経験から得られる物は1つとは限らない

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藤巻優美さん
宇都宮大学国際学部2年
イギリス・2012年8月参加


私は2週間のプログラムで参加しました。その「2週間」という期間は短かったものの充実しており、普段あまり何も考えずに生活している私にとっては、まるで1か月くらい生活したかのような感覚がありました。2週間をそんなとても濃厚な時間にしてくれたのは、活動を共にした日本のさまざまな大学から集まった自分とは違ったジャンルに興味のある学生たちでした。イギリスで異文化に触れた驚きよりも、私にとっては、日本ではなくイギリスで彼らと出会い、たくさんの話をしたことの方が大きな収穫となっています。

日本に帰ってきて、「イギリスに行ってきたんだ。」と友人に言うと、「旅行?」とよく聞かれ、しかしそこで「違うよ、インターンシップ。」と答えると、「え!すごい!」とかなりの確率で驚かれます。そこで必ず「どんなことをしてきたの?どうだった?」と聞かれます。どうだったのかというと、私は将来教員になることを目指しているわけでもないし、フェアトレードに強い関心があるわけでもなかったため、インターンの活動は、正直言うと夏休みの思い出の1つ程度の感覚となりました。だからと言って退屈だったわけではありません。英語を使ってたくさんの人たちとコミュニケーションをとるのは楽しかったし、何より英語を使って自国の文化を小学生たちに教えるなんて滅多にできることではありません。私の夏休みが充実したものとなったのは、このインターンのおかげです。しかし、楽しかったけれども、それ以上にはならないような感覚がありました。でもそれは、インターンの活動に関してであって、その活動を通した起こったその他の場面で刺激を受け、私は一皮むけて帰国することができました。私にとってとても刺激的だったのは、活動を共にした仲間たちで、日々たくさんの考えを交換し合うことでお互いを磨き合い、活動をより良いものにすることができました。

何人かは事前研修で一度だけ会ったことがありましたが、ほとんどの人とは現地の空港で初めて顔を合わせることになりました。それぞれがそれぞれの活動に参加した理由を持っていて、同じ理由を持っていた人はいなかったように感じます。唯一の共通点は、大学生であり、年代が近いということ。たったそれだけだったのに、すぐに打ち解けたくさんの話をして、互いに高め合いました。保育士を目指している人、小学校教師を目指している人、子供が好きな人や嫌いな人、どんなことでも笑いに変えてしまう人、将来フェアトレードの商品を販売するお店を経営したいという夢を持っている人、海外に来るのが初めての人、たくさんの国に訪れたくさんの知識を持っているからこそ現状に満足できず常に疑問と向上心を持っている人。本当に様々な人がいました。普段の何気ない会話のほかにも熱くディベートすることもあり、本当にたくさんのことを知ることができました。

私の中で1番記憶に残っているのがフェアトレードに関する話を友人としたことでした。私の学校でもフェアトレードの商品を販売しているサークルはあるし、フェアトレードという単語自体は耳にしたことがありました。しかし何のための活動なのかはよく理解していませんでした。そのため、インターンに参加したフェアトレードに強い関心のある友人たちの話がよく理解できず、どうせ「これは国際協力だ!世界の役に立つのだ!」とアバウトに考えて、「自分はフェアトレードに興味がある」と言っているだけなのではないかと思いました。しかし友人たちは、私のフェアトレードに対する多くの疑問やしつこく続ける意見をしっかりと聞き、最後まで答えてくれ、その姿勢から、それほどフェアトレードについて自分なりの考えを持っているのだなと感じました。私は世の中のことを知ら無すぎるとよく言われます。そのせいなのか、どんな事象にも「なんで?」と疑問を持ってしまいます。たいていの人はそんな私のしつこい質問に答えてはくれないし、細かいことまで聞いても相手は私の質問に答えられるほどの知識と自分なりの考えを持っていません。しかし彼女たちは違っていて、私が今までに出会った人たちの中で一番、私の質問にむきあってくれ、私が本当に求めていた答えを聞かせてくれた気がしました。

私も自分の将来のことだったり、たまには世界のことだったり、様々なことを考えます。しかし、例えば、平和を求めて「戦争をなくそう!」と思っても、それは簡単なことではないし、私は戦争がなくなることはないという考えを持っており、それでは結局世界中のみんなが毎日平和に暮らすことなどできないと思ってしまうので、いつまでたっても自分なりの答えが出せません。たとえたくさんのことを考えても、私にはまだそれを自分の考える「正解」や「考えのゴール」へと持っていくことができないのです。しかし彼女たちは違っていました。たとえ考えても考えても出ない答えがあっても、見分を広げて、少しでも答えに近づこうとしていました。考えることをやめようしませんでした。彼女たちと私のフェアトレードに関する意見は真っ向から対立するものだったので、私は彼女たちの意見に賛成することはできず、100%すっきりしたわけではありません。しかし彼女たちの考えと、その考えを相反する意見を持つ相手に伝えようとする姿勢にとても感動し、わたしも彼女たちのその姿勢を見習いたいと強く感じました。

私は本当に本当に良い仲間たちと出会うことができました。このような活動に参加することができて本当に良かったです。海外という慣れない土地で異文化に触れて、多言語をしゃべって得られるものはもちろんあると思います。しかしそれだけではもったいないのです。もしまた新しい誰かがこのインターンに参加するときは、私は、活動を共にした仲間たちとお互いを磨き合い、身近なところからも多くのことを学んで帰ってきてほしいと思います。

イギリスで教育現場を通して学んだこと

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木村友美さん
宇都宮大学国際学部3年
イギリス・2012年8月


今回のインターンシップでは、Bromstone Primary SchoolとSt Ethelberts Catholic Primary Schoolの二つの小学校を訪れ、日本文化を紹介することができました。

私は3週間、インターンシップに参加しましたが、最初の第1週目に語学学校に通い、日本文化に必要な英語表現を学び、模擬授業を実施しました。この1週間で、小学校での活動についての不安を解消し、本番に向けて自信を付けることができました。授業は、チームごとに行います。私達のチームは4人いましたが、折り紙、習字、かるたの各授業の代表を選び、各代表者が担当の授業を責任を持って進めました。私は英語教員免許取得を予定していますが、授業を考え構成していく経験が非常に有意義でした。言うまでもありませんが、授業中の使用言語は英語でしたので、英語でどのように小学生の子供たちに説明し、理解させるか、という課題に向き合うことができたと思います。語学学校の先生はとても親切で、質問には何でも答えて頂き、英語力の不十分な私たちに根気強く指導して下さり、実用的な英語を学ぶことができたと思います。チームで授業を作る上で苦労したことは、それぞれの授業のリーダーを決めて完全に分業してしまったので、担当外の授業に不干渉的になってしまったことです。リーダーはあくまでもリーダーで、他のメンバーも主体的に授業づくりに参加していくことが必要だと個人的に思います。

語学学校で学んだ後、小学校に行きました。イギリスの小学校は日本の小学校と大きく異なっていました。日本では先生が授業で黒板を使用しますが、イギリスでは黒板の代わり電子黒板(スクリーンのようなもの)が教室の正面に配置されており、チョークの代わりに繰り返し使用できる電子ペンを使います。電子黒板とPCは連動しており、PCの映像は電子黒板に反映されます。つまり、授業中に先生が必要とした情報をPCで即座に調べ、子供たちと電子黒板を通じて共有することができます。この電子黒板とPCは各教室に必ず1セット用意されていました。イギリスの公立小学校ですらこの設備であることに、日本の小学校の教育設備と比較せざるを得ませんでした。さらに、日本の小学校では通常1クラスに1人の担任の先生が常置され、クラスの状況によって2人以上の先生が授業を担当することはありますが、イギリスでは、ティームティーチングが頻繁に行われているようでした。2人、さらには3人で1クラスの授業を監督している姿が良く見受けられました。Bromstone Primary Schoolで、耳の不自由な子がいるクラスがありましたが、その子の隣にはいつでも手話のできる先生が1人付き添っていて、学習のサポートそしていました。この学校はIncludingをモットーにしている為に、様々な障害を持つ子を除外せず、他の子供たちと共に同じ空間の中で学ぶということを意識しているようでした。日本ではこのようなクラス編成は、先生の負担も考慮すると、難しいことです。さらに、St Ethelberts Catholic Primary Schoolに関して、この学校はカトリック系の学校で、知的レベルも概ね高い学校でしたが、教材としてDS(任天堂のゲーム機)を用いて数学の計算をゲーム感覚で行っていました。DSは各子供に1つずつ貸し出されていました。子供たちにとって教材が魅力的なものほど学習意欲が向上するものだと思いますが、このような電子機器を揃えられる点もまた、イギリスの教育水準の高さを物語るものだと感じました。

イギリスの子供たちは非常に積極的に授業に参加してくれました。集中して取り組んでいたのも、見慣れない日本人の授業だったということや、先生の協力のおかげもあると思います。折り紙の授業では、子供たちは初めて折り紙を見るものだと想像していましたが、クラスによってはすでに折り紙を使用した授業を、私たちが来る以前から実施して準備していて下さっていたりしていました。一枚の紙から兜を作るという作業は、子供たちのみならず先生も感激している様子でした。習字の授業では、漢字と名前のカタカナ表記を教えました。自分の名前を日本語で書くということが興味深かったようで、教えると満足そうな表情を浮かべる子もいました。そしてカルタの授業では、サネット地域の郷土カルタを子供たちが作り、最終的にそのカルタでカルタゲームをして遊びました。今回担当したカルタ作りでは、子供たちの知らない場所や歴史的人物などを敢えてピックアップして、そのトピックに関してインターネットで調べ作業をし、その後カルタ作成という流れで行いました。自分の身近にある場所さえも知らない子がいたので、こうした調べ学習を含めた活動は、サネット地域を知るという意味でも、郷土カルタの醍醐味だと感じました。カルタ作成は時間内に終えることができ、カルタゲームも何回も行い、子供達も楽しそうに参加していました。私達のチームは、最終的には全員で協力して分担作業をしていたこともあり、大きな問題もなくスムーズに授業を行うことができました。途中でマニュアル通りに進まなくとも、臨機応変に対応し、先生とコンタクトを取りながら上手く乗り越えることができました。チーム内での団結力の大切さを強く感じました。

授業はもちろんのこと、週末の町歩きもチームごとに行動することが多くありました。イギリスという異国の土地で、意見の合わない時もありましたが、お互いに協力し、足りない部分を補い合いながら活動しました。チームで活動することは難しいことも多いですか、達成した時の大きな喜びを味わうことができます。このインターンシップでは素敵なメンバーと貴重な体験ができたと思います。

二度目のインターンに参加して

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高野佑里 さん
宇都宮大学国際学部3年
イギリス・2012年2月参加


私がこのプロジェクトに参加したのは、今回で二度目であった。前回、最終週で体調を崩してしまったため、今回は二週間のコースに参加することに決めた。二度目参加の利点としては、すべてが同じという訳ではないが根本的なものは変化していないため、自分の心にゆとりを持つことができ、前回よりもより実りのあるものにすることができたと思う。日本での準備は完璧とまではいかなかったが、必要なものをあらかじめ買い揃えておくことができたし、事前に授業の組み立てを考えておくという時間も作ることができた。以下に夏季インターンと今回の春季インターンとの相違点を軸としてイギリスの小学校で二度目の日本文化紹介について述べて行きたい。

まず、飛行機であるが、今回は春季ということで夏季よりも直行便の価格が安価だったため日本航空の直行便を使用した。前回は合計2回の乗り換えを体験していたため、移動が非常に楽に感じた。入国審査も滞ることなく、一言二言の質疑のみでスムーズに入国することができた。直行便の都合で一泊ヒースロー空港の近くのホテルを取り、次の日の午前中に到着予定の参加者と落ち合ってラムスゲートへと向かった。夏季インターンでは、夕方にヒースロー空港に到着し、そこからラムスゲートへ向かった為ホームステイ先に到着したのが夜10時頃であった。今回は3時頃にはホームステイ先に到着し、ホストファミリーとも挨拶をし、周辺を散策することもできて良かったと思う。

今回と夏季インターンの一番の相違点は人数である。前回の参加者に比べ3倍近くの人数であった。人数が多ければ多いほど、様々な意見やアイディアが出てくるという長所があるのだが、同じく意見の対立が生まれるということや、すべての参加者とコミュニケーションを取ることが不可能になるという短所も同時に存在した。そのため、グループ内での関係だけでなく、その他のグループとの関わり方も個々人で考えなければならなくなり、気疲れしてしまったということもあった。それに少人数の方が移動する時に便利であるということもある。しかし、一つのことをやるのにもグループごとにまったく違うやり方や工夫をしていたり、自分とは異なる視点から物事を考えているということが解ったりと私にとっては非常に勉強になった。一つの偏った視点からだけでなく物事を多角的に見ることができた。そのため、私としては人数が多いということは利点であったと思う。

まず第一週目は語学研修であったが、人数が多いためクラスが二つに別れてしまい、自分のクラスの参加者とはコミュニケーションが取れたが、他のクラスの参加者は何をしているのか全く見えない状態であった。先生が異なっていたため、やることも異なっていたのではないかと思うが、その意見交換などをする時間がなかったのは少し残念であった。しかし私たちのクラスでは、日本文化かるた作りを行う予定のチームが多数だったため、日本文化について題材ごとにプレゼンテーションができるようにパワーポイントの作成とスピーチの練習を行うことができた。このことによって「神社」や「寺」の違いなどをもう一度自分の中で考え直すこととなり、日本文化の再発見に繋がった。自分では漠然と理解しており、それが日本にいると当たり前だと思ってしまっているようなものでも、いざそれを「何だ」と問われた時に答えることができないということがイギリスに居る時によくあった。「私は彼女が好きだ」という文があった時に、「私は」というのが主語で「好きだ」が述語であるということは日本人であれば誰でも解るだろう。しかし、「彼女が」というのがなぜ主語でないのか?「が」と付けば主語になるのではないか?と中国人の友人に問われた時に私は説明することができなかった。このように日本語の文法だけでなく、私たちは自国の文化について知らないことがまだまだたくさんある。それをもう一度勉強し直すことによって自国文化の再発見にもつながるということを改めて感じた。

小学校に行き始めてからは毎日が非常に充実しており、あっという間に毎日が過ぎていった。私たちの班は書道、折り紙、かるた作りを実施したがそのどれもが楽しかった。前回と比べると自分の英語力が上がっていることも実感でき、子供たちの英語や先生ともコミュニケーションをたくさん取ることができた。今回行った小学校では子供たちが積極的にスキンシップを取ってくれ、知らないことをもっと知りたいという意欲が強く、たくさん質問を投げかけてくれた。そのため、小学校では自然といつも英語を話しているという状態になり、毎日自分の気持ちや日本文化をどう子供たちに伝えられるかということを考えて頭の中で英語を組み立てていた。今回はただ文化を紹介するだけでなく、いかに自分らしさを付け加えていくかということが自分の中で大きな課題となっていった。特に、日本文化かるた作りは新しい試みだったため手探り状態のものも多かった。そのときに先生の手を借りたり、時には子供たちの手を借りたりすることで成し遂げられることも多かった。少し失敗したり、うまくいかなかったことがあっても、子供たちの明るい笑顔を見ていると気分も晴れ、次に頑張ればいいという気持ちになることができた。

休日には、カンタベリやロンドン、ラムスゲート周辺の散策などをして過ごした。一週間頑張ったからこそ、土日の休暇は嬉しいものであり、充実した一日を過ごすことができと思う。そしてホストファミリーであるが、今回は本当に良い家庭に恵まれたと思う。ファミリーは四人家族であったのだが、日曜日や水曜日には友人や家族を家に招いて夕食を皆で取った。そのため、街の中心地に歩いていくと毎日誰かとすれ違うくらい色々な人と知り合いになることができた。一番嬉しかったのは、ゲストだからと言って特別待遇することなく、お皿を洗ったりテーブルセッティングをしたりということを私に手伝わせてくれたということである。役割を与えられるということは私にとって家族の一員として認められたと感じることができたし、気を使うことなく接することができた。そのため、今回は家の居心地がとてもよく、夜に積極的に外出するという意欲があまり湧かなかった。しかしその分、ホストファミリーと充分にコミュニケーションを取ることができた。一緒にテレビを見たり、ラジオを聴いたりすることによって新しい単語や言い回しを学び、それを次の日小学校で教える時にいかせるようになったため、ホームステイによって私のイギリス滞在はより楽しく、より有意義なものとなった。

最後に、二度のインターンに参加し、その活動を振り返った結論として日本の文化を教える為には自分たちも日本の文化をしっかり理解していくことが大切であるということをしみじみと感じた。教えるもののことを自分が理解していなければ説明することも難しく、ましてや突然の質問に答えられるはずもない。それから小学校で教えるうちに「常に挑戦し続けること」も大切であると感じた。ただインターンに参加し、チームの中の自分の役割に甘んじるだけでは新しい立ち位置からものを見ることはできない。もしかしたらできないかもしれないけれども、とりあえず挑戦してみる。その為には努力を惜しまない。その姿勢が必要であると思う。これは今回のインターンだけでなく、これから様々なことを学んでいくことに対する姿勢として必要なものではないだろうか。イギリスのラムスゲートは私にとって、思い出深い土地となった。これから様々な困難にぶつかった時、このインターンのことを思い出すだろう。そしてどのように乗り越えたか、と思いだすことでその困難を乗り越えることができるのではないかと思う。

日本文化への愛着や異文化コミュニケーションの難しさを確認

高野 佑里さん
宇都宮大学国際学部3年
イギリス・2012年9月参加


私は初めての海外旅行者ということで英国インターンに参加した。出掛けるまでの様々な手続きや、その他の色々な準備など初めてのことばかりで戸惑うことも多く、非常に大変な思いもした。、、、、、しかし日本に帰ってきて思うことは、やはり行ってよかったということである。

イギリスでの滞在先はマーゲートという港町で、非常に環境がよかった。そこで一週間の語学研修を受けた後本格的に日本文化、日本語を紹介した。最初の小学校では、正直なところ日本での準備不足とチーム内でのコミュニケーション不足により、自分たちが今何をしなければならなくて何をするのがベストなのかという判断が付かず先生に頼り切りになってしまったという面もあり、自分の語学力不足を痛感した。子供たちがワークシートをしている時に、どうやったらいいのかと尋ねられたが何を言われているのか全く分からなかったため応えてあげることができず失望させてしまった。日本語は私自身も解らない部分があるように、難しい言語であるのにそれをさらに英語で説明するということは非常に難しいことであった。どうやって教えるのが一番ベストで、どういう反応がベストなのか、を考えていたが結局マニュアルもない人と人との関係であるため、答えは出なかった。
しかし、その現状を変えたのは昼間の小学校訪問ではなく、夜のバー通いであった。私は夜は語学学校付属のバーに通い、マーゲートの地元の人々と会い、親睦を深めた。それが幸いしてか、ある程度の日常会話と現地の人々との会話がある程度できるようになった。しかし、一番上達したのはヒアリングの能力である。やはり毎日英語を聴いていると、耳が慣れていき何度も聞く単語などは覚えてくる。そうすると、英語に対して少しだけ自信が付き話すことが怖いという気持ちが少しずつ薄れてくる。そのためホストファミリーやハウスシェアをしていた友人(イタリア人)とコミュニケーションが多く取れるようになってきた。この話題は語彙力がなくてすることができないといったことがなくなってゆき、どんな話題をふられても振っても会話のキャッチボールができるようになったし、現地の友人に「最初の時よりも英語がだいぶ上達している」といわれ非常に嬉しかった思い出がある。イギリスのバーやパブは社交場として昔から発展してきたが、その効果について改めて実感したように思う。ビリヤードや、ダーツなどを一緒にやったり雑談をしながらお酒を飲んだりすることによって自然と打ち解けてゆき、それに見合うような言語力をつけていこうと自分も努力するようになる。そのため、イギリスに行く前よりもイギリスに行ってからの方がたくさん英語の勉強もしたし、辞書も使ったように思う。習うより慣れろということが本当だと気付いたのはこれが初めての経験だった。

インターンシップで3か所の小学校をまわり、折り紙やポスター、書道や紙芝居を紹介したが、その中でも私が一番好きだった活動は書道である。書道はもともと私が習っていたということもあって、書道をする上での心得や姿勢などを知っていたため他の折り紙や紙芝居などよりも少しは役に立てたのではないかと思う。書道を行う上で心配だったのは、子供たちが書道行う時に筆や墨汁などで服を汚してしまうのではないかということであった。実際に、子供たちは上に着る遊び着などを忘れてしまったり持っていなかったりした子もいて、白いブラウスを黒く汚してしまった子もいた。そんな時、私は非常に焦ったのだが逆に子供たちの方は「お母さんに怒られる」などと気にしたりする子はおらず、「ハロウィンの時に使える」とプラスの方向に考えていたということは非常に驚きだった。日本人の家庭であれば、そういうことをすると非常に悪いことをした、お母さんに怒られたらどうしよう、などと考えるものであるがイギリスの子供たちはそう考えないということが新鮮な発見であった。イギリスの学校教育では時間にシビアではなく、のびのびとした学習環境が整っているということが解り、日本でもこうしたらいいのにと考えたが日本人の何事もしっかりしたい、という社会風潮や教育環境ではなかなか実現することは難しいと思う。

そして、書道を教えていく手順として、私は最初に自己紹介をするのだが、子供たちに日本の文化で少しでも知っていることがあるということを教える為に、絵を前のホワイトボードに描いていき、解った時点で手を挙げてもらうという形式をとってピカチュウとハローキティーを描いてブレイクタイムのようなものを取った。そうすると、順番に描いていくときに子供たちも何のキャラクターだろう、と考えて知っていたときに答えることができるという喜びもあり、なかなか楽しんでもらえた。そして「彼らは日本に住んでいる」などと付け加えると日本に対しての興味もそそれたのではないかと思う。その後、書道についての説明やひらがな、カタカナ、漢字の説明をしたのだが漢字の種類などの多さについては、アルファベットに比べて文字数がケタ違いに多いので子供たちも純粋に驚いていた。それを通して自分も日本語についての知識を改めて確認したようにも思う。日本の中に居ると、「日本語」の新たな発見はほとんど失われてしまい、日本語を勉強している身ですら改めて日本文化についての新たな側面に触れることはなくなってしまう。このようなことは他人に教える立場になって初めて解るのではないかと思う。自分の文化と他の文化を比較するということによって生まれる純粋な興味は勉強をするという上で非常に重要なポイントになるのではないかと思う。実際に書道を行う前に私たちは一度デモをして、先生に書いてもらうという順番で行った。デモ時には筆に少し墨汁を染み込ませておいて、硯に水を入れ、水だということを指をつけて確認してから少し刷る。それからあらかじめ墨汁に浸しておいた筆を硯に入れると色が濃くなり、半紙に書いた時に濃い黒になる。それを見せたところ、子供たちは「マジックスティック」と非常にうけがよかった。匂いを嗅がせることにより五感に訴えるなど、色々なことを試し、どれが一番子供たちの反応が良かったか、などを他のメンバーと話し合い、情報交換してさらに授業構想を練り、最終的には自分たちで一番やりやすい、子供たちにも楽しんでもらえるという形が出来上がったと思う。様々な工夫をしていく過程で、対立もあったりしたが、書道が一番自分的には楽しかったように思う。

今回結局最終的には体調を崩してしまったり、食べ物や水道のトラブルがあったりと様々なアクシデントや困ったことなどがあったが結果的にはとてもいい体験となった。イギリスに行くということを非常に恐れていて、「やはり申し込まなければよかった」と何度も行くまでは思っていたが、行ってみたらそこまでコミュニケーションを取ることに苦労もせず、むしろコミュニケーションに失敗して仲互いするなどという苦労があるのは同じ言語の日本人とのことであった。このことから、同じ文化圏の人との対立は起きやすいが、多文化圏の人との対立は多文化圏の言語を使い慣れていない人は特に起こりにくいのではないかと考える。そのため、私たち日本人はコミュニケーションをするということを怠ってしまうと日本人同士でのいさかいや対立が生まれてしまうため、今度インターンシップに行く時にはきちんと同じグループ内でコミュニケーションを欠かさないようにし、分担もきちんと行い、事前準備も怠らないようにしたい。今回の様々な反省や「ああしておけばよかった」ということを踏まえ、次回それを克服して活かせるようにしていきたいと思う。外国に行くことで日本文化への愛着や異文化コミュニケーションの難しさや語学力の必要性などを確認できたという意味でも、今回のインターンシップは非常に有意義な旅であったように思う。

 

イギリスのフェアトレード

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若林由美さん
宇都宮大学国際学部1年
イギリス・2011年2月参加


■たくさんの気づき、学び
フェアトレードタウンに滞在し、多くのことを学ぶことができました。

学校訪問、茶道、着物や布草履などを教えることによって日本の魅力を再発見することができました。また、教えることの難しさや楽しさを感じることができました。これは日本での普段の生活ではなかなか気づくことができないことでもありました。

そして、現地の社会や文化に根ざし、外国語を実践的に学ぶことができました。現地でしか体験できない文化や環境などを体験することができました。色んな方々と参加することで、多様な価値観のなか自分の強みやコミュニケーションの取り方なども学ぶことができました。それは参加者同士の中のものでもあり、現地のスタッフ、子ども達やホストファミリーとのコミュニケーション力を高めることができました。私は多様な角度から学び、視野を広がることができました。


■フェアトレードがイギリスの生活の一部

その中でも、私は「フェアトレード」について一番多くのことを知り、感じることができました。フェアトレードと言えば、日本ではチョコレートやクラフトといったものがよく知られています。しかしそれらは限定の店舗や場所に行かないと買えないのがほとんどであるのが現実です。いわゆるフェアトレード商品を日常的に買うことはできず、値段も相当高いものであります。これらに比べるとイギリスの町を歩くと至る所にフェアトレードの商品を見る事ができることにビックリしました。普通のスーパーで、フェアトレードのチョコレート、紅茶、ワイン、塩やバナナなど数多くの商品が並んでありました。さらに、洋服店や美容院などの店でもフェアトレードを支援している店が多くありました。フェアトレードは本当に人々の生活の一部であると私は感じました。これが日本との一番の違いであると実感しました。


■知り、買ってもらうことが大事

日本ではフェアトレード商品を売ることによって、一円でも多くのお金を支援される側に届けることを最大目的となっています。それと違い、イギリスでは多くの商品を売ることはもちろん、より多くの人々にフェアトレードを知ってもらい、その人たちにも身近いものとして関わってもらい、継続的なものとして支援していくことが大切であると考えています。つまりイギリスの場合は、売ることよりも多くの人々がフェアトレードを知り、買うことが大事であると伝えています。また、中でも子どもたちに伝えていくことが一番大切であるのです。そして地域、市民、学校などが連携し、フェアトレード支援に関わっていることを実感しました。また、フェアトレードタウンの発祥地であるイギリスで活動を行うことにより、現地のフェアトレードに対する姿勢の素晴らしさを感じることができました。現在の日本はもっと努力し、市民や地域社会に変化をもたらす必要があると考えさせることができました。


■今後
二週間という短い時間でしたが、多くのことを学び、自分の成長にも繋ぐことができました。私は今フェアトレード商品を扱うサークルに所属し、日本での初フェアトレードタウンを行おうとする活動にも参加させて頂いています。今回のインターンシップを通じて私が感じたことや学んだことをぜひサークルの同僚や周りの人々と共有し、これからの活動に活かしていきたいと思っています。それは、私にとっても必要なことでありますし、多くの人々にとって大切なことでもあると思いました。また、このようなことを伝えていくことが今の私にできることではないかと思っています。そして、これから継続的にフェアトレードについて多くのことを学んでいきたいです。