フェアトレードタウンの消費者は、フェアトレードについてどう考え、感じているのだろうか。今回は2週間にわたりRamsgateでホームステイをしたので、実際に現地の人と会話する機会が多々あり、実情を知るには最高の機会だったと思う。私がホストマザーにフェアトレードについてどう思うか尋ねたところ、何というか、イギリス人らしいユーモアと皮肉を交えてフェアトレードについての意見を語ってくれた。彼女自身はフェアトレードというアイディアそれ自体には賛成だという。まず驚いたことは、日本でもフェアトレードが浸透しつつあるとはいえ、その中心は若い世代であり、年配の方になるとその言葉自体知らない人も多いが、彼女はフェアトレードについて正確に理解していた。イギリスがいち早くフェアトレードに取り組んだことに加え、彼女は毎日新聞を読み、教養も深かったからかもしれない。彼女の話に戻ると、フェアトレードのアイディアには賛成だが、実際の活動になると話は別で、あまり好きではないという。なぜならば、少し前にイギリス国内でNPOが慈善事業を理由に市民から寄付を集めていたが、結局それは横領され、詐欺であったというニュースがあったらしく、イギリス国内で非営利団体や慈善事業に関する目が厳しくなっているのだという。また、イギリスではフェアトレードと言えば教会が主導していることが多く、日本のように企業が先行しているというイメージがあまりないので、余計にフェアトレードと慈善事業の結びつきが強い印象が残ってしまっているのではないかと思った。一口にフェアトレードタウンとは言っても、フェアトレードに賛成する市民ばかりではないということを痛感した。今回はホストマザーにしか話を聞くことはできなかったが、ぜひあらゆる年代にフェアトレードについての意見を聞いてみたいと思った。

今回イギリスの2週間にわたる滞在で、フェアトレードという言葉の認知度が日本に比べて高いことや、物を売るという形以外のフェアトレードの新しい形を知ることができたこと、またフェアトレードタウンを通したまちづくりの成功事例やその難しさを知ることができた。これは、フェアトレードに関心を持ち始めてまだ間もない私にとっては強い刺激ではあったが、それによってもっと勉強したいと考えるようになったことに加え、同じようにフェアトレードに関心がある仲間と出会えたことは大きな財産になった。また、これまでフェアトレードにあまり関心がなかった参加者もこのインターンシップを通してフェアトレードに関心を持てた、と言っていたので、それを聞いてやはり今回のプログラムは意義のあるものであったと感じることができた。