コミュニティインターンに参加して得ることが出来たもの

1109nana

安藤菜那 さん
横浜国立大学教育人間科学部3年
イギリス・2012年2月参加


初めに(このプログラムに参加することを決めたきっかけについて)

私がこのプログラムに参加するきっかけとなったのは偶然の出来事によるものでした。大学の学校生活に関するある書類を受け取るために大学の学務を訪れたとき、このプログラムに関するポスターを見つけ、自分の中で何か運命的なものを感じてその場から離れられなくなっている自分がいました。それは何故かというと、自分自身大学で学んでいる専門が英語教育ということ、幼少のころから習字・書道を習っていたこと、また、海外の教育事情に深い関心を抱いていたということなど、このプログラムに惹きつけられざるを得ない状況に置かれていたからです。私は思い立ったらすぐ行動に移ってしまう性分なのでその日のうちに親に電話で相談をし、翌日詳しいことを調べ、その後一週間以内に申し込みをしました。そのときの自分の行動の急さには自分でも驚かされる部分がありますが、今になって思うとそれは自分にとって正しい判断であり、今回のプログラム参加の経験が自分の人生の中の一つの経験として欠かすことのできないものであったからこその行動であったのだと改めて感じています。


現地での授業経営・子どもたちとの関わりを通して

現地で担当させていただいた授業は折り紙、折り紙を利用したポスター作成、カルタ、書道など様々な分野の経験をさせていただきました。私は個人的に昔から習字・書道を習っていたこともあり、特に書道の授業を現地で行うことを心待ちにしていました。Christ church schoolの4年生と6年生で授業を行ったのですが、やはり学年によって作業の進み具合に大きな違いが見られました。必然的に6年生の方が道具の準備や指示に対する飲み込み具合がスムーズだったように思われます。4年生にとっては少し難しい授業内容だったのかなということを感じましたが、なんとか自分の作品を仕上げようと必死に取り組む姿はとてもほほえましく、また胸を打たれるものがありました。子どもたちは墨(black ink)という、自分たちにとっては得体のしれないものに非常に大きな関心を持ち、墨を磨る作業では食い入るようにその様子を観察していました。どの子も作業に飽きることなく、次から次へと何枚も何枚も書きたがる様子で、書道に親しんでくれたように感じます。このことは現地で行ったどの授業に対しても同じように言うことが出来ると思います

異国の地で自国の文化を伝えるというプログラムは、本当に魅力的なプログラムであると実際に授業を行って初めて、その素晴らしさに気付く事が出来ました。自分が想像している以上に大きな反応や感動を得ることが出来ました。私たちにとってカルタや折り紙、書道は身近に触れられるものであり、小さいころから地域の人や学校または親戚との関わりの中で親しんできたものでありますが、向こうの子どもたちにとっては“What’s this?”という主観から入るのです。普通に考えれば当たり前の事でありながら、そのことが私にとっては大きな衝撃でありました。住む場所が違えば言語、衣食住、さらには文化も異なってくるというごく当たり前の事に身を持って体感することが出来たように思います。子どもたちにとってもそのことを感じ取ることができるいい機会になったのではと思いますし、そのような事を感じ取ってくれていたらいいなという期待をしています。

授業が終わって休み時間の初めに子どもたちに “Did you enjoy the class?’’ と声をかけるようにしていたのですが、毎回の授業後に満面の笑みで“Yes!! ’’という返事をもらうことが出来ました。正直、授業を「どのように組み立てるか、時間内でどのようなことを子どもたちに与えたいのか、与えることが出来るのか、ということを考える段階で慣れていなかったこともあり、時折「どうしたらいいのだろう」と思うこともありましたが、子どもたちが授業に積極的に参加しようとしてくれて楽しんでくれたおかげで、カリキュラムをこなすことが出来たのだろうと感じています。疲れていても「子どもたちのために」と思えば、自然と体と脳にエネルギーが湧いてくるといった感覚はプログラムを終えた今でも鮮明に覚えています。子どもたちと身近に関わってこそ生まれる、本当に不思議なパワーだと思います。


英語力向上について

自身が英語教育を専門として大学に通っているということもあり、今回の現地滞在の目的として英語力向上のため、ま「英語を実際に多くの場面で使う機会とするため」ということも含まれていました。このプログラムに興味を持つ人の中で、その部分に重きを置いて参加を考えていらっしゃる方も少なくないのではと思います。また実際今年度活動を共にしたメンバーの中にも英語教育を専攻していたり将来英語教師を目指していたりという人は多くいました。自分自身のことについて言うと、机上で行う英語の学習に物足りなさを感じていたということもあり、また、ある本を読んだことがきっかけで「英語は言語なのだから実際にコミュニケーションの中で使わなくては意味がない!」という気持ちに駆られていたのでした。現地に行く前に実際の生活の中で使う英語表現の予習を約一ヵ月間継続して行いました。具体的な勉強方法は、生活の中で使う英語表現がたくさん収録されている参考書を買い、その付属のCDをMP3に転送し、移動の時間や身支度をしているときなどに繰り返し聞いてリプロダクションするといったものでした。何度も口ずさむ内に早く英国に行って英語を使いたいという気持ちがどんどん高まっていきました。予習していったことは現地の生活で生かす事ができ、ホストマザーや語学学校の先生、小学校の先生、駅員さん、あらゆるお店の店員さんたちが何を話しているのか聞きとる際にも役立てることが出来ました。実際英語をコミュ二ケーションの中で使ったのは実は英国に着いてからではありませんでした。というのも、このプログラム参加を決意してから、同大学に在学している留学生と交流する機会を多く持つことを意識し、そこで出来た友達と昼休みの時間などに積極的に会話をすることを習慣づけるようにしていたからです。プログラム参加を決意する前は躊躇していたことに足を踏み入れることができとても嬉しく感じています。英国に行く前はその友達から“You can do it! Enjoy!”と背中を押してもらいました。その友達との交流は日本に帰ってきた今でも続いていて私はその友達たちに日本語を教え、その友達たちに英語を教わっています。会話の中の7割は冗談の飛ばし合いであるあたりは日本人の友達との関わりとあまり大差はありません。このプログラム参加決意がきっかけで知りあうことができたその友達たちとのつながりを今後も大切にしていきたいと思います。

英語学習において、文法知識の習得や語彙習得などにおいて机上の学習は欠かせませんが、実際にコミュニケーションの中で学んだ英語を話すということがいかに重要であるかということを身にしみて感じました。例えば今回は日本人の学生や団長さんが共に英国に行くという安心感がありましたが、1人で英国(あるいは英語圏)に行き、日本人観光客や日本人の滞在者、居住者が身近におらず、なお且つ全く英語が話せなかったら生活をすることができません。今回の経験を積んだ今、次回機会があったらより厳しい条件で海外に1人で跳びこんでみたいなという気持ちも芽生えています。あと単純に考えて、英語を使って海外の人とコミュニケーションをとることは大切というよりも、本当に楽しいことであると感じます。日本に帰ってきて英語を話す機会は減ってしまいましたが、これからは自分の力で英語を話せる機会を探し、コミュニケーションをとる中での英語学習も続けていきたいと思っています。もっともっと勉強して、より発展的な話題についてネイティブの人と話せるようになることが今の目標です。プログラム参加決意から、帰国後までの気持ちの変化を辿ってみると、よりいっそう英語学習・習得というものに対する意識を高めることができたということを確信しています。


現地での生活について・国際交流の場

現地の生活の中で関わった人はイギリスの人だけではありません。ホストマザーはイタリア人、ハウスメイトは中国人とブラジル人、最初の一週目に通った語学学校で知り合った方々は韓国人、アルゼンチン人、ロシア人、フランス人、スペイン人、といったように非常に多様な国籍の人と交流をすることが出来、このことは私が現地に着くまで全く予想をしていなかったことでした。このような素晴らしい機会に巡り合えた事を無駄にしてはいけないと思い、それぞれの人と、言語、文化、家族のこと、将来のことについて(英語圏で働きたいと思っている人)など様々な話題で交流を深めました。国籍でその人を判断することはあまり良くないことですが、それぞれの人がそれぞれの国の色を持っていてそのことに対してとても興味深く感じました。不思議と自分は日本人なのだ、という意識も強くなったように思います。これには良い点と余り良くない点があると思いますが良い点を挙げるとすると、より自国に対する深い理解と多様な知識を身につけなければならないという動機づけになったということが挙げられるのではないかと思います。情報化がどんどん進行している今の世の中でネットを経由すればどんな情報でも手に入るということは確かですが、実際にその国に住んでいる、あるいは住んでいたというひとの生の声を聞く事、生の意見を聞く事は、インパクトがまるで違います。私自身はそう感じました。自分からもっと「日本はこういう国で、こんな素晴らしい側面をもっている」ということをより説得性を持たせて伝えることができたら、ということを多様な国籍の方々とお話をする中で強く感じ、またもどかしくさえ感じたので、今後の課題にしていきたいと考えています。


今回の活動を今後に生かしていくために

今回の経験は自分の今後を考えたうえで、辿って行こうと思っていた道を大きく変えるきっかけになったといっても過言ではありません。プログラム参加の前は「自分はいったい本当は何がしたいのだろう」と今後の進むべき道が明確にならずもやもやしていた部分がありましたが、この経験を終えて見えてきたものがありました。海外の人がより日本のことに興味を持ち、私たちの使用する言語や色彩豊かな文化や愛してくれ、一方で自分自身もまだ訪れたことのない様々な国の文化に触れ理解を得る。このことを今後も持続的に継続し、それに必要な知識や技術を身につけていきたいと思っています。これらのことは非常に難易なことであり、膨大なエネルギーが必要であると多少不安に駆られることもありますが、今回のプログラム参加がもたらしてくれたきっかけあってこそ芽生えた思いであると思うので今後もその意欲を保っていきたいと考えています。もしこのプログラム参加を少しでも考えている方がいれば参加を勧めたいというのが私個人としての思いです。経験を生かすも殺すもそれぞれの人次第であるとは思いますが、挑戦してみたいという意欲と、海外に飛びこんでいこうという勇気があれば、たとえ短期間であれ非常に多くのものを得られるのではないかと思います。プログラム参加者の一人として、現地で感じたことをすぐに忘れてしまったり無駄にしてしまわないように、自分のできる限りを尽くして周りに伝承したり、意見交換をしたり共有したりすることに努めていきたいと考えています。何年経っても自分の記憶の中で色あせることのない3週間になったことには間違えありません。大学生活の中で一度は海外に足を踏み入れてみたいと半ば行き当たりばったりで決めたことが、このような自分の心の中にずっと残るような資産になり自分でも驚いています。

最後に、今回のプログラム参加において全力でサポートしてくださったフロムジャパン職員の皆さん、、、、授業を経営するうえで常に支えあって、時には励ましの言葉をかけてくれた他の参加者の皆さんに深く感謝申し上げます。皆さんのそれぞれの場での今後のご活躍を願いつつ、この経験を生かした将来選択の中でより一層の努力を積んでいきたいと思っています。ありがとうございました。

国際協力+日本への貢献

1109yuko
吉田祐子さん
横浜国立大学人間科学部1年
イギリス・2011年9月参加


なぜ私がこのインターンに参加したのか。その理由は、国際協力をしたいという従来の思いと、最近芽生えてきた日本に貢献したいという思いにピッタリ合うと思ったからである。それにあいまって、私の書道経験を何かに生かしたい、という思いも参加を決意するきっかけになった。

まずグループの中で私がリーダーを担当した、書道を教える活動について振り返ってみようと思う。書道を教える際には、様々な点で悩まなければならなかった。まずイギリスの子供たちは筆で文字を書くということ自体初めてだと思ったし、もちろん日本語や漢字についての知識はほとんどないだろうと思ったからだ。そして一番悩んだのは、書道をする上で一番大切な「心を落ち着ける」という精神をどのように教えるかということである。もちろん漢字を教え、筆で文字が書ければそれでいいかもしれない。しかし私としては、日本文化を教えに来ている以上、その精神まで伝えたいと考えたからである。

まず準備段階では、子供たちの練習用の新聞紙やワークシート、班ごとに配れるよう実際に筆で書いた見本を用意したりした。ワークシートも単に文字が書いてあるだけでは書き順が分からないと思ったので、一画ずつ書くなどの工夫をした。これは、子供たちが順序を守って書くために効果的であったように思う。さらに、清書用の半紙には中心や名前の書く場所が分かるよう、あらかじめ折り目をつけておいた。しかしこの点に関しては、折り目の意味の説明が不十分であったため、文字が崩れてしまう場合があったため、改善余地があると思う。

様々な準備の末、授業が始まった。初めは日本の文字についての説明である。ローマ字・ひらがな・カタカナ・漢字の4種類の文字を教えたときの反応はすごく大きかった。それぞれ学ばなければならない文字数の多さにも驚いていたようである。日本で使われている漢字を“Chinese character”と教えるのには少し不安があったが、中国が由来であるという話をすると、理解してくれたのでよかった。その後は書道で扱う文字「祝」の書き順の練習を兼ねて「空書き」を行った。日本ではよく見られる光景だが、イギリスではやはり珍しいらしく、子供たちも楽しそうに取り組んでいた。この空書きによって書き順を覚えることができるだけでなく、体全体を使って書くことで飽きることなく書道に取り組めたのではないかと思う。

次に「祝」のワークシートに取り組んだ。筆のような文体で書いていたため、何も言わないと文字の枠をなぞってしまう子もいて、幼いころからの書道の経験がないと、子供たちはこんな風に理解するのだな、と感じた。

そして自分名前をカタカナで書く、という練習を行った。とにかくこの活動は全体を通してとても人気のある活動だった。気をつけなければならないのが、「ピーター」などのばす音がある子の名前である。横書きと縦書きで向きが違うため、注意して書かねばならなかった。しかし子供たちはいったん教えられるとすぐにきれいな字を書き、ワークシート以外にも様々なところに自分の名前を漢字で書いていた。中には「お母さんの名前を日本語で書いてほしい」という子もいて、日本語に対する興味の高さに驚いた。

次に前に子供たちを集め、デモンストレーションを行った。墨を作るところから見せ、墨のにおいを嗅がせたり実際に子供たちに作ってもらったりした。この時、書道をするときは深呼吸をして心を落ち着けるんだよ、という話をすると、実際に深呼吸をする子もいた上に教室中が静まりかえり、本当に書道をするような雰囲気に持っていけたのがすごくよかったと思う。その中で、子供たちはどの過程でも真剣に話を聞いたり参加してくれたりしていた。実際に筆で書くところは、まず私が書いて見せたあと、担任の先生に書いてもらった。こうすることで、子供たちもさらに興味を持って書道を見てくれていたようだった。また、手本を見せた時には書き終わった後には歓声が起き、やはり子供たちにとってすごく珍しいことなのだろうな、と思った。

そして子供たちの練習に入った。墨の付け具合を説明するのが少し難しかったが、一人に1本ずつ筆を用意して下さったので、たくさん練習ができとてもよかったと思う。最後に半紙に清書をした。一人一枚の清書であったが何度も練習できたこともあり、大半の子が上手に書けていたと思う。そして何より、子供たちが楽しそうに書道に取り組んでくれたことが一番嬉しかった。

この他にも、折り紙やカブトづくり、紙芝居など様々な活動を行った。それぞれに違った良さがあり、違った学びがあり、すごく楽しく教えることができたと思う。

次に、授業をしていく中で感じた日本とイギリスの違いについて述べてみようと思う。最初に感じたのは、イギリスの子供たちはすごく目がキラキラしていて、自分の意見をしっかりもち、自分に自信を持っているということである。これは一概には言えないことだと思うが、とにかく子供たちが純粋だったのである。また、どのクラスも班ごとに机がつけてあって、そのグループごとに活動することが多いようだった。こうすることで、各個人の意見を他人に伝える機会は増えるのではないかと感じた。授業のコマ数も日本とは全く異なり、前半2コマ、後半2コマのように1コマの時間がたっぷり取ってある形式である。午後は休憩なしの学校もあり、全体的にゆるやかな印象を受けた。と、ここまではすごく良い印象を述べてきた、逆に日本にあってイギリスにないものもあった。それは当番制である。給食にしろ掃除にしろ、すべて大人たちで行っていた。この点は、私は日本の制度を支持する。なぜなら、当番制からは、自分たちのことは自分たちでするという基本的な姿勢を学ぶことができると思うからである。

また、授業以外でも違いを感じるところは多々あった。例えば、休日の街中。日本ではたくさんの客を呼び寄せるチャンスであるため、夜遅くまで営業しているところが多い。だがイギリスでは、ほとんどの店が夕方5時に閉まるだけでなく、最初から休業している店も少なくなかった。さらに電車は止まってしまうこともあるのだ。日本ではありえないことである。これは私たちの滞在していたラムスゲートだけでなく、町巡りをしているときにも感じたことであるが、全体として日本よりもゆったりとした時間が流れていた。日本は確かに便利である。多くの店が土日もフル回転で、過ごしやすい。それに比べると確かにイギリスは不便な部分もあるかもしれない。しかしどっちが幸せなのだろう。このように考えてしまうこともあった。

最後に、このコミュニティーインターンの総括をしていきたいと思う。今回このプログラムに参加して、私は様々な国の人々に出会い、様々な景色を見、様々な体験をすることができた。日本人インターンの人たちと夜も集まりながら必死で授業を組み立てたこと。子供たちと一緒にカルタゲームをしたこと。子供たちからお手紙をもらったこと。町歩きでものすごい僻地を歩き、白い崖に辿り着いたこと。町で出会った現地の人々との会話。語学学校の友達とたくさん話したこと。ここには書ききれないが、全てが思い出である。一番感じたことは、もっと英語を勉強したい、ということである。英語がもっと流暢に話せたら…と思うことが何度となくあった。今は英語を話せるのは当たり前、という時代であるが、やはり英語を話せるだけで世界は何倍にも広がるのではないかと感じた。また、今回の経験は日本の文化について、そして日本について考える良いきっかけにもなった。外国の人たちは政治などについてもすごく熱心で、日本の政治について聞かれて戸惑ってしまうこともあったのである。とにかく全てにおいて、このままではいけないと感じた。この経験を無駄にしないよう、これからも色んなことに挑戦し、悔いのない大学生活を送っていきたい。最後になったが、このプログラムのために全力で準備、運営にあたって下さった景谷さんをはじめフロムジャパンのスタッフの方々、そして私を支えてくれた日本人インターンの方々に、感謝の意を申し上げたい。